色のない世界
見えないものが見たかった。たとえば未来とか、だれかの心とか、そういう普通ならば決して知り得ないもの。それが見たかった。
未来なんて知らない方がいいっていう人もいるけれど、わたしはそうは思わない。告白しようと思った時、受験する学校を選ぶ時、その他いろいろな選択のとき、未来がわかったらと思った時は必ずあるはずだ。知らないで得られるドキドキよりも、知ることで得られる安心感の方がいいに決まってる。
ねえ、神様、どうして未来は見えないのですか。人の心は見えないのですか。
見えたらきっと救われるのに。
高校生なのに恥ずかしい話だけど、わたしは夜がとても怖い。その闇と静寂がわたしの不安を煽るから。
いつからこんな風に将来に不安を抱くようになったんだろう。幼い頃は将来に希望しかなくて毎日がキラキラ輝いていたはずなのに、生きれば生きるほどに世界は色あせていった。今ではあの頃の輝きの面影すらなく、全てがくすんでいた。
どうしてこうなってしまったんだろう。わたしの人生はこれから先もずっとそうなのだろうか。みんなはあんなに輝いているのに自分だけがずっとこうなのだろうか。
それだけはごめんだ。
けれどわたしはこの世界に色を取り戻す方法を知らない。だから、その運命から逃れることもきっとできないだろう。
ならばいっそ、ここで全てを終わらせたかった。色をみることもないまま人生を終えることになるのなら、今ここで終わらせても同じだ。これ以上長く生きて、あの色づいていた時代が遠くなるくらいなら、今終わらせてしまおう。
そう考えて、この橋から足を投げ出したのは何時間前だっただろうか。わたしは一向に飛び降りることができなかった。
自殺した後、わたしはどうなるのだろう。自殺は罪深いことだという。人から聞かされた話では、死んだことに気づかず永遠に自殺し続けるとか死後の世界で自身の過ちを悔いるまで木にされるとかそんなところだった。
それを考えるとわたしは恐ろしくてとてもとても飛び降りられなかった。
死んだ後が不安だなんて、こんな滑稽なことがあるだろうか。でも事実わたしはそうなのだ。
この先生きることも死ぬことも不安で不安で仕方ない。もしも、見えないものが見えたのなら、未来をみることができたのなら、そんなことはなかったはずなのに。
「神様、わたしはどうしたらいいんですか」
生きることも死ぬこともできないわたしはどうしたら。藁にも縋るとはこのことだ。少しも信じていない神様にわたしは願った。
生きることがこんなにも苦しいのなら、神様、せめてわたしに見えないものを見せてください。
「見えないものが見えてもいいことなんてないけれど」
その時、わたしの頭の上から声がした。振り向く間もなくわたしの体がなにかに突き落とされた。
ネットに小説をあげるのは今回がはじめてなのでうまくかけているか不安ですが、自分なりに全力で書きました。
作中で女子高生が自殺しようとしていますが、わたし自身も女子高生であり、何度も自殺未遂を繰り返しています。毎日が不安と孤独にまみれて、世界に色なんてありませんでした。
こんなわたしの思いが理解されることなんてありえない。確かにそう思っていました。けれど、色んな方の小説を読んだりして案外色々な人がわたしと同じような悩みを抱えているのではないか、と考えました。
わたしはそういった同じような苦悩の書かれた小説にはかなり救われてきました。
ですので、わたしの小説でも誰かを救うことができたらいいな、と思ってこの小説を書くことにしました。
もしよろしければ、この先もおつきあいいただけたら嬉しいです。




