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第20話~売り込め おっさん~

「は~い、よってらっしゃい! 新発売のおいしい果物『リンゴ』ですよ~!!

そのまま食べても甘くおいしく、工夫次第で可能性は無限大の画期的な果物だよ~!!」


学生時代のスーパーでのバイトの経験を活用して、売り込みをかけていく。

いい年のおっさんとしてはかなり恥ずかしいものはあるが、この商売がうまくいかないと早晩路頭に迷うことになるからな・・・

必死な呼び込みが効いたのか、徐々に道行く奥様方が集まってきた。


「これ、昨日も見たけど真っ赤で不思議な食べ物よね、面白そうだけど買うのはちょっと・・・」


おや、あの人は昨日も来てくれていたようだぞ、これはチャンス!!


「本日は、『リンゴ』の味を皆さんに知っていただくために、試食を用意いたしました!! お買いにならなくてもけっこうですから、とにかく一度食べてみてください!!」


そう声を掛けていくが、試食自体が珍しいのもあり、中々食指を伸ばそうとしてこない。


「お兄ちゃん!!私も一つ食べてみていいかなぁ?」


そんな中、奥様方の足元を掻い潜ってキャーロが声を掛けてくれた。


「もちろんだよ! はいっ、どうぞ」

「ありがとう!! ・・・シャリシャリしてて、甘くておいしいね!!」


笑顔のキャーロを見て、好奇心を刺激された奥様方もし少しづつ試食を食べ始める。


「外は真っ赤なのに、中は真っ白なのね・・・ あら、ほんとにおいしいわね!!」

「『リンゴ』は皮をむくとだんだん茶色く変色していきますので、しばらくの間塩水に浸けてください、そうすると甘みも増して色味も長持ちします。

また、砂糖で煮たり、焼いたりしても味や食感が変わっておいしいですよ!! まぁ、まずはやはりそのまま食べていただくのがお薦めですけどね!!」

「そぉ? それならお一つ頂こうかしら?」

「ありがとうございます!!」


その一つがきっかけとなってその日の『リンゴ』はめでたく最初に用意していた20個はあっという間に売り切れてしまった。


読んでいただき、有難うございます。

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