冥府庁調査課 file.0「冥府へ続く井戸」（京都・六道ノ辻編）

大学の友人たちと、京都・六道の辻にある「冥界の井戸」を訪れていた神崎イサナ。
ところが、ふと気づくと「あの世」に迷い込んでしまっていた。

間違いなく生きているのに、「死んだ記録」も「生きた記録」でさえ冥府の帳簿に載っていないという。
前代未聞の存在として、騒動の中心となった神崎は、現世と冥府を行き来できる可能性に賭け、「調査課」への配属を希望する。

だが、そこに待っていたのは、生者にも死者にも厳しい過酷な研修だった。

冷酷なルール至上主義者の先輩・黒野アイリ
掴みどころのない上司・初江課長
素行に問題ありな門番・春日押人

……個性派だらけの冥府庁で。
神崎は“なぜここに来たのか”と“自分は何者だったのか”を探しながら、生と死のはざまを生きる術を学んでいく——。