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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15に発売決定!】  作者: 皇 雪火
第三十一章 雲海の先へ

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ガチャ1161回目:打ち合わせ

「じゃあ結局ショウタ君は、そのお宝というの、何一つ取らずに帰って来ちゃったって事?」

「そうなるな」


 結局、俺達が制覇した3つのダンジョンに映っていた虹色反応は吸血鬼三姉妹のものだったし、『幻想(ファンタズマ)』反応は『封印の神域』の事だった。アーティファクトの反応も『真祖の血玉』の影響なら、これ以上のお宝を求めて家探しするのも何だかなーと思ったのだ。

 それに、宝物庫を漁って自分の物にするスタイルは俺の冒険とは違うしな。館のあるじは健在だし、ペットでもないのだ。ならそれをするのは略奪だし、彼女の提案してくれた欲しいものをくれるという話も、リリアナをもらった時点で叶えられている。これ以上望むのは強欲がすぎるだろう。


「ショウ君は本当に無欲ねぇ」

「そこが旦那様の良いところですわっ」

「ふふ、それもそうね」

「ではショウタさんは、特にこれといって報酬は得られなかったんですか?」

「まあ、そうなるな。スキルオーブは既存のものだし、鍵も共有化しただけだから俺の管理レベルはそのままだ」


 共有ポイントはエスのおかげもあって馬鹿みたいに増えたが。


「それに制圧したダンジョンの位置が位置ですから、『楔システム』の結界も範囲外ですからね」

「そうなんだよなー。まあでも広い海に楔を打ち込めたんだから、今後の攻略次第では良い塩梅に基点になってくれるんじゃないかな」

「そうだと良いわねー」


 そうして皆はより一層くっ付いてくる。いつも帰還後はほどほどに抑えるのに、今日は積極的だな?


「だってショウタ君、半日で攻略終わっちゃったから正直不完全燃焼でしょ」

「まだ遊び足りないって顔してますもんね」

「だからこれは、旦那様成分の再チャージですわっ」

「ご主人様がどこにお出かけされるか次第ではありますが、長引いた時のために補給は必須です」

「そうは言うけどな、一応3つも新ダンジョンを制覇したんだし、記者会見は必要だろ? サクヤさんも、手配は済んでますよね?」

「ええ。明日のお昼ごろでいいかしら?」

「んじゃそれで」

「分かったわ。通達しておくわね」


 サクヤさんはそう言うと、端末を2、3タップした。多分もう手配は寸前まで済んでいて、あとはGOサインを待つだけだったんだろう。流石の手際である。

 じゃあ明日は会見を開くとして……。


「ああそうだ……」


 俺は嫁達から離れ、新入りを囲むペットたちの間に割って入った。


「アズー。この子らの教育状況どのくらい?」

『んー? 5割くらいかしら?』

「俺のこと褒め倒す時間を削ればもう終わってただろ」

『何言ってるのよマスター。大事なことだわ』


 他の3人もうんうんと頷いている。そんなに大事なのか? それともペットの矜持か?


「まあそれはともかくとして、いくつか聞きたいことがあるんだ。リリアナ」

『は、はいっ』

「そう緊張すんなって。ダンジョンで会った時みたいに気楽な感じで良いぞ。言葉遣いもな。お前だけは唯一ペットじゃないんだし、それで機嫌を損ねたりしないし、取って食いやしないから」

『そ、そう? ……えへへ、人間さんのすごい話ばかり聞かされて、緊張しちゃったのかも』


 嫁にするかはさておくとしても、一旦は普通に交友関係を結びたいのに……ビビらせてんじゃん。


「アズー?」

『うー……』


 まあでも、アズ達の事は強く言えねえんだよなぁ。

 そういうとこも好きだから結婚したんだし。


「……まあいいや。それより吸血鬼って種族に関していくつか聞いておきたいんだけどさ。今って外が夜だから問題ないんだろうけど、太陽の光ってぶっちゃけどうなの? 焼かれたりするの?」

『えと、わたしたち3人は祖に真祖っていうすっごい強いお方がいるの。その方の影響で、太陽の下でも問題なく過ごせるわ』

「『陽光耐性』って見慣れないスキルもあったけど、それか?」

『ううん、それは別。真祖の血で陽の光は平気でも、吸血鬼としての種族耐性は健在だから、陽光による攻撃にはちょっと弱いんだ。それに抵抗するための耐性ね』

「ほほー」


 じゃあ、普通の人間がそれを手にしても意味は無いのか。

 ……いや、一応意味はあるか。その手の攻撃魔法や攻撃手段があるって事だし、それがエネルギーの塊だってんなら、人間にだって普通にダメージが発生しないとも限らない訳だ。紫外線とか。


「んじゃ次。吸血鬼である以上、血は飲むよな?」

『うん』

「それって、主食? それとも嗜好品の類?」

『う~ん、普通の吸血鬼だと主食寄りかな。なくても平気だけど、ないと力が出なくなっちゃうの』

「ほうほう」


 栄養失調になる感じかな?


『マスターの認識で間違ってないわよ』

「そっか。じゃあリリアナ達の場合はどうなるんだ?」

『わたしたちは嗜好品寄りだよ。なくても良いけど、あったら嬉しい的な感じね』

「スキルにあった『使徒化』ってのは?」

『あれは血を吸った相手を従属させるスキルだけど、発動は任意で選べるの。それと、もし発動させようとしても人間さんには効かないかな。強い相手には当然だけど、1度でも心から負けを認めた相手には通じなくなるんだ~』

「なるほどなるほど」


 じゃあ、危険性は本当に無い訳だ。

 あと記者会見の時までに聞いておきたいことは……。


「ああそうだ。その人間さんっての、そろそろやめない? 個人を特定しにくいし」

『あっ、ごめんね! でも、人間さんも悪いんだよ? 自己紹介してくれてないもん』

「……そうだったか?」

『そうだよー! わたしは一応したけど、それ以前に妨害や偽装を貫通して勝手に見られちゃったし……。人間さんは1人だけズルイよね?』

「「「「「……」」」」」


 嫁達からの冷たい視線が背中に刺さる。

 そういえば今までは『テイム』してから自己紹介してたけど、今回はその流れが無かったから自己紹介のフェーズもすっ飛ばされてた気がするな。


「……あー、すまん。リリアナ、俺の名前はアマチショウタだ。好きに呼んでくれ」

『うん、よろしくねショータ!』


 自己紹介をやり直し、俺達は笑顔で握手を交わした。

 普通の友好関係って、こうやって結ぶんだったな。忘れてたわ。

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