34.護衛 sideフォーリア
「全く君は…くどくどくど…」
「もう少し自覚を…くどくどくど…」
セイン様とお義兄様のお説教が続いています。
私はお二人の間で小さくなるばかり。
「…という訳で。フォリ、君に護衛を付ける」
「護衛…ですか?」
「ああ。気まぐれに一人でふらりと出歩く君を守るのは、ミリアだけでは大変だろう?…監視のプロを付けなければ」
「監視のプロ!?」
「君は危なっかしくて、片時も目を離せないからな。だが、残念なことに、私もシオンも君にだけ付いていられる訳ではない。だったら、私たちの代わりになってくれる者を付けるしかないだろう?」
「で、ですが…専属護衛というのは大袈裟では…?」
「そんな事はない。…先日のパーティーでのスヴェン王子の様子を見ただろう?彼が何か仕掛けてくるかもしれない。それに、スヴェン王子と共にいるという男。その男が君に怪我をさせた者かもしれないのだぞ?」
「…はい」
「フォーリア、私も殿下の意見に賛成だ。君の身を守るためにも、側に護衛を置いてほしい」
「…わかりました。護衛の方をお願いします。…セイン様、お義兄様、ご心配をお掛けして申し訳ありませんでした」
「いや、此方こそ申し訳ない。…結果的に、君の行動を制限しているのだからな」
こうして私に護衛騎士が付くことになりました。
「初めまして、フォーリア様。私は近衛騎士隊のエドヴィン・ロウと申します。よろしくお願いいたします」
私の前に現れたのは、肩までの紅いストレートヘアにアイスブルーの瞳の騎士。
彼が私の護衛騎士となりました。
「早速ですがフォーリア様、先日スヴェン王子がパーティーから追い出され…いえ、お帰りになった後、近衛騎士はスヴェン王子の滞在宿に乗り込んだのですが…一足遅く、スヴェン王子と連れの男は宿を引き払った後でした。彼らは宿を変え、今でも王都に潜伏していると思われます。なので、フォーリア様には暫く外出を控えていただきたく…」
「…わかりました。私もあの方にはお会いしたくありません。王宮でおとなしくしておりますね」
「王宮も見所がたくさん御座います。楽しくお過ごしいただけると思いますよ。但し!決してお一人では行動なさいませんように」
「はい。エドヴィンさん、これからよろしくお願いします」
「私のことはエド、で構いませんよ。敬語も結構です。…貴女は私の主なのですから」
「そう?それではエド、よろしくね」
私の王宮での滞在はまだ続きそうです。
公爵領への帰路の道中を狙われる可能性もあるとのこと。
…それにしても、スヴェン殿下はなぜ私に拘るのでしょうか?
私には以前の記憶が無いのに…。
ケヴィン殿下も仰っていました。スヴェン殿下がエミリア様に婚約破棄を突きつけた、と。
スヴェン殿下は私に愛情なんて無いでしょう?
私はスヴェン殿下と関わりたくありません。
…どうか、何事も起きませんように…。




