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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15に発売決定!】  作者: 皇 雪火
第三十二章 秘密の園

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ガチャ1166回目:全貌探索

 この第一層を攻略するにはとりあえず見て回る必要があるとは思うが……まずは、気になってることから確認するか。


「アイラー」

「はい、ご主人様。他の冒険者や観光客などは、昨日から入場不可となっています。昨日の記者会見でここのリベンジを行うと宣言がされましたので、協会が気を利かせてくれたようです」

「なるほど。こんな狭いところに一般人がいたんじゃ、攻略の足枷になりかねないしな」


 実際邪魔にはならなくても、『弱体化』を発動していない俺達の存在感というか圧力は、一定レベルの人間には毒になりかねん。

 結婚式とかも、それを懸念して一般人を立ち入り禁止にしたしな。

 まあ、ステータス的に考えるとうちの子達は明らかにそのラインに立ててないんだが、何故か平気なんだよな。『真理の眼』をもってしても見抜けないような耐性スキルか何かがついているのかもしれない。流石俺の子。


「あー」

「あぅ」

「うー」

「にぃ」


 そんな子供達はというと、ダンジョンの中とはいえ特にいつもと様子が変わることはなく、エンキ達に遊んで欲しそうにしていた。


『ゴ? ゴゴ?』

「ああ、遊んでやってくれ」

『ゴー!』

「よし。そんじゃ探索してくるかー」

「いってらっしゃーい」

「私達はここで待機していますね」

「ファイトですわー」

「ご武運を」

「頑張ってね♡」

『キュー♪』

『キュキュ!』

「ああ」


 そうして予定通りダンジョンの入り口付近でアキ、マキ、アヤネ、アイラ、サクヤさん。それから子供達とエンキ達、ルミナスとモル君がテントを建てたりとキャンプの用意をし始めた。

 他の面々はダンジョンを探索するために、各々自由行動という形であちこちに散らばっていく。現在俺と行動を共にしているのはカスミ率いる第二チームと、リリアナの8人だ。そんな俺たちがまっすぐ進むこと1分ほど。見た目通り何らトラップに邪魔されることなくあっさりと目的地まで辿り着いた。


「ふーむ。見るからに怪しい巨岩だな」

『おっきい岩だねー』

「んじゃ確認だ。カスミ達はここで飲み会とかした?」

「したよー」

「お酒を嗜めるメンバーはそう多くはなかったし、その後のことを考えてほとんどのメンバーはノンアルコールだったけどね☆」

「けど、開くことはなかったと。どれくらい開催してたんだ?」

「大体2時間ほどでしたわ」

「あんまりにも反応がなかったから、普通にいっぱい食べちゃったよー」

「あの時のプチ宴会で、本来予定していた2日分の食事がイリーナとレンカのお腹に消えちゃいましたね」

「いつ見ても良い食べっぷりでした」

『我からしてみれば、何度みても摩訶不思議な光景であった』


 まあ、イクサバが言うのも尤もだ。こんな細い身体によく入るよなぁ。まあこれも多分、レベルが上がったことによる影響で、体内への吸収と変換効率が尋常ではなくなったからなんだろうが。


「とりあえず、宴会しても変化はなかったと」

「うーん、そうなんだけどぉ」

「ん?」

「なんとなーく、空気が変わった気がしたのよね。最初の10分くらいで」

「そうなのか。他の皆は……気付かなかったと」


 イズミの『運』は現状1万近い数値を持っている。だから彼女の『直感』も尋常ではない鋭さを持っているのだ。そんな彼女だけが気付けた微妙な違和感……。

 となると、アプローチ自体は間違いでは無いみたいだな。


「なら、本当にこの岩は天岩戸で間違いなさそうだな」

「ですが、宴会で開かなかったんですよ?」

「足りない物とかあるのかと探したんですけど、一向に見つかりませんでした……」

「兄上から貰い受けた『解析の魔眼』でも見破れませんでしたし……」

「最後はドカーンと景気よく攻撃しようかなって案もでたんだけど――」

『イズミ殿が絶対にやめておいた方が良いと判断したため、何もできずに帰還する事になったのでありまする』

「……ま、その判断は正解だな。仮にも神話を模した空間だ。下手に攻撃すれば神罰が降りかねんし、俺的にも嫌な予感はする」

「お兄様からしても嫌な感じがするのでしたら、攻撃しなくて本当に正解でしたわね」

「イズミが止めてくれて良かったよ~」

「ふふーん☆」


 とりあえず、この岩で調べるべきところは他には無さそうだな。軽く『解析の魔眼』で視てみたが、この岩以外特にギミックになりそうな魔力が密になっているポイントはなかったし。


「そういやさ、だいぶ前に聞いた記憶だからあやふやだけど、ここにはモンスターが居るって話じゃなかったか? そんなとこに一般人や観光客が来るって時点でおかしいなとは思ってたんだが、どこにも見当たらないし……。あれってデマだったのか?」

「あ、それね。モンスターってのは間違いではないんだけど、本当に経験値が手に入るモンスターではなかったの」

「ん? どゆこと?」

「海の方にいけば自ずとわかるかと」

「お兄さん、この後見に行く予定なんでしょー?」

「行ってきてください。わたくし達はここで宴会の準備をしていますわ」

「そうか? ……じゃあ、頼むね」

「「「「「「はーい」」」」」」

『承知した』

「リリアナは俺について来てくれ」

『うんっ』


 巨岩を大きく回り込んで地平線の見えていた方へと行くと、そこは切り立った崖のような場所になっていて、眺めは確かに悪くはなかった。そしてご丁寧にも、ダンジョン側が用意したのか、落下防止の手すりが備え付けてあったし、その下を覗き込んでみれば荒れ狂う波が崖に打ち付けられていた。

 まるで昔のドラマで、犯人が追いつめられる崖みたいな場所だな。あそこまで尖った地形じゃなくて、手すりは横一列に真っ直ぐに伸びていたが。


「……景色は悪くはないが、よくもないな」

『日本では珍しい景色なの?』

「そうだなー……。そんなに沢山はないけど、探せばあるってレベルだな。特別珍しいってほどではないし、わざわざこれを見にこようとする人間は少ないかもなぁ」

『そうなんだぁ』


 周りを見れば、嫁の何人かは崖下に降りて海面で何かしていた。普通は危ないんだろうけど、うちの嫁達は普通の範疇じゃないからな。何の心配もいらないだろう。


「おーい、なんかあったかー?」


 声を掛けると、こちらに気付いた彼女達は何かを持ってこちらに登って来た。


『みてみてマスター! 向こうの魚が獲れたわ!』

「中々グロテスクですが、アズさん曰く食べられるそうですわ」

「えへへ、勇者様~。後で食べてみましょうよ~!」


 彼女達が見せて来たのはどれも奇魚や怪魚と呼べるヘンテコな異界魚達で、大きさも1メートルから5メートルサイズまで様々だった。イリスなら問答無用で食べそうだが、食えるんならまあ……。


「もしかして、それが件のモンスターか?」

『そうみたいね。スキルもステータスもないけど、暴れた感じからして強さとしてはレベル50の雑魚くらいはあったんじゃない?』

「ん。一般人には十分モンスター」

「そりゃそんな噂にもなるか……。じゃあ岩戸の前でカスミ達が宴会準備してるからそこに持って行ってくれるか?」

「「「『はーい!』」」」


 アズ達が戻って行った事で、それを見た他の面々も続々と中央に集まっているようだ。


「んじゃ、俺達も戻るかー」

『ショータ、もう良いの?』

「ああ。クリア方法は何となくわかったからな」

『えっ、そうなの!? なになに、教えて教えて!』

「皆が集まるまでのお楽しみだ」

『え~、しょうがないな~』


 まあ、これで合ってなかったらちょっと恥ずかしい事になるが、そんときゃそんときだ。

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