悪役令嬢になったんですけど…その2
…なんかさ。
俺、間違いなく日本で男だったはずなのに公爵令嬢だったから記憶があるんだよね…。
チョコレット公爵家の長女、ショコラ・チョコレット│(15)
学園の中等部卒業間近。
5歳で王子の婚約者にとあてがわれ、幼い時から両親に「王子の隣に立つものとして立派であれ」とスパルタ教育される。権力に媚びるショコラの取り巻きと王子の婚約者の立場を羨み妬んだメイド達に唆され、王子に近づく女を強く牽制し、王子に嫌われる。
そこに、おそらくヒロイン役であろう女が現れ、王子は女を必要以上に気にかける。ショコラはこれまで同様ヒロインを牽制するも、ヒロインは王子を諦めない。ショコラからの嫌がらせを偽装し、王子を味方につける…。
辛い人生だった…。
前世の記憶思い出して良かった。じゃないと多分、ヤンデレとかサイコパスとかになってた。
ひねくれて道踏み外してほんとにヒロイン虐めたりしてたかも。そしてなんかやらかして処刑とか幽閉とか。危ない危ない。
…それで、これからどうしたらいいんだろう?
次の日。
いつも通りに馬車で学園へと向かう。前世の記憶が戻ったからといって特に変わったことは無い。公爵令嬢ショコラの記憶もあるからね。授業も問題なし。今日も変わらず優等生。両親のスパルタ教育によって学園の勉強は高等部卒業の分まで終わってるからね。
…何事もなく時間は過ぎ、あっという間に放課後。
「やっと来たか。ショコラ、前へ出ろ」
王子からの呼び出しに応え広場に向かった俺は、王子をはじめとしたたくさんの人々に出迎えられた。
一応説明すると、広場の中央には王子。その斜め後ろにヒロイン。周りに遠巻きにした学園の生徒達。
嫌な予感がする。王子に名指しされて仕方がないから前へ出るけど。
「なんですの?大勢集まっていらっしゃいますけど」
うわぁ。やっぱり俺がお嬢様言葉で話すの違和感半端ない。俺にとってはこれ、公開処刑なんですけど。
「聞いてくれ!!今日はみんなに重大な発表がある!!」
私の言葉は無視して周りに呼びかける王子。
「今、このときをもって私、プリン・スイーツと公爵令嬢ショコラ・チョコレットの婚約を解消する!!」
衝撃の発言に空気が凍る。
え?俺?俺は別に衝撃的って訳でもない。むしろ笑劇?王子の本名ってプリン・スイーツだったんだー!
…ぶふっ!ぷぷぷっ!
いや、知ってたはずなんだけどね…。前世記憶戻ってから聞くと面白くて面白くて。ショコラ・チョコレットも酷いと思うけど…。プリン・スイーツ…。ぷぷぷぷっ…。
笑いを顔に出さないようにとこらえ、震える姿に気を良くしたのか王子はさらに大きく宣言する。
「そして、これよりここにいるキャラメル・マキアート嬢を私の婚約者とする!!!」
え?いいのか王子。その女は平民だよ?学園にぎりぎり入れるぐらいには頭がいいけれど。
俺は今迄王妃教育されてきたし、そんなにすぐ婚約者を変えたりできないよ?
君は第一王子だからね?たいした学もない平民を妻とすれば第二王子に王位継承されちゃうよ?平民は妾にくらいしか認められないと思うけどなぁー。
そして、キャラメル…。名前がまた…。ぷぷぷ…。
「どうした、ショコラ?ショックで口が聞けないのか?それとも君のあのような酷い行いを、私が許すとでも思っていたのか?」
いえいえ。俺はべつにショックなんて受けていませんよ。貴方の馬鹿っぷりに呆れているのですよ。それと名前に呆れているのですよ。酷い行いは身に覚えがありませんし。王子、その女に騙されていますよ。
「いえ、別に。婚約破棄ですわね。分かりました。お話はそれだけですか?それでは失礼しますわ」
中身は男なんで寧ろありがたいです。さようなら。
ひとつ礼をして立ち去ろうとするが、呼び止められる。
「ショコラ!!冗談なんかじゃないぞ?私は本気だからな!?」
ええ。知ってますとも。
「お前はキャラメルに嫌がらせを繰り返し、僕が何度注意してもやめなかった。今夜、父上にもお話をするからお前には罰が下るぞ」
いやだから、嫌がらせとかしてませんって。
…しかも、この婚約破棄、王様知らないの!?勝手に婚約解消とかやばくない!?
…でも、まぁ、なんとかなるでしょ。
「ええ。では私もお父様に伝えておきますわ。では御機嫌よう」
うちの父は国の宰相なんだけどな?大丈夫かな?王様と宰相の関係が悪化するかもよ?
…俺知らね。
執筆は遅めですが気長に読んでいただけると…。
…これからもよろしくお願い致しますm(_ _)m




