ガチャ1182回目:巫術
第四層から先がない。ということは、この階層で明るさが0になってオシマイってこと?
……そんなわけないよなぁ。
「とりあえず、やってみればわかるか。んじゃ、さっきと同じように行こう」
そうして3手に分かれて行動を開始する。黒鹿は黒いナニカを発しながらツノを使った突進攻撃をしてくるタイプのようで、ナニカの正体がわからないため今回も遠距離で倒すことにした。
『原初魔法』は試したので、次はキュビラの『巫術』を使ってみようと思う。一般的な『巫術』のイメージはシャーマンとか呪術師が使う降霊術って感じだけど、向こうの世界における『巫術』は少し仕組みが異なるらしい。
「『天罰の剣』『巫術:雷』」
『バチバチバチッ!』
『斬ッ!』
出現した『天罰の剣』から雷が拡散し、襲い掛かろうとしていた黒鹿をまとめて感電させた。その後動きを止めた鹿を、天罰本体が一刀両断してみせる。
『巫術』は言うなれば目に見えない霊的存在を使役して、魔力を対価に属性の力と威力、あとは行使する力の種類をイメージして、最後に触媒となる武具やアイテムなんかに封入をすることで完成させる。あとは先払いした魔力分だけ、自動的に攻撃をしてくれるという代物のようだ。
レベルに応じて付与可能な属性の種類や数、先払いできる魔力の総量が変化する仕組みらしく、普通にレベル1の時点でも使い勝手が良さそうなスキルではあるな。現状、キュビラとタマモ以外に持ってる奴見たことないけど。
また、使役対象の霊的存在ってのも、幽霊とかそういうのではなく、魔力の中に普遍的に存在する精霊の元となる存在らしいのだが、キュビラもよくわかってないそうだ。まあ現状危険な気配はしないから、俺も気にしないでおくか。
『バチバチバチバチッ!』
『斬ッ!』
しかし、ただでさえ強力な天罰が遠距離攻撃も自発的に行うようになるとはな。面白い光景ではあるし、雷だけでなく他の属性も試してみたいところだ。楽したいときはこれで良いのかもしれないが、使うのはほどほどにしなければ。
サボり癖は勘が鈍る。
「なあキュビラ、この『巫術』って、どれくらい持つんだ?」
『与えた魔力に応じて変化しますが、いくら与えましたか?』
「とりあえず魔力1000くらい」
『それですと、あの威力と攻撃範囲から判断するに、大体200体くらいはあのままかと思います』
「1体につき魔力50か。悪くはないな」
『威力や効果を抑えればもっと長続きするんですよっ』
「ふむ」
いつも皆が使う魔法のイメージから天罰に合いそうな性能と属性を想定したからあんなことになってるだけで、更に簡易的なイメージならもっとコスパ良く使えたのか。
「そう考えると、使い手が全くいないのが惜しまれるレベルで最高の魔法スキルだな」
『そうなんですっ! けど、私もお姫様と、一部の弟妹達以外にこのスキルを持ってる人を知りません……。なぜでしょう?』
「狐族や妖狐専用なら俺がコピーして使えてる時点でおかしいしな」
『アズ様もこの件についてはご存じないらしく、よくわからないんです』
「アズでも知らないとなると相当だな」
『そうなのよねー』
なんて話をしていると、天罰が100体討伐を達成していたらしく、煙が発生していた。中から出て来たのはやはりデカい黒鹿だったが――。
『バチバチッ!』
『斬ッ!』
出現と同時に雷電によるスタンからの一刀両断で即座に煙に変わってしまった。哀れ。
『マスターが性能検証とかしようとしなければ、毎回こんなにあっさり片付いちゃうのね』
『味気ないですね』
『一瞬ですー』
『それより、ショータの能力が強すぎると思うわ』
「俺もそう思う」
『僕もそう思う』
エスか。こいつに『アトラスの縮図』を持たせたせいか、シルヴィを介さず即座にこちらの位置を把握できるようになったから、音を運ぶ能力が遺憾なく発揮されてるな。姿もなしに声だけ毎回届くから、隠密性が高すぎる。
「エスの能力があれば悪さし放題だな」
『人聞きの悪いこと言わないでおくれよ。それに、時間を止められる兄さんに言われたくないね』
「たかが数秒で何ができるんだよ。……そこ、期待した目を向けないでくれ」
『ちぇー』
アズが頬を膨らませ、リリアナが目を輝かせる。
『ショータ、時間を止められるの!?』
「ああ、止めれるぞ。って、言ってなかったのか?」
『言ってなかったような……?』
『マスター様はできる事が多すぎますからね』
「けど、強奪者戦の動画は見せたんだろ?」
『あれってそういうことだったの? すっごく速く動いてるのかと思ったわ!』
誰も解説してやらねえのかよ。
「お前達、ちゃんと教えてやれよ」
『ご、ごめんねマスター。あの動画見る度興奮しちゃって……』
『申し訳ありません……』
まあ、あの戦いは過去最高に死力を尽くした戦いだったからな。その気持ちは分からんでもないし、何回目の視聴だろうと、あの映像を見せると皆熱い目を向けてくるもんな。
『おにいさんの説明書、書いた方が良いですかー?』
「いや、書かないでいいけど」
『でも、今後増えた時の為に必要な気もするんですよねー』
「増やすつもりはないんだけどな」
『そう言ってリリアナ連れて帰って来たじゃない』
「ぐぅ」
『それにわたしのお母様もいつか仲間に迎えてくれるんですよねー?』
「あー……まあ、それもあったか」
その人のダンジョンがどこにあるかは聞いてないけど。皆もわざわざ言ってこないって事は、急ぎじゃないって事だろうし、後回しで良いかなーと思ってるんだよな。
『それで兄さん、ガチャは回してからくるかい?』
「んー……。そういや、リリムとリリィには俺のガチャ見せてなかったよな。さっきリリアナも大興奮だったし、見たいか聞いてくれるか?」
『……見たいってさ』
「わかった。んじゃ、そっち行ってから回すわ」
『了解。間にいる雑魚は僕が間引いておくよ』
「よろしくー」
んじゃ、中央でガチャを回すとしますかね。……あ、そういや次で更新か。どうなるかなー。
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