追憶その1 鍵の創り手
「てか、エデンの鍵に、真実もくそもないと思うのだけれど・・・」
冷静に突っ込みをいれてみたけれど、この2人、相変わらず跪いたままだ。
「『エデンの鍵の真実』・・・と言うよりは『エデンの鍵が創られた時の、真実』と言った方がいいかしら」
フニンがそれを言うと、2人は跪くのを止め、どこから出したのか分からない椅子に腰掛けていた。しかも、テーブルはあるわ、その上には紅茶とお菓子があるわで・・・・そんな光景を見ると、本当に自分の心の世界なんだなぁと感心してしまう。当然、ぼくもその丸いテーブルを囲んでいるわけなのだが・・・いまいち、馴染めていない様な気がする・・・
「ふーん。相変わらず訳が分からないのだけれど、興味あるから、聞くよ」
「わかったよ。マスター」
そういうと、フニンがテーブルの上に手を出した。
『ルーンの第40番、記憶鏡を行使する』
それと同時に、手の平から水晶のような鏡が出てきた。
「この鏡は、フニンが管理している記憶を画像で紹介する、デバイスだと思ってくれればいい。さて、本題に入ろうか・・・」
「元々エデンの鍵は、殺戮兵器なんかじゃなかった。本来は、人の心を安定させるための力を持った装置だったんだ」
「待って。それだったら、なんで先代人類を滅ぼす事ができたんだよ?」
「人の話を聞いていなかったのか?『人の心を安定させる』ということは『人の心を壊す』ことだってできるんだ。むしろ、後者の方が容易い。」
そうだったのか・・・それなら確かに、岡田先輩や会長が言っていた『神にも等しいチカラを持った兵器』と言うのも頷ける。心を操る。それが出来れば、知能を持ったものなら抗う事ができない。機械でもない限りは・・・・
「そして、もう一つ。ここからは、エデンの鍵を創った者たちの事になる。
エデンの鍵は、当時の最高位の『バルシェラー』が5人で創ったものだが――――」
「ストップ。今まで疑問だったけど、どうしてそこまでエデンの鍵について知っている?」
「当然だろう?俺たち2人もそれに立ち会ったんだから」
「それじゃ、2人が5人の内の最高位のバルシェラーってこと?」
「いや、違う。『俺たち自身』ではなく『俺たちのマスター』が、だ」
「・・・・・えっ、それって・・・・」
「そう。『アナタ』が『最高位のバルシェラー』なのです。ユグラルト・ルーン様」
「そんな・・・そんなことが・・・」
「『有り得ない』わけではない。少なくとも、マスターは5人のバルシェラーをすでにご存知のはず」
「それって・・・・・まさかっ!!」
「そう。『この学園の生徒会役員』こそ『最高位のバルシェラー』であり、『エデンの鍵の製創メンバー』なのです。」
「う・・・・嘘だ・・・・そんな偶然が・・・・」
「偶然は、時として必然と捉えることもできる。この学園に『エデンの鍵』の製創メンバーの生まれ変わりが来るということは、決定事項だった。その要因が『エデンの鍵によるものなのか』、あるいは『日本政府の策略だったのか』は不明だが・・・」
会長が、ぼくを選んだのはそれ相応の理由があるとは思っていたけど、そんなことがあったなんて・・・今、自分は何であるかすら、有耶無耶になりつつある。
「そこで、だ。マスターに頼みたいことがある」
「・・・・・・・何・・・・・」
『エデンの鍵を、止めてくれ』
その声は、どこか切なく、儚げに、ぼくの中へと入って行った・・・・・・・
いかがでしたか?追憶編は、さらに続きます。
お楽しみに。コメント待ってます。




