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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15に発売決定!】  作者: 皇 雪火
第三十一章 雲海の先へ

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ガチャ1159回目:帰宅

 コアルームから脱出した俺達は、そのままリリ三姉妹を連れてダンジョンの外がどうなっているか直接確認する事にした。行きとは違って『封印の神域』の効果が消えていたため、俺はタマモを抱えて『空間魔法』を使用し、エスは『風』を使って簡単に入口まで戻って来れた。ちなみに三姉妹は自前の飛行能力を使用して難なくついて来れていた。アズやリリスみたいな翼とは違って、完全な飛行能力を持っているみたいだな。

 そうしてダンジョンを出た俺たちを迎えるかのように、潮風が頬を撫でた。眼前に広がるは大海原。一緒に浮遊していた巨岩達は、この本体と付かず離れずの距離でプカプカと海面に浮いていた。コイツらも『楔システム』の影響下にあるようで、勝手に流されたりはしないみたいだ。


「おー。ちゃんと沈んでるな」

「兄さん、あれ」

「ん?」


 エスが指差した方向には、複数の軍艦とヘリの姿があった。

 もしかして、様子を見に来たのかな?


「あの軍艦には見覚えがある。以前のスタンピードでも活躍していたアメリカ所有のものだね」

「ほーん。とりあえず手を振っておくか。見られてるみたいだし」

「はは、そうだね」


 うん、強化された視力が艦橋からこちらを見ているお偉いさんの姿が見えたぞ。手を振りかえしてくれてるってことは、やっぱり認識してくれていたか。


「んじゃ、用事も済んだし帰るか」

「そうだね」


 そうして俺達は『バトルアリーナ』への転移を実行。結果的に半日で3つの新ダンジョンを制覇し、帰路についたのだった。



◇◇◇◇◇◇◇◇



「ただいまー」

「ただいま」

「『おかえりー!』」

「「「『『おかえりなさい!』』」」」

「おかえりなさいですわー!」

「おかえりなさいませ」


 そうして出迎えてくれたのは、アキ、マキ、アヤネ、アイラ、サクヤさん、アズ、キュビラ、リリス、シルヴィの9人だった。

 他の皆は……カスミ達について行ったのかな。エンキ達の気配は子供部屋からするけど、ルミナスの反応はない。あっちは『海底ダンジョン』だし、泳げるからとついて行ったんだろうな。

 日本海側の『海底ダンジョン』がどれだけ深いのか知らないけど、あの人数で行けば数日とかからずに掃討されるだろうな。明らかに過剰戦力だ。

 そうして俺はシルヴィを除く全員とハグを交わしていく。エスは彼女に対して心から謝罪をしていたが、彼女達には何も説明していないので分かるはずも……いや、察し力の鬼だから、あのスキルを要求した時点で予想はついてるか。

 ちなみに三姉妹は、タマモと一緒に家の外で待機させている。この時間だけは譲れないからな。


『それでマスター、何人『テイム』して来たの?』

「残念だったな。俺はテイムしてない」

『ええっ!? ウソー!?』

「あのショウタ君が??」

『夜の魔王のお兄さんが……!?』

「俄には信じられませんね」

「ショウタさん、実は体調が悪かったりとか……?」

『心配ですね……』

「君たちひどくない?」


 俺のことをなんだと。


「では旦那様。()()()()、エスさんが『テイム』したんですの?」

「いや、それは……待て。なぜ3人と確証が持てたんだ?」


 3つのダンジョンを制覇したとはいえ、その全てが鍵持ちの異世界人である保証はどこにもない。まあ普通に考えればその可能性は8割方存在するだろうけども。


「それはね、ショウ君達が出かけた後、改めてマップを見たら他の2つの空中浮遊ダンジョンでも虹色の反応が突然出て来たの。そして1150の制覇後、その虹色の反応がまた消えて、しばらくして制圧通知が流れたでしょう? だから、内部でダンジョン同士が繋がっていて、全制圧したんだなって予想ができたの」

「なるほど……」


 じゃあ俺がダンジョン入場後に電話した時には、既に1125と1175に虹色反応が出ていた事は把握してたんだな。けど、情報を伝えてネタバレになりかねないと判断したから、あえて黙っていたと。流石嫁達、俺への理解度が高い。


「ふふ、どういたしまして」

「それで答え合わせだけど、エスが『テイム』したのは2人だけだ。俺がぶつかった一人は、『テイム』せずにそのまま連れて来てる」

「危なくは……ないのよね?」

「ああ。人間に危害を加えるタイプじゃなかったしな。タマモ、連れて来てくれ」

『はいなのじゃ!』


 扉が勢いよく開かれ、外からタマモと一緒に緊張した面持ちの三姉妹が入ってくる。

 ……あー、明らかに視線がアズに吸い寄せられてるな。タマモもネタバレは無しだと理解しているだろうから言ってはいないだろうし、彼女達はアズの気配を感じ取ったのかな。


『あの気迫、あの美貌……』

『あ、あわわわ……』

『げ、原初の……』

『ふーん? 誰かと思えば、アンタ達だったのね?』


 アズが微笑むと、彼女達は全身を震え上がらせ、その場で勢いよく膝をついた。


『『『アスモデウス様、ご機嫌麗しゅう』』』

『……』


 アズはわざとヒールの音を鳴らしながら彼女達の前へとやって来て、無言で見下ろす。ただその場にいるだけで彼女達は嵐が過ぎ去るのを待つしかないように、じっと耐えていた。

 で、そんな魔王ムーブを久々にしたアズはといえば、やったはいいもののどう収拾つければいいか判断に迷うらしく、俺の方をチラチラと見てくる始末。昔の自分を知る相手が来たもんだから、つい後先考えずに動いちゃったんだな。

 可愛いやつめ。


「アズ、その辺にしときな」

『マスター♡』

『『『!?』』』


 アズの腰を抱くと、彼女もそれに合わせて嬉しそうに絡みついてくる。その様子を三姉妹は恐る恐ると見上げて、俺に畏敬の念を送って来た。


『人間さん、すごい……!』


 最初に格の違いは見せつけたから、正直ここまでする必要はなかったとは思うが、まあ序列は教えておいた方が良いかもだしな。残りはもうペット組に説明させよう。

読者の皆様へ


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