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レベルガチャ~ハズレステータス『運』が結局一番重要だった件~【コミカライズ第3巻 4/15に発売決定!】  作者: 皇 雪火
第三十一章 雲海の先へ

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ガチャ1149回目:未来の家族絵

 人狼との戦いを終えた俺は、タマモを抱きかかえつつため息をついた。


「しっかし惜しいな」

『今の駄犬に惜しいところなぞあったのじゃ?』

「アイツそのものにはなかったがな」


 まず第一。レアを倒してもレアⅡにはならず、霧散した事。これはある意味仕方がないし、諦めもつく。なんせ、レアⅡは軍団のボスなのだ。それが同時に2体も3体も湧くのは違和感が強すぎるし、ダンジョン側で規制がかけられていてもおかしくない。

 そして第二。レベルが240にならなかった事。これもまあ元々レベル180ぽっちの『極大魔石』では夢すら見れない成果だが、残念なものは残念なのだ。

 そして最後に……。


「せっかく新技が上手く決まったのに、この闇のせいで録画が綺麗にできなかった事だな」

『それは確かにそうなのじゃ。勿体無かったのじゃ~』


 人狼のことなど早々に忘れたタマモが甘えてくるので、こちらも負けじと撫で回す。そうしてイチャついていると闇が晴れ、煙からはアイテムがばら撒かれた。それはすかさず風によって回収され、エスが持つ鞄へと吸い込まれていく。


「お疲れ兄さん」

「おう、お疲れー」

「それにしても兄さん、さっきの技は凄かったね。『風』で検知しただけだから正確には読めなかったけど、速さだけじゃなく剣筋も見事だった」

「お前にそう言ってもらえると嬉しいな」

「良ければ教えてくれるかい? アレはどういう技なの?」

「おう、良いぞー」


 俺はその場に座り込み、休憩がてら話すことにした。


「まあまず、アイラには基本的な『武技スキル』として『致命の一撃デッドリーブロウ』と『バックスタブ』を教えて貰ったんだが、まあこれは背後とかからクリティカルな攻撃を叩き込む技だから、技量さえ上がればスキル無しでもある程度再現できる訳だ」

「兄さんレベルになると、そうだろうね」

「と、ここで困ったのがアイラの持っていた残りのスキルだ。どれも強くはあったんだが、俺が剣でできることとさほど差別化されたものがなくてな。どうせならと新しい『武技スキル』を作ろうって話になったんだよ」

『くふ。御主人の得意技なのじゃ!』


 胸を張ってドヤるタマモを撫で回す。


「んで、どうせ作るならシンプルに強くてロマンのある技が良いよなーって話になって、俺の凶悪スキルを詰め込んだ結果……できたのが、今の『絶空』だ。内訳は単純明快。『次元跳躍』+『神速』+『幻影刃』による『伝説(レジェンダリー)』以上の『(スペシャル)スキル』を贅沢に使った技だ」

「なるほど……。『幻影刃』で斬撃そのものを視えなくして、『次元跳躍』と『神速』で知覚不可能な速度で移動と攻撃を両立して、相手に斬られた事すら認識できないものにしたって事だね」

「ざっと言えばそうなるな」

『胸元から見ていたわっちでは、何が起こったのかさっぱりだったのじゃ~。気付いたら終わってたのじゃ』


 残念そうに言うタマモは、尻尾も連動して少し下がった。そんなタマモを継続して撫で回すが……うーん、やっぱ物足りないな。最初は小狐状態のタマモが珍しかったので可愛がりはしたが、やっぱり抱き上げて可愛がるなら人型のタマモの方が良いよなぁ。


『すまぬのじゃ御主人。わっちも長らく忘れておったが、本来の姿がこっちであるゆえ、辛い思いをさせてしまうのじゃ……』

「そんな深刻そうな顔すんな。大して問題にならねえよ。そういや、妖狐に子供ができるとどっちになるのかが最近気になってんだよな」


 どっちで産まれるのかとか、妊娠期間とか。


『ふむ、話しておらなんだのじゃ。狐族は元々、妖狐と人間の間に生まれた種族なのじゃ。じゃからわっちと御主人が混ざり合えば、狐族になるのじゃ』

「ほほう、そうなのか。じゃあキュビラと俺だとどうなるんだ?」

『ほぼほぼ狐族になるのじゃ。そして狐族は、産まれるとき大抵多産になるのじゃー』


 おっと、そういえばそんな話は以前聞いたな。そうか……全員一尾からスタートするのかな? 絶対可愛いに決まってる。


「僕の見立てだと、兄さんの家庭は第二世代が入ると絶対100人超えると思うんだよね」

「ちょっと前ならまさかと笑い飛ばしたが、狐族のことを思えばいきなり現実味が増して来たな」


 大家族どころの話じゃないんだが。もはや部族とか集落とかそんなレベルだろ。


『そしてこのダンジョンにいる者も、その家族になる運命なのじゃ』

「……それだけどさ、今のクソ人狼が虹色の判定ってオチはないか?」

『ないのじゃ』

「ないのか」


 すっぱり断言された。


『まず『ワールドマップ』の全容は把握しきれていない部分はあるのじゃが、アレはリアルタイム情報を極限まで反映させたアイテムなのじゃ。そしてあの人狼は、煙から現れた以上条件を満たさぬと出現しないモンスターなのじゃ』

「だから『ワールドマップ』には映らないと。まあそんな気はしてたさ」

「兄さん、諦めも肝心だよ」

「けど、相性が良い相手とも限らんだろ。魔王じゃないなら、さっきみたく生かしとく理由もないしな」

『じゃが御主人は、ここのダンジョンの構成を気に入っているのじゃ。じゃからきっと気が合う気がするのじゃ』

「むむ」


 それを持ち出されると弱いなぁ。

 まあ何にせよ、次の島が最後だ。ここの住人がどんなのなのかは、この第一層が終わってから考えるようにしよう。

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