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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15に発売決定!】  作者: 皇 雪火
第三十二章 秘密の園

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ガチャ1174回目:精神負担

 さて、話し合いにも区切りがついたし、そろそろ煙が出てから15分になる。次が出てもおかしくはないんだが……。


「一向に出ないな」

「何か条件があるとか?」

「んー、なんだろ?」

『15分超えても出てこないなら、それはそれで異常よね』

「アズがそう言うって事は、設計的に不自然な事なんだな?」

『……』


 アズは気まずそうに視線を逸らした。ネタバレOKって言ったもんだから、つい気が緩んじゃったか?


「まあでも今のは、今までの経験からしてそんな気がしてたレベルの内容だったし、気にしなくていいぞ」

『そ、そう?』

「俺だって散々ダンジョンを攻略して改造もしまくってたんだ。それくらいの仕組みがあっても不思議じゃないとは予想してたからな」

『よ、良かった~』


 だからこそ俺自身、15分経過しても出なければ迷うところではあるんだよな。10分越えですら遭遇回数は数えるほどしかないのだ。それが15分となると……出現方法がこれではないという事になる。

 こんなところでぼーっと待機するわけにもいかないし。けどだからといってこのまま放置してレアが出たら戻るのも大変だ。なにせ、このダンジョンは普通のと比べて、警戒する要素がまるで異なるんだから。


『マスター様。完全に15分経過しました』

「そうか……。どうするかな」


 けど、俺の『直感』はモンスターは出ると言ってる気がするんだよな。煙がある以上、そこからナニカに派生しなくちゃおかしいし。ただまあ、このまま何者にもならずに散ってくれるなら、他の条件があるって事だし、その時はまた気楽に探しに行けるんだが……。


「お兄ちゃん、どうするの?」

「とりあえず、これから目を離すつもりはないかな。キュビラとリリスは全解放はせずに、俺と同じ状態をキープしてくれてるよな?」

『はいっ♡』

『同じですっ!』

「通ってきた外周に、復活した赤点は存在してるか?」

『『してないですっ!』』

「そうか。アズ、イズミ。聞いていなかったけど地図には敵の赤点アイコンは出てるんだよな?」

『ええ♪』

「あの黒い虎だよね。出てるよー☆」

「ふむ」


 てことは、敵はマップから隠れるスキルは持っていないって事だな。そして雑魚の再出現時間はかなり遅く設定されていて、彼女達の反応を見るに、目の前の煙にレアモンスターの赤丸はまだ表示されていないと。まあ出現前の煙はいつもそうなんだが、実はすでに出現していて煙に擬態してこっちの隙を窺ってるとか考えたんだが、その線もなさそうだ。

 ふーむ。……あ、もしかして全部倒さないとレアⅡが湧かないのか?


「アズ、イズミ。その赤点は全部黒虎か?」

『ちょっと待ってね。イズミは右からお願い』

「おっけー☆」


 そうして彼女達がチェックを進める中、俺は煙を凝視し続ける事1分ほど。やはりレアⅡは出現する事は無かった。


『確認終わり。こっちは全部同じ雑魚だったわ』

「こっちもね☆」

「おーけー、理解した」


 俺は端末を取り出し、電話を掛ける。相手はすぐに出てくれた。


「もしもしー」

『もしもし兄さん、どうしたんだい?』

「お前の助けが欲しい」

『OK、すぐに行くよ。そっちで何をすればいい?』

「シルヴィと一緒に来て、第二層の雑魚を殲滅して欲しい。ドロップは考えなくていい、何も落とさないから」

『了解。リリムとリリィも連れて行って良いかな?』

「勿論いいぞ」


 そうして電話を切ると、リリアナが不思議そうにしていた。


『ショータ、あのエスって人、そんなに凄いの?』

「ん? お前の姉妹を軽く制圧できるくらい強いのは知ってるだろ」

『うーん、リリム姉様もリリィも絶賛してたけど、わたしは直接見てないからよくわかんないんだよね』

「そうなのか。リリアナとしては評価低そうだな?」

『だってあの人、私のダンジョンを踏破する時、ずっとショータの後ろをついてきてただけだもん。だからあんまり興味なかったの』


 あー……。それで初遭遇の時、俺と話している時も欠片もエスに視線を向けなかったのか。欲しいものを提案した時も俺にしか言わなかったのは、リリアナ基準で攻略者は俺1人になってたのかもな。


「ま、あいつの実力は俺と同列といっても過言じゃない。正確に分類するなら、武器を使った戦いに特化したのが俺で、魔法を使った戦いに特化したのがエスだな」

『ふーん?』


 リリアナはまだよくわかっていないみたいだが、こういうのは見せた方が早いだろ。


「とりあえずリリアナは、アズかイズミの地図でも見せてもらえ。そしたらよくわかるさ」

『うん、わかった』

『それにしてもマスター、珍しいわね。ダンジョンのマップ埋めよりもレアを優先するのはいつものことだけど、他の力を借りるなんて』

「あー、そうか? 俺がやろうとすると何時間もかかりかねないし、安全を考慮した結果これが一番良いと思ったんだよな。なんというか、ここの階層がちょっと俺には不向きすぎてな」

『地図は埋まっていないですし、その状況下で気配だけを察知して倒すのは至難の業です。かといって時間制限が無かったとしても、この階層を全て足で埋めるにはマスター様の心と気力が疲弊してしまいます』


 そうなんだよな。

 キュビラの言うように、俺はこのダンジョン、面白くはあるが気疲れの方が多いから、疲労の溜まり具合が段違いなんだよな。常にデバフを受け続ける『妖怪ダンジョン』でもここまで疲れる事は無かったぞ。

 視覚のほとんどが機能しないってのもあるけど、やっぱ『鑑定』が使えない分不安が大きいってのもあるかも。『直感』は機能しているからやられる心配はないんだが、どうしてもすぐには慣れそうにない。


『マスターならすぐ慣れると信じてるわ♪』

「ああ、ありがとう」


 そうして会話をしていると、フィールドを一陣の風が吹き抜けた。


『わっ、わっ、すごい!』


 地図を見ていたリリアナが興奮していた。こんなフィールドの反対方向にまで届くくらいだ。どうやら、エスがさっそく暴れてくれてるみたいだな。

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