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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15より好評発売中!】  作者: 皇 雪火
第三十二章 秘密の園

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ガチャ1199回目:久々の大技

 『解析の魔眼』で『石化ブレス』によって形成されたフィールドの奥を視てみる。石化ゾーンも魔力を帯びているからちょっと分かりにくいが、その奥では『ブラックコカトリス』がゼェゼェと呼吸を荒げている様子が見て取れた。このブレスを吐くと体力を滅茶苦茶消耗するらしいな。カスミ達との戦いではこのブレスが広がりきる前に討伐されたから、その辺りのデータはなかったんだよな。


「さて、それじゃあ……」


 まずはズボッと腕を突っ込んでみる。


『ビキビキビキッ!』


 そして腕を引き戻せば、そこには石像と化した腕と、石化してない防具が出て来た。


「おおー」


 こうやって石化した腕をみるというのも新鮮だな。その状態の腕を『解析の魔眼』で視てみるが、自分の腕と麒麟兵装の魔力の他に、見慣れないデータが映った。これが石化のデータか? 絶えず数値が変動してるところからして、なおも浸食を続けていると見るべきか。

 試しにもう片方の手で石化した腕に接触してみるが、特に伝播はしないらしい。今回は肘から先が石化したが、肘から上にまで石化が伸びてくる様子もないところからして、『石化ブレス』に触れた部位だけが石化するようだな。


「イリーナ」


 声を掛けると即座に治療の光が全身を包み、腕の石化が解除される。

 んじゃ次は……腕に魔力を集めるだけ集めて、その状態で突っ込んでみる。


『ズボッ!』


「……ふむ」


 とくに石化する様子はない。というか、俺の拳付近にだけ石化の粒子が接近できない様子からして、魔力の壁に阻まれているようだな。魔力は通常『解析の魔眼』無しでは目に映らない為、一見するとただ拳を石化の粒子に突っ込ませたように見えるのだが、こうも露骨に粒子が避けてくれると分かりやすいな~。

 そのまま手を引っ込めてみるが、特に異常はなかった。

 『石化ブレス』に対しては有効な防御策ではあるだろうが、これはあくまで物質的な干渉の結果石化するタイプのものだから機能しているのであって、『ラミア』タイプが持つ邪眼には効果ないだろうな。邪眼は目と目が合うという条件だけで発生する状態異常だからな。目を魔力で覆ったところで、サングラスで日光を遮るのと同じように完全カットはできないはずだ。

 ……まあ、今度『バトルアリーナ』で試してみるか。多分石化そのものはしっかり発動しそうだけど。


「んじゃ最後に、『金剛外装』」


『ズボッ!』


 腕を突っ込んだ瞬間、外装が金色に明滅した。恐らくは石化の粒子に触れた事で無敵判定が始まったんだろう。そのまま腕を引っこ抜いてみれば、腕の石化自体は防げていたが、無敵1回分消費していた。

 となると、外装は一時しのぎとしては使えるが、ブレスの中を自由に動けるのは5回無敵×5秒無効により25秒しかない事が分かったな。再使用時間も30秒あるから連続使用はできないし。

 一応、事前に展開してから突っ込んだ場合を想定しても49~50秒しか耐えられない訳だ。俺らクラスになれば50秒あれば割となんだってできるんだが、その後を考えるとな……。


「うん、検証はこのくらいで十分か」


 煙の奥にいるあいつも、もうすぐ呼吸を整えそうだし。奴のスキル構成からして、石化ゾーンの中を突っ込んできてもおかしくない。

 そうなればあの石化の粒子がそこら中に飛び散って、彼女達にも影響が出かねない。最悪イリーナが『金剛外装』で耐えれば、外装のない子達も助かりはするだろうけど、俺の検証のせいで怪我させるのは嫌だしな。

 さっさとケリをつけるか。


「ハーフブースト。『魔力凝縮:ウォーターウォール』」


 『魔力凝縮』により、高さ十メートルの水の壁が出現。その分厚さも2メートルほどあり、それは最早滝といっても過言ではなかった。これを作ったのは高さを稼ぎたかったのと、ハーフブーストで強化された踏み込みに耐えられるだけの足場が欲しかったからだ。

 俺は『水渡り』で水の壁を足場とし、剣を構え『力溜め』を発動しながら高速で滝の上部へと移動した。足場が水である以上、足を動かさずとも自在に動けるのは便利だな。


『ゴゲゴ?』


 滝の最上部までやってくると、煙の向こう側にいた奴と目が合ったが、奴が動き出す前に『神速』を駆使して全力で跳躍した。


「『戦乱波濤・一式』」

『ゴ、ゴゲッ!?』

「『八雷(やくさいかづち)』!!」


『斬ッ!!』


【レベルアップ】

【レベルが88から300に上昇しました】


 八つの剣閃が雷鳴を轟かせ、全て同時に喰らいつく。全身に雷光の輝きを持った斬撃を受け、『ブラックコカトリス』は雷のエネルギーにより炭化し、斬撃による衝撃で全身が吹き飛んだ。

 振り返ると、奴がいた場所にはなにもなく、身体と一緒に吹き飛んだ煙が元の位置に集まり、そこからドロップアイテムをばら撒いてから消えていく様子が見て取れた。全身粉々に吹き飛んでも、アイテムドロップの為に元の場所に煙が戻ろうとするのはシュールだけど面白い光景だよな。

 ちなみに技の衝撃で石化の粒子も同様に吹き飛んでしまったが、奴の死と共に一粒も残すことなく世界から消え去ってくれたようだ。でも、やはりちょっと惜しい。正直もうちょっと実験を楽しみたかった。

 まあそれはさておき、『充電』だな。


『エネルギー残高 14/500』


 にしても300ジャストか。ある意味綺麗なレベルアップだが、レベル0が存在しないから『充電』しても100は残るんだよな……。これもまたちょっと残念だ。

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