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その刀を下ろして、帯刀男子さま!  作者: 月見七春
第九十九章 おはように撃たれて眠れ!
2010/2984

第二千十話

 



 アマテラスさまのお屋敷でも試してみた。

 人に戻れるか。

 思ったよりも簡単に戻れた。ただし、ぷちサイズのままだ。

 結ちゃんみたいに現世サイズになるには、別の引き金がいるみたい。

 構わないや。

 逆にマドカみたいに、完全に獣の姿になれないかを試す。

 化け術は思いのほか、あっさりと成功した。

 九尾の狐憑きに戻って、しみじみと実感する。

 士道誠心学院高等部で変わったものに縋っていた。

 ばかだな。どんな姿になっても、私は私のままなのに。

 どんなしくじりをしようと、どんな成功を収めようと、なにか別の私にはなれやしない。

 どんな傷も。どんな罰も。どんな罪も? どんな加害も。

 なにがあろうと、残るよ。

 十兵衞がいるから。タマちゃんがいるから。あきさんやアマテラスさまが支えてくれるから。

 それで私はなにか別物になれるって?

 んなわきゃあ! ねえ!

 私はずーっと! 私のままだ。

 レンちゃんにあって、私にないのは、このあたりの心構えじゃないかな。

 化け術に肝心なものだったんじゃないかな。

 知らんけど!

 木の前に出て、マイクを出して歌う。

 好き放題、歌っちゃう。

 金色をやまほど出せ。真夏なのに雪に化かして、クリスマスソングを歌っちゃえ。

 お父さんの十八番は「いつかのメリークリスマス」。お母さんがいやな顔して「昔さー。これ歌うカップルは別れるって言ってたんだ」って話してた。実際、別れた人を想う歌だ。なにせ「いつかの」であって、現在進行形じゃない。

 お父さんとお母さんにも、いまの私みたいな時代があって、いろんなことを感じていた。

 ふたりの言うような青春時代もあれば? 同じ時代でも、屁とも思わないで歌ったり、逆に別れちゃった人もいるのかもしれない。

 歌は、音楽は残るんだ。残そうとする人がいる限り。

 レコード全盛期は、作られたものの埋もれるものがやまほどあったというし? そこはいまもあまり変わらない気がする。レコードは再生機器も含めて保存が大事だし、熱狂的なコレクターがいる。保存活動に熱心な団体もあると聞く。CD以降はどうなんだろうね?

 話が逸れちゃった。

 お父さんはクリスマスソングやラブソングが好きで、お母さんはあれこれ注文する。「粉雪、熱唱してよ」とか「winter fallは?」とか。「家族になろうよが聴きたいなー」とか。

 世代が変わるとカラオケで歌う内容も変わる。

 家族で行くのに慣れてると、キラリたちと行ったときに「あ、ああ。最近のね!? みんなの知ってるやつね!?」みたいな妙な縛りにドキドキする。これが社会に出ると、ますます渾沌とするそうだし? 呑み会やめようムーブに乗じて、世代のちがうカラオケやめとこムーブも、あるとこにはあるそうだし? ないとこにはない!

 トシさんとの食事や、トシさんのお友だちの集まりだと? まるでない!

 おかげでレパートリーが異様に増える。いまの、じゃなく。昔の、だけど。

 クリスマスソングの歴史、というには驕りすぎかな。

 CDが飛ぶように売れていた時代のヒットナンバー。私にしてみれば、お父さんやお母さん、下手するともうちょっと上の世代の人の歌さえ、無茶ぶりで歌わされることばかり。

 ひとしきり歌いながら、スタンドを出してマイクをセット。ギターを出して、へたっぴなりに鳴らしながら口ずさむ。雨は夜更け過ぎに、で始まるやつも。ゲッダンも。

 明るすぎるのなら天幕を。光が必要なら星を浮かべよう。

 お母さんは歌詞をメッセージ代わりにして、お父さんの心をくすぐるのが好きだ。

 トウヤとふたりで「い、居心地わるっ」と引いちゃうくらい、熱い瞬間もある。

 あとね? お父さんはそういうとき、とことん骨抜きにされている。

 そんなお母さんだけど、ふたりの学生時代には既に前線で売れてたビジュアルバンドの古いアルバムの曲が好きでね? そういう特別な歌を歌ってもらう時間は、きっと特別なんだろうなあと感じる。顔を見ればわかるもの。

 こんな風に過ごしたいな、とか。自分には一途さがあります! とか。困ったときは絶対に助けます! とか。そんな歌詞が失恋や未練の縦糸に横から編み込まれた歌詞が目立つ、クリスマスや恋愛の歌。

 ああもうハッピーでしょうがないっす! 無敵でーす! 最高でーす! みたいなのって、あるにはあるけど、それよりずっと目立ってる気がする。

 そういう歌を、それこそ自分の形に窪んで受けとめてくれるクッションのように倒れ込んで聴く。何度も。熱唱するかも。

 トシさんの世代は、そういうのわりとあったんだって。

 私たちはどうだろ。

 そもそもそのへん真面目に話したことないや。

 カゲくんたちは実写顔出しじゃなくて、キャラクターで配信している人たちの歌ってみた動画の話題が多いというし? 私みたいにサブスク登録してるキラリやマドカ、トモたちは、なんとなーく聴いてる。お父さんたち世代と私たち世代の間なら? 動画投稿サイトに歌を投稿している人たちの曲がメインストリームだったっぽい? 正直なじみがない。コメント見えるの、私だめでさ。

 地面から天幕へと雪を落として、歌い続ける。

 まゆズがそばで見守っているけど、気にせずに。

 トシさんとの食事でだいぶ鍛えられた。

 いつでも歌うよ?

 とつぜん歌うよ。

 下手でも歌うよ?

 感情めいっぱい出していくよ。

 起きてからの時間に備えて、ぜんぶ出しておきたいんだ。


 ◆


 翌日昼間、うちのお庭へ人の姿で出る。

 この状態で鍵が取り出せるか。そもそも金色は出せるのだろうか?

 右手を前に伸ばして、いつものイメージ。自然と出ていく金色は、いつもよりも輝いている。

 凝縮させて鍵に変えると? 前よりも煌めき、頑丈で、精緻な彫刻が為されたものに。

 狐憑きでいることに、いつしかかなりの負担がかかっていた。

 執着していたからかな?

 無理をしていた。

 自然にそうであったときよりも、ずっと無理をしている。

 疲労がたまって筋肉痛になっているようなものなのかもしれない。

 人の姿でしばらく過ごしてもいいかもしれないな。そのほうが休めるから。

 まあ、押さえた力のぶんだけ金色にも鍵にも力が入っているみたいだけど!

 問題は?


「お、と、と」


 重たい。

 それに獣憑き状態でいたときには感じなかった疲労に苛まれる。

 鍵を持ちあげようとしたら?


「ああああっ!」


 つった!

 いまめっちゃ腕がつった!


「ひいっ、ひいっ」


 勘弁してほしい。

 獣憑きになって強化されていた筋力が落ちているのかな。

 それともたんに、最近がんばりすぎてるせい?

 両手で柄を持ち直して、腰を落とす。

 三つのカウントで思い切って持ちあげようとしたら?

 魔女の一撃っ!

 腰に激痛っ!


「おおおおお、おおおお、おお、お」


 全身に脂汗がにじむ。ちょっとでも姿勢を間違えると?

 アウトだ! 二度と動けなくなるぞ? 気をつけろ!

 鍵を持ちあげることを諦める。そっと膝を曲げて、そのまま腰を下ろした。

 しばらく固まって、腰の違和感がなくなるのを待つ。

 深呼吸が大事だ。


「ふうう、ふうう」


 息をしながら、鍵の柄を撫でる。

 大きいのがいけない。金属の塊に化かしたのは私でしょ?

 なら、小さくすればいいんだ。簡単、簡単。

 尻餅をついたまま、持ちあげられそうなサイズに縮小させる。

 二リットルのペットボトルよりも重たいと無理だ。持ち運ぶのに疲れてしまう。

 ようやく脂汗がにじむのが収まってきた。

 落ちついてきたけど、油断は禁物。腰を気づかいながら、そっと立ち上がろうとして。


「お、おおお!」


 足がつった! めっちゃつった! こむら返りだ!

 私の肉体は限界だ!

 獣憑きに戻ろうかと一瞬悩んだけど、我慢する。

 落ち着けー?

 ぷちたちとの生活でかなり身体を酷使してきた。

 それで参っているだけ。

 獣憑きだと、いろいろ助かることが多いみたい。それがいま、わかっただけ。

 落ち着けそう?

 よし。


「ゆっくり、ゆっくりいくぞー?」


 金色を出して、化かして柱に変える。

 それを支えにして、足がつらないように気をつけて立ち上がる。

 用が済んだら柱は消して、手のひらサイズの鍵を持つ。

 もう既に涙目で満身創痍だけど、ここからが肝心だ。


『なにを試すんだ?』


 十兵衞、よくぞ聞いてくれました!

 無意識に私はいろいろと自分に枷をはめていた。

 獣憑きでなきゃだめ、狐でなきゃ意味がない! みたいに。

 そうした枷を外してみたいの。

 枷を外せば? できることがあるんじゃないか。見えてくるなにかがあるんじゃないか。そう思うってわけ。


『それで、具体的には?』


 これは姫ちゃんの力だ。

 時に関わる力。

 そういう土台に、私は無意識に枠組みを当てはめて考えてしまう。

 学校の授業だと問いも答えも、一定の枠組みと段取りの内側で行なわなきゃいけない。

 先生にもよるけどね!

 テストになると、ますます自由度は減る。

 そういうのが苦手な私は、そういう不自由さの中で「にがてー」とぼやきながら不自由なまま行なう。

 で、あれこれ悩んじゃうってわけ。

 そういうのをやめて、実践に向かうのなら?

 鍵を使って、なにをどこまでできるかやってみよう。

 昨日は料理に例えた。でしょ?

 なら、料理に絡めて考えてみよう。


「時。料理。どう調理しようかな」


 いまもまだ調査中のままな茶封筒。

 けれど、茶封筒が貸倉庫からやってくる過程は確かめた。

 料理だと、どう捉える?

 あるいは、お食事なら?

 五感を用いて感じる。

 見て、聞いて、触れて、味わって、嗅いで。

 味覚でいえば、五味を感じる。

 甘味、塩味、酸味、苦味にうま味。

 でも、五つの要素がふたつ。すごく雑な計算だけど十の要素で考えるのが、そもそも複雑。

 匂いなら、どういうのかーとか。触れるなら、温度は? 感触は、とか。十どころか、もっとある。

 だから絞りたい。

 もしも茶封筒の時間軸の匂いを感じとれたら?

 そもそも鍵の力は姫ちゃんをはじめ、一年九組の子たちとの繋がりを通じて得たものだ。

 なら、鍵を出す出さないさえ、習熟すれば関係なくなるのでは? あるいは、出さなくてもある程度は自由が利くようになるんじゃないかな?

 いまはまだ無理だけどね!

 筋肉痛になって、ひいひい喘いでいるくらいだもの。

 でも、いずれは別じゃないかな?

 それこそ鍵を使わずに、特定の時間軸の匂いを嗅ぎ取ることはできないかな?

 対象を絞れば。あるいは。

 たとえば、あの山羊男の匂いを嗅ぎ取って、後を追えない? 覚えられないかな。

 さすがにそればかりは人の姿じゃできないだろうけど、獣憑きの姿ならできないかな?

 茶封筒で試してみよう。

 千里の道も一歩からだ。


「――……」


 テンションが。

 あがらない!


「地味だからかな」

『大事か?』


 大事だよ!

 意欲がもうひとつ燃えない。

 いまひとつ、なにかが足りない。

 必要だから組み立てた、じゃあ足りないんだ。

 なんだろな?

 わからないなら、いっそ「おしりたんてい」に頼ったほうがいい。

 ぷちたちは大好きだよ? 一期から再生して見ているけど、おしりたんていってかなりのぷりぷり具合だ。ふわわんぷりぷりんと揺れると、大喜びする子がいる。

 おしりたんていが証拠の匂いを嗅いで「くんくん。においますよ?」っていうの、もうそれだけで面白いじゃん。画面転換で流れていくおならがずるいじゃん?

 しんちゃんのおしりくらい、ぷるんぷるんだしなあ。

 そういう愉快な遊びがなきゃ、いやだなあ。


『大事か』


 そうだよ?

 大事だよ!

 走るたびに、お顔がぷるんぷるん揺れるのが大事なんだよ!

 ユメたち大爆笑だもの。

 劇画調の顔になって「失礼こかせていただきます」からの、おなら攻撃。

 あの必殺のキメ技は威力絶大。

 ああいうのでいいのよ。ああいうので。


「遊び心ねえ。遊び心」


 思いつかない。

 鍵を小さな狐に化かして、匂いを辿ってみてもらうとか?

 どんどん小さくした鍵を化かす。

 おしりたんていのマルチーズ署長よろしく、てのひらサイズの子狐に。

 なん、だけ、ど。


「んー」


 テンションが!

 もうひとつ!

 足りない!

 いったん子狐を撫でて金色に散らす。完全に消してから、家の中へ。

 ぷちたちのいる和室に顔を出して、みんなにお願いがあるから暇な子あつまってーとリビングに招集をかけて、みんなに尋ねてみる。

 例え話として。

 みんながやっているサンドボックスゲームでいうなら? 真夜中になると出てくるゾンビや、目を合わせると近づいてくる怖いやつや、異界の奥底にいるとかいうドラゴン。

 そいつらを操る、こわいやつがいるの。

 こわいやつは、いろんなところでひどいことをしている。

 できれば止めたい。

 だけど、こわいやつも、こわいやつが呼び出したモンスターも、どこにいるのかわからないの。

 みんななら、どうする?

 この手の問いにつきものなのが、なんで連呼。

 疑問を持つから、それをぶつけるのだ。

 ひとつひとつの要素に「それって、どういうことー?」と聞けるのも大事。

 ざーっと流して、理解したことにしないし? わからないし、どうでもいいやにしない。

 そういう姿勢も大事。

 もちろん「これをすればいいんじゃない?」と、すぐに自分の知識や経験と紐づけるのもいい。

 いずれにしても執着しちゃうと、そこに留まってしまう。

 みんなの質問や考えに触れながら、私の苦手さに触れる。

 ぷちたちのほうがずっと素直だ。

 見つけるマシンがあったらどうかなーとか。みんなで探しにいくのはー? とか。どうやってモンスターを作ったのかなーとか。覚えきれないくらい、たくさんのことばをもらった。

 お父さんのゲーム機で遊んでる子たちの中で「ドローンはー?」なんていう子もいたよ?

 たくさんのドローンを飛ばすの。

 他にもね? お母さん激推しの漫画を読むのが好きな子が言うわけ。

 だったらママもいろんなの作って、呼び出してみたら? って。

 蟲師のおじさんとか、ちょーつえー魔法使いとか、そういうことしてるよー? って。

 他にもね? お父さんの持ってるロボットアニメを見てる子が「ママの金色でいっぱいにして、変なことがあったらすぐに気づけるようにしたらー?」って。

 私の歌を聴いてる子が「ひとりぼっちでつらい人、助けに行けないの?」って。

 そこまで聞いて、受けとめられるまでにかなりの時間を要した。アニメを見たり、ゲームのプレイを見せてもらいながら、話しあいながらだったから。

 一日で信じられない量が出る洗濯物をたたみ、夕ご飯を振る舞って、お風呂に入り、金色を化かした物語をお披露目して、眠るまで見守る。

 そうしたすべてをなんとかやりとげて、心身ともにマイナス値になりながら一階のリビングへ。前のめりにソファに倒れ込んだ。お父さんとお母さんが「おつかれぃ」と軽く言ってくれる。


『それで』


 十兵衞は待ったなしだ。


『どうなんだ? お前のやりたいことはできたか』


 タマちゃん……。


『ずうっと貧乏揺すりをして待っておったよ』


 たしなめたけどだめでした、とわかるタマちゃんの返事にうなる。

 もー。しょうがないなあ。

 獣憑き状態から人へと戻る。

 身体中がびきびきと引きつる。筋という筋が悲鳴をあげる。

 おとなしく耐えながら、きっとずっと人の身で耐えていた痛みを引きうける。

 お、とお父さんが反応するけど、お母さんが「いまは」と囁いた。それきり、触れてこない。

 だいじょうぶ。急がない。

 息を整えながら、考える。

 ねえ、十兵衞。

 私のやりたいことはね?

 すこしずつ、やれているよ。

 いっぱいあるから、ひとつずつ言うね?

 ひとつめ、人に戻ること。

 御霊を宿して、ならせてもらった姿が馴染んで、私のものになった。だけど、いつしか私がそうあらなければと負担になってしまった。自覚して、力を抜きたい。

 ふたつめ、人の状態で力を使うこと。

 狐憑き、あるいは神使のおいなり姿になることで、いくらか背伸びをしている。

 だからその背伸びをやめて、力を使うことに集中するとどうなるのかを試したい。

 みっつめ、いまの自分の価値観の壁に気づく。

 おいなり姿だと気づけないことがあるよ。おいなりブーストを切って、がっつり人の身でやってみたら変わること、負担や痛みなんかがそう。そうしたものに触れる機会を増やすの。あるいはね? ぷちたちが話してくれたこと、だれかの視点で捉えて変わる問題との距離感のちがいを体感するの。ひとりで、私という土台で考えると見えなくなることがたくさんある。ぷちたちの話さえ、私の土台に照合して噛みあうものは「ああ、ぷちたちはまだちっちゃいから私の知識には足りないや」と見切りをつけると? 実のところ、ぷちたちの話なんか、ろくに頭に入っちゃいない。そういう壁に何度でもぶつかってから、ようやく気づいていくの。

 このみっつでね?

 私にはふたつの視点があることに気づく。

 おいなりブーストのある視点。ない視点。

 もちろん、足りない。ユメたち、ぷちひとりひとりの視点も。十兵衞の視点もだし、タマちゃんの視点もだ。

 あなたは私じゃない。私はあなたじゃない。

 ひとつにはなれない。でも、ああ一緒だなと感じることはできるし? ああ違うんだなと感じることもできる。

 なので、いかにして「違うこと」に触れて、掴んで、捉えるかを考えたいし? 気づけるようになりたい。


『収穫はあったか?』


 いくつかね!

 いまの私でも挑めるアイディアをもらった。

 ノンちゃんたちに共有したら、面白い装備ができそうな案も。

 ユウジンくんにメッセージを送って、彼ならできるか確かめたい問いも。

 みーんな収穫。

 ぷちたちの案と実状の間にあるギャップは? 私の案と同じでね?

 「もっと問いを」か「もっと段階を」、ないし「もっと案を」、さらにはこれらの組み合わせであり得るパターンのすべてを求めている。まだまだ要素が足りないかもよ?

 それについても、よくよく話してみればいい。

 でも、ひとまず現状では十分!

 できることがあった。気づかないことだらけだ。

 そんなことやっちゃっていいんだろうかと臆している自分に出会う。

 こんなにくたびれていたのか私とへこたれる自分を痛感する。

 際限なく落ちる。気分も身体も、底なんてないと感じる。落ちる先には困らない。

 人生から底なしに落ちるものを取り除くことができるのなら、喜んで捧げる。

 そういうものがあることを、いやというほど知っている。


『それで?』


 敵がなにかを仕掛けて、場所を変えるというのなら?

 早すぎ行動を狙うマドカに提案したいことさえ思いついた。

 陣取り合戦を仕掛けるのだ。

 侍隊と協力したっていいし? ルルコ先輩たちには絶対に声をかけよう。

 現世だろうが隔離世だろうが、おかしなことをしたらすぐに私たちが把握できるような仕組みを作っちゃうのだ。いまよりもずっと、積極的にね。


『もし、いまの思いに名づけるなら?』


 遠慮するのはやめるぞ作戦です!

 探偵でもなきゃ警察でもない私たちは、遊びたい盛りの学生なので?

 遠慮せずに、自分を守るために、みんなと攻めるために、選ぶんだ。

 やりたい放題やっちまえってね!




 つづく!

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