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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十三章 桜島ダンジョン

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ガチャ1236回目:挑発実験

 ハルが盾役として『挑発』を使う場面は見たことあったが、今まで俺が『挑発』を受けた事は無かったから、どんなのか気になってたんだよな。まあカスミ達の行動圏内にスキル持ちがいて、俺が関わってるダンジョンにいなかっただけだから、希望すればスキルくらいぽんとくれただろうけど……。今までに遭遇する機会がなかったって事は、まだ俺とは関わるさだめに無いスキルと判断して、手に入らなくても仕方がないと割り切ってたんだが……ここで来るか。


『『『BEEEE!!』』』


 効果は単純明快。使用者以外視界に入りにくくする。なんというか、常に視界の中心点が自動的にフォーカスされて、自在に動けなくするって感じだろうか。本来なら使い手にオートロックされるんだろうけど、今回は3体同時に使用して来たから、その3体にしか切り替えができず、外す事ができないって感じか。強い意志を持っていれば抗えはするんだが、だいぶ神経を使わされる感じがする。

 けど、この強制フォーカスは視界だけの話で合って意識や気配感知には影響はないらしい。


『『『BEEEE!!』』』

『ブブブブ!』

『ブブブブ!』

『ブブブブ!』


 連中が『兵隊召喚Ⅱ』を行使したようだ。明らかに俺を囲んでいるハチの羽音が増えた。感覚からして、1体につき10体召喚したとみるべきか。

 普通なら警戒すべきだが、気配の強さからして召喚されたのは雑魚モンスターだ。これがレアを出したとなれば話は変わって来るんだが……視線をレアⅡから外すのが億劫なため直接視れはしないが、気配からして間違いなく同じ存在だろう。なら、する事は決まってる。


『斬ッ!』


『『『BEEEE!?』』』


 蛇腹剣を振るい,取り囲んでいた雑魚連中を一網打尽にする。狙っていなかったとはいえ、流石に今の攻撃でレアを仕留める事はできたようだ。ちゃんと避けてくれたらしい。

 まあ、雑魚は今の一振りで全滅したようだが。


「ん?」


 だがおかしい。雑魚は確かに斬り捨てた。ドロップしたアイテムが散らばる音も聞こえた。だというのに、レベルが上がった感覚がない。通知メッセージが視界の外に出現している可能性もなくはないが、数レベル程度だろうと成長している感覚を間違うはずもない。

 ということは、今の雑魚どもはレベル無しの個体だったのか? ああくそ、『挑発』の効果に全力で抗ってチェックしておくべきだった。


『『『BEEE!!』』』


 なんてことを考えている間も、攻撃が止まる事はない。連中が盾を構えながら突進して来た。

 部下の再召喚は……ないみたいだな。


「ふっ!」


 レアⅡになったとしても連中の戦術に変化はない。ただ馬鹿みたいに突進して、強襲するスタイルはそのままだった。変化があるとすればレベル上昇により速度と威力が増し、更には盾が増えた事で、正面から迎え撃とうとした場合、高確率で盾に弾かれ反撃を受けてしまうところだろうか。

 だがそれは正面からわざわざ迎え撃ってやった場合の話だ。俺は盾を持っていない側へと身体をズラして攻撃を躱し、そしてすれ違いざまに斬りつける事で1体目を撃破。


【レベルアップ】

【レベルが6から192に上昇しました】


 そうして即座に『魔力凝縮』からの水の壁を四方に配置してガチャを召喚。そのまま『充電』を済ませる。


『エネルギー残高 68/500』


「よし」

『『BEEE!』』


 連中が水の壁に激突してバシャバシャしているのが聞こえてくる。


「お?」


 改めて周囲を見渡してみた事で、違和感に気付いた。『挑発』の効果が切れている? かけられてからまだ30秒も経過していないはずだが……そんなに効果時間が短いのか? それとも……。


「視界から完全に外れたからか?」


 なんにせよ、面白い効果だな。研究のし甲斐がある。背後からの『挑発』も有効だったところからして、スキルを掛ける相手ではなく、スキルの術者側が相手を目視できなくなれば、『挑発』の効果が切れると。まあ、こちらを見てない相手に『挑発』するのは別に変ではないけど、見えてない相手に『挑発』するってのは変な感じがするもんな。

 納得。


『『BEEE!』』

「おっと、そうだった」


 またちょっと忘れてた。

 えーっと、この辺かな?


「『雷鳴の矢』」


『ドパッ!』


【レベルアップ】

【レベルが92から172に上昇しました】


 水のカーテン越しに狙いを澄まし、黄色い閃光が奴の身体を貫いた。

 流石に『魔力凝縮』をした水の壁を貫くには、蛇腹剣では力不足だからな。


『エネルギー残高 69/500』


 んじゃ、そのままもう1体も。


『ドパッ!』


【レベルアップ】

【レベルが72から180に上昇しました】


「これで良しと」


『パチン』


 指を鳴らして魔法を解除する。それと同時に、3体目のレアモンスターがアイテムをばら撒き消えて行った。そしてそこには、ドロップアイテムのリストになかったアイテムが紛れ込んでいた。


「アイラ。他の2体からはこれが出ていたか?」

「いいえ、出ておりませんでした」

「なら、やっぱり最後の1体がドロップする仕組みか」


 名前:ビービーの王冠

 品格:≪遺産≫レガシー

 種別:トリガーアイテム

 説明:ビービークイーンが持つ特殊な王冠。特殊な樹液で作られており、常にベトベトしている。素材としても使用可能。


「ベトベトて。あんまり直接持ちたくはないな」

『プル?』

「食べちゃだめだぞ」

『プル~ン』


 イリス曰く、ハチミツみたいな甘い匂いがするらしいので舐めてみたかったらしい。下手に舐めて形が崩れたり溶けたりしたら面倒だからな。我慢してもらおう。

読者の皆様へ


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