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婚約破棄悪役令嬢と紅茶追放王子の異世界ロマンス〜アカウント停止されたと思ったら推しとアフタヌーンティーしてた〜  作者: ナロージュ•ピクセル


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56/58

〜□D56■D〜デージョ王子様は再び眠れぬ夜を過ごされておられるのでございますね〜


 

『……(わたし)は、貴方の想っている悪役令嬢ナロージュ・ピクセルではありません。……(わたし)は、冴えないWEB小説家志望のそれも投稿サイトからも元いた世界からも追放された(色んな意味で死んだ)恋人もいない…親との関係も上手くいっていない…孤独な…自作小説の王子様…貴方に恋をしている…ただのしがない…キモヲタです…』


 ……灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)の言った言葉が、あまりにも突拍子も無くて、グルグルと頭の中を紅茶の茶葉がジャンピングするように舞っている…………。


 「…〜婚約破棄悪役令嬢と紅茶追放王子の異世界ロマンス〜アカウント停止されたと思ったら推しとアフタヌーンティーしてた〜…」……それが、この世界の題名(タイトル)なのだと……灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)は、いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢は、紅茶葉袋眼帯(ティーバッグガンタイ)の瞳で俺を真っ直ぐに見詰めて言った。その()は、とても真っ直ぐで、俺には、……灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢が、とても嘘をついているようには思えなかった。


 ……だけど。そんな馬鹿な話が本当にあると言うのか!?

 ……この世界が(・・・・・・)自作小説の世界(・・・・・・・)だと!?


 「…灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)が、いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢が、いや……」


 『……(わたし)は、貴方の想っている悪役令嬢ナロージュ・ピクセルではありません。……(わたし)は、冴えないWEB小説家志望のそれも投稿サイトからも元いた世界からも追放された(色んな意味で死んだ)恋人もいない…親との関係も上手くいっていない…孤独な…自作小説の王子様…貴方に恋をしている…ただのしがない…キモヲタです…』


 ……灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)の言った言葉が、またしてもグルグルと頭の中を紅茶の茶葉がジャンピングするように舞っている…………。


 「…この世界(・・・・)の灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)は、この世界(・・・・)の灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)では、無い?…と、言うことか!?」


 ーーー……バフンッ!!とずいぶんと住み慣れてきたピクセル家の別邸の寝室で、モフモフの枕を膝に抱えるどころか顔を埋めて眠れぬ夜に夜空に瞬く星を脳内で数え灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢?(仮)のことを考えていた。気づけばずっと灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢?(仮)のことばかり考えている。そして、考えれば考えるほど謎が謎を呼んでいる。


 「〜〜いや!!意味がわからんっっっ!!」

 モフモフの枕を膝に抱えるどころか顔を埋めて眠れぬ夜に俺は声にならない声でモフモフ枕に最早ディープキスさながらに顔を埋めて叫んでいた。


 「ーデージョ王子は再び眠れぬ夜を過ごされておられるのでございますねー」

 不意に耳元でモルモットランドセル(モンストロ・ブラン)が無駄に良い声(魅惑のバリトンボイス)で俺に囁いた。


 「のわっっ!?」びっくりする俺に不法侵入執事は言う。


 「デージョ王子様。モフモフ枕とディープキスを致して、紅茶の次は、いよいよモフモフ枕と婚約ですか?」……と。


 「……モフモフ枕とディープキス?てか、枕と婚約って、いよいよ何だよ!?……紅茶婚約王子の俺が言うのもなんだが、てか、オマエ不法侵入だぞ!そして、この下り二回目だぞ!!またしても俺の心の声(モノローグ)を勝手に読みやがって!!デジャヴだぞ!!」

 びっくりデジャヴしたので取り敢えず言い返す。

 本当にびっくりデジャヴだぜっっっ……。


 「これはすみません。またしても、お声をおかけしてもお返事がなかったものですから。不測の事態のデジャヴかと思い。入室させて頂きました。そしたらアナタ。可愛く枕を膝に抱えるどころかモフモフ枕に顔を埋めてディープキスしながら悩んでいらしたからついつい♡〜〜プププのプ♡」

 ……不法侵入執事が楽しそうに〜〜プププのプ♡とか笑いながら言う。……〜〜プププのプ♡ッて、いつもにましてムカつく笑い方だな(#゜Д゜)y-~~イライラがますぜっ!!


 「ついつい♡〜〜プププのプ♡ーーじゃねぇよ!!デジャヴなんだょォ!!……まぁ。確かに悩んではいるが、今回は、恋の悩みっつーか、なんつーか、アイツが、灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)が、いや、ナロージュ・ピクセル辺境伯爵令嬢が、いや……」


 『……(わたし)は、貴方の想っている悪役令嬢ナロージュ・ピクセルではありません。……(わたし)は、冴えないWEB小説家志望のそれも投稿サイトからも元いた世界からも追放された(色んな意味で死んだ)恋人もいない…親との関係も上手くいっていない…孤独な…自作小説の王子様…貴方に恋をしている…ただのしがない…キモヲタです…』


 ……またしても灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)の言った言葉が、グルグルと頭の中を紅茶の茶葉がジャンピングするように舞っている…………。

 反射的に悪態をつけば、不法侵入執事は言う。


 「デージョ王子様は、心の声(モノローグ)が顔にダダ漏れで御座いますからね」……と。そして静かな動作でティーワゴンでカモミールティーを淹れてくれた。本当にデジャヴだな。


 「ーこれを飲めば寝れるかもしれないー」

 無駄に良い声(魅惑のバリトンボイス)で不法侵入執事はまたしても囁く。

 「ー寝れるカモミールティーで御座います♡ー」

 そうして、俺にーこれを飲めば寝れるかもしれないー寝れるカモミールティーが入った白磁器のティーカップをまたしても優雅に差し出す。本当にデジャヴだな。


 「…だけど…今回は、混迷(カオス)が極まっていて、いくら優秀な執事であるオマエのー寝れるカモミールティーでも…飲んでも寝れる気がしなぃ…」自分で言うのもなんだが、結構、元々、紅茶の作用なのかポジティブな心を持つポジティーブな俺が流石にモフモフ枕に顔を埋め続け落ち込んでいると。


 ー寝れるカモミールティーをベッドのサイドテーブルに、

 ……コトリ。と、不法侵入執事は丁寧に置いて流石に心配そうな無駄に良い声(魅惑のバリトンボイス)で言う。


 「…紅茶狂いの紅茶追放王子様であらせられる貴方様が、紅茶狂いの紅茶婚約王子様であらせられる貴方様が、紅茶狂いのデージョ王子様が、紅茶を飲まないなんて、空から茶葉が降ってくるかも知れませんね…」


 「…オマエは、無駄に良い声(魅惑のバリトンボイス)で、一体、全体、何を言っているんだ…なんだょ、その紅茶まみれの謎の台詞は、紅茶ッて、何回、言ってんだょ…」


 「ーざっと、6回は紅茶と言わせて頂きましたー」

 不法侵入執事は丁寧に無駄に良い声(魅惑のバリトンボイス)を無駄に響かせ謎に自信満々に答える。


 「……答ぇなくて良ぃンだょォ…そして、6回ッて多いよぅな?思ったより紅茶ッて言ってねぇよぅな?微妙で何だか生々しぃ回数だなぁ……個人的な感想を言わせてもらうと。せめて、10回は、紅茶ッて、言ってて欲しかったぜっ…」

 独り言のように俺がモフモフ枕に顔を埋めて呟けば、不法侵入執事は丁寧に無駄に良い声(魅惑のバリトンボイス)を無駄に響かせて言う。


 「もう一度、紅茶が10回になるよう言い直しますか?」


 「…何ンだょォ、その質問…何なンだょォ、その紅茶を飲み間違ぇたよぅな気遣ぃ…ぃらねーンだょォ…シクシクシック」モフモフ枕に顔を埋めてシクシクシックと「…俺は、やはりフラれたのだろうか…?」と「…フラれるにしても…もっと、マシなフリかたとかあンじゃねぇーのォ?」と最早、涙を枕で濡らして、枕を涙で濡らして、独り言のように俺がモフモフ枕に顔を埋めて涙で濡らし呟けば、不法侵入執事は丁寧に無駄に良い声(魅惑のバリトンボイス)を無駄に響かせて問う。


 「ナロージュ様はデージョ王子様を嫌いと仰いましたか?」と。確かにハッキリ嫌いと言われたワケでは無いが。


 『デージョ王子様…その想いは…(わたし)創作(つく)ったものなのです』『ーこの異世界は、(わたし)が書いた小説の世界ですー』……灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)の言った言葉が、グルグルと頭の中を紅茶の茶葉がジャンピングするように舞っている……。


 「…意味のわからないことを言われるくらいなら…」

 ……いっそ「…俺のことが嫌いだと…」……そう。

 「…言えば良いのだ…」……「…その方がマシだ…」

 ……己で、そう答えて、シクシクシック……泣けてくる。

 


 『……(わたし)は、貴方の想っている悪役令嬢ナロージュ・ピクセルではありません。……(わたし)は、冴えないWEB小説家志望のそれも投稿サイトからも元いた世界からも追放された(色んな意味で死んだ)恋人もいない…親との関係も上手くいっていない…孤独な…自作小説の王子様…貴方に恋をしている…ただのしがない…キモヲタです…』


 ……何度も何度も灰汁抜き蓮根(悪役令嬢)の言った言葉が、グルグルと頭の中を紅茶の茶葉がジャンピングするように舞ってはリフレインする。……何度も何度も。


 「…キモヲタ…ッて何なんだょォ…シクシクシック…」

 最早、枕が涙に濡れているのか涙が枕に濡れているのか?

 「…意味わかんねぇえぇょォ…」

 〜〜本当に意味がわからなぃンだょぉ。


 最早、意味のわからなぃ涙を枕に濡らす俺の背中をさすりながら不法侵入執事は丁寧に無駄に良い声(魅惑のバリトンボイス)を無駄に響かせてまたしても問うてくる。


 「お忘れですか?『俺はアイツと飲む紅茶が一番美味しい』貴方様は確かにそう仰いました。私は答えたはずですーそれだけでじゅうぶんだと思いますよーと。その御心(おこころ)に変わりはありませんか?」……と。


 「…変わらない…俺は、アイツが、キモヲタ?だろうが、この世界(・・・・)が、アイツの創作した(・・・・)世界?だろうが、この気持ちが、創作された(・・・・・)?ものであろうが、関係無い…俺は、俺はアイツと飲む紅茶が一番美味しい…」


 もう一度、不法侵入執事は優しく微笑んで言った。

 「ーそれだけでじゅうぶんだと思いますよー」と。

 そして「デージョ王子様のその気持ちをそのままナロージュ様にお伝えくださいませ。ー二人で紅茶を飲みながらー」

 そう俺の背中を優しくさすり押してくれたのだった。

 


 

 


 

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