第8話~登城するよ おっさん~
「君、起きなさいっ!!」
少し乱暴に起こされて覚醒していく、えっと、ここはどこだっけ?
「おい! 早くしないと飯抜きになるぞ!!」
「!!!」
その言葉に一気に目が覚めて起き上がる。
そうか、昨日衛兵さんの宿直室に泊めてもらったんだった。
「起きたな、早く顔を洗ってこい。 洗面所は右、食堂はその先だからな」
昨日とは違う厳つい顔の衛兵さんが親切に教えてくれたので、半分寝ぼけながら洗面所に行き顔を洗い、完全に目を覚ます。
食堂には、5人ほどの衛兵さんが朝食を食べていた。ちなみに主食はやはりパンのようだ。
「お早うございます」
とりあえず挨拶をして席に着く。
「よく眠れたようだな。 とりあえず腹を満たしたら、お城に行って、王様に謁見してもらうからな。 早く食えよ」
「はい、所で昨日の若い衛兵さんは?」
「えっ、えっとっ、お城・・・ではなくて、当番が終わったから家に帰ったんだっ!」
なんだろう・・・こちらの質問に突然衛兵さんは慌て始める。
まぁいいかと朝食を食べ、王様に会うんだからと用意されていた、服に着替えて出発する。
衛兵さんと一緒に街に入り、お城に入る。
街の様子も気になったが、今はしょうがないし、また見る機会もあるだろう。
「ここで止まれ」
考えながら進んでいたので気が付かなかったが、いくら衛兵と一緒だからといっても、城門や途中で1度も止められていない。
その事に違和感を覚える前に、謁見の間らしき部屋の扉が開いていく。
「そこで止まれ」
衛兵さんに促されて進み、止められた所で膝まづく、王様の姿は何故か良く見えなかったけど、なにか権威付けの魔法かな?
「やぁ、良く眠れたかな?」
聞き覚えのある声に、思わず顔を上げる。
すると、目の前の玉座には昨日の若い衛兵さんが王冠をかぶって座っていた。
・・・何やってんの?
読んでいただき、有難うございます。