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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15に発売決定!】  作者: 皇 雪火
第三十二章 秘密の園

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ガチャ1196回目:鳥頭

 接近しての鶏戦は諦め、弓で順番に射抜いて行く。魔法や天罰を使っての討伐はもはや作業になるので、これくらいが丁度良いのだ。ただまあぶっちゃけた話、今まで培ってきた経験とスキル構成的に、もう弓を引き絞り矢を番えれば、あとは意識して狙うまでもなく、身体が勝手に獲物に対して狙いを付けて反射的に射ってしまうので、これも作業と言えば作業なのだが……。

 そこは無意識をあえて意識する事で、ちゃんと相手を狙って自分の意志で撃つ事で誤魔化している。二度手間だけど、何もしないよりはマシだ。


「よし、これで100体目だ」


 煙が発生した事を認識した俺は、即座にクレーター内部を一斉に殲滅。アイテムをさっと回収し、少し距離を置く事にした。


『ゴゲゴオオオッ!!』

「……やっぱ五月蠅いわ、コイツ」


 前は一目散に突撃して来たんだよな。さっさと視ておくか。


*****

名前:ブラックシルキー

レベル:160

腕力:1500

器用:1500

頑丈:1200

俊敏:1400

魔力:1600

知力:900

運:なし


(ブースト)スキル】俊足Ⅲ、迅速Ⅲ、瞬迅

(パッシブ)スキル】身体強化LvMAX、硬化Ⅲ、鳥爪術LvMAX

(アーツ)スキル】チャージアタックⅢ、拡声Ⅲ

★【(エクス)スキル】パニックボイス、不協和音Ⅱ、幻惑のはばたきⅡ


装備:なし

ドロップ:ブラックシルキーの羽毛、ブラックシルキーの肉、ブラックシルキーの無精卵

魔石:特大

*****


 『ブラックシルキー』……。黒い烏骨鶏ってことか? それにしても、『拡声Ⅲ』は当然として、『パニックボイス』を持っていたか。ある意味想定通りだな。

 同じ『パニックボイス』を持つ俺には混乱の状態異常は通じないけど、あいつの声はやたらと耳障りに感じていた。その上、ずっと聞いてるとイライラさせられたのは、あのスキルによる副作用か、はたまたスキルを併用する事で発生する特殊効果かなにかだろう。混乱しない相手には不快感を与えるとか、そんな感じの。


『ゴゲゴゴッ!!』

「ちょっと離れたくらいじゃ意味ないか」


 この声の通りの良さ……。たぶん、耳栓しても効果は無さそうだな。昨日も、エスが湧かせたレアの悲鳴がフィールドに響き渡ってたくらいだし。


『ゴゲゴオオッ!!』


 『ブラックシルキー』は俺を敵と認め、こちらへと突っ込んでくる。

 俺はそれに合わせ短剣を抜き放ち――。


「『絶空』!!」


 すれ違いざまに奴の首を断ち切るも――。


「うおっととと!」


 勢い余ってクレーターの中に落ちそうになり、すんでのところで跳躍して回避する。あとはいつものように『空間魔法』で足場を作り、壁を蹴って地面に戻ってくると、奴が煙に変わっていくところだった。


【レベルアップ】

【レベルが90から188に上昇しました】


「……しまらないなぁ」


 今の俺、すげーダサイかも。

 言い訳をすると、今までは動かない対象にだけ『絶空』を放って来たのに、思い付きで向かってくる相手に使ってみた結果、タイミングとか間合いとか、色々とずれてしまったようだ。そのせいで、奴もすぐ即死してしまったみたいだし、攻撃としては成功でも、技としては失敗だな。

 そして煙はやはりというか、中央に向かって飛んで行かず、その場に残り続けた。多分、この階層の雑魚を全部蹴散らせば向かってくれるはずだろう。なのでさっさとヘドロを浄化して、地神塔をぶっ壊しておく。


『エネルギー残高 12/500』


『キャン!』

「お」


 『充電』を済ませていると、コハクが駆け寄って来て足元でじゃれついてくる。

 ひとしきり好きにさせた後、持ち上げてもふり倒してみるのだが……。


「そういやこの階層では、明るくなったり大きくなったりといった変化は起きてないな?」

『キャウ?』


 第二層の中心を吹っ飛ばした時に大きく変化したし、第三以降では半端な地神塔は対象外になってるとか? まあダンジョンってのはギミックが複雑になればなるほど、深い階層で攻略するためのヒントが浅い階層にあったりするものだし、もしかしたらここもそういう類の物なのかもしれないな。

 だから逆に小物のクレーターを無視して中央だけぶっ壊しても、手順違いで事態の悪化も考えられる。冒険はするものだが、取り返しのつかない可能性のある冒険は避けるべきだよな。


『マースター♪』


 そう考えていると、ニヤニヤしたアズがやってきた。

 流石の俺でも、今アズが何考えてるか分かるぞ。


「俺がずっこけたのがそんな珍しいか?」

『だって~。マスターってばミスらしいミスはしないもの。命の危険がある類は『直感』で避けるし、致命的でないものも事前の反復練習の積み重ねでほとんどないじゃない?』

「お前達に心配かけたくないしな」


 油断してピンチになったのは石化くらいのものだ。

 まあ、2度目も無事石化はしたけど、あの時はマリーが居たから逆に無策でも問題無いと踏んだんだが。


『んふ。でも、良いんじゃない?』

「なにが?」

『人間だもの。完璧な存在より、少しくらいヘマしてくれたほうが愛嬌があるし、あたしは好きよ?』

「そういうもんか」

『ええ、そういうものよ♪』


 まあ、完全無欠の人間より、隙がある人間の方が俺も好きだしな。理屈は分かるが、カッコ悪いところはな~。あんまり見せたくないのが男心というものだ。

 ……そういや、石化で思い出したが、ここのレアⅡも石化持ちだったな。ここでもやっぱり『状態異常耐性』は貫通するのかな?

 レアⅡと戦うときはイリーナもいるし、あえて受けてみるのも一興か。


『おにいさん、また変な事考えてますね?』

『わたしにも伝わったよ。確かにショータ、意味深な顔してたわ』

『お、リリアナも分かって来たわねー♪』

『先日聞いた時ははぐらかされましたが、やはりマスター様の事……』

『ち、違うわよ。そういうんじゃないから!』

『ふーん? ほんとかしら?』

『キャン!』

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