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竜騎士達の戦場

 ◆


 ハールーンはウィンドストームと共に、シェヘラザードの上を旋回した。

 旋回しつつ炎を撒き散らし、シェヘラザードを包囲から救うつもりだった。

 しかし、結果はそうならなかった。

 何故ならシーリーンの率いる部隊がシェヘラザードを包囲しており、その部隊は皆、特殊な盾を装備していたからだ。


 盾は一様に美しい乙女の紋様が描かれていて、目の部分に宝石が嵌め込まれている。

 これは特殊な石で、魔法による攻撃を吸収してしまう代物だった。

 実はドラゴンは、存在自体が魔法の顕現と言われる様な生物。故に、その主たる攻撃である火炎は、まさに魔法と同種の力、防がれて当然である。


「我等に対(ドラゴン)装備の一つも無いと思ったか――えっ? ハールーンッ!? 何で竜に? 竜騎士に……なったの?」


 上空を見上げ、水色の竜を見据えたシーリーンが、驚きの声を上げた。竜に跨る人物に心当たりがあったからだろう。

 しかも思わず、その冷厳な指揮官の顔から、素が覗いていた。


「ね、姉さんっ」


 ハールーンの額に汗が浮かぶ。

 姉がこの戦場の何処かに居るとは思っていたが、こんなに早く会ってしまうとは思わなかった。

 そして姉とは知りつつも、革鎧によって寄せられた胸の谷間を思わず見てしまうハールーン。たわわに実りすぎた姉の果実は、弟にとっても目の毒だ。


 しかし二人の驚愕をよそに、神速をもって動いたのはシェヘラザードだった。

 竜の攻撃で一瞬止まった敵部隊を、縦横に蹂躙するシェヘラザード。

 剣を閃かせると右に佇む敵の喉を刺し、残像を残して後ろへ飛ぶと、背後の敵を背中から貫く。

 血を噴出して倒れる敵兵を踏み台にしつつ、さらに飛ぶとハールーンの後ろに乗った。

 敵を二人屠った時点で、シーリーンにいつもの眼光が甦った為だ。


「君は確か、ファルナーズのところの」


「はいぃ。助けに来ましたよぉ」


 あっさりと空を飛ぶウィンドストームに乗ったシェヘラザードは、ハールーンの顔を覚えていた。

 もっとも、ファルナーズの下にいる者は皆個性的なので、忘れる方が難しい。

 ハールーンは肩越しに返事をすると、シーリーンから視線を外した。


「斬りあうな! 盾で防ぎつつ囲め! ちっ! ドラゴンに逃げたか! 機動飛翔アル・ターラ!」


 シーリーンは部下を叱咤すると、自身は魔法で空を飛ぶ。

 一瞬にしてウィンドストームと高度を合わせたシーリーン。その力はやはり絶大だった。

 一方ハールーンは、あまり緊張感がない。背中にシェヘラザードの荒い息を聞いてご満悦だ。

 だが残念な事に、シェヘラザードが後ろにいるせいで、彼女の顔が見えない。

 なんとか首を捻って後ろを覗こうとするハールーン。現時点でシーリーンと戦う気は、毛頭なかった。


「名は? いや、それよりも一瞬でいいから時間を作って! 陣形を立て直さないと、味方を逃がす事も出来ない!」


 崩壊してゆく陣形を俯瞰して、焦燥感を募らせるシェヘラザードは、ハールーンの肩を揺する。

 しかし溜息交じりのハールーンは、既に戦線の崩壊を見ている。

 総大将にまで迫られている時点で、陣形を立て直すなど不可能だ。冷静に考えれば、シェヘラザードにも解る事だった。


「ボクはハールーン。このまま逃げる事をオススメするよぉ?」


「ハールーン! シェヘラザードを渡しなさい。そうすれば、命までは取らない!」


 言うなり曲刀を鞘に収めたシーリーンは、右手を前に出して、空に大きな円を描く。

 空に描かれた円は炎を浮かび上がらせ、炎はみるみるうちに巨大化する。

 炎の円は円錐型に形を変えると、ウィンドストームに迫った。

 

「――炎槍ナール・ハルバ!?」


 ハールーンはシーリーンの攻撃に焦った。

 殺さないというシーリーンだが、あんなものを喰らったら死ねる。

 あれは炎で人を刺し、燃やし、体内の血液を蒸発させるという悪魔みたいな魔法だ。

 何より貫通力のある攻撃なので、竜の鱗さえも貫いてしまう。


 姉さんは、ボクがあんなものをしのげるとでも思ってるの? バカなの? 姉さんはバカなの? と、幾ら心でシーリーンを罵っても、どうにもならないハールーン。


ジダール


 慌てふためくハールーンをよそに、シェヘラザードが呟いた。

 すると、見えない壁がウィンドストームの眼前に出来て、寸でのところで炎槍ナール・ハルバを弾き返す。


「姉さん! ボクまで殺す気だったでしょ!?」


「竜騎士が炎槍ナール・ハルバ如きで死ぬものか。あくまでも脅しだ。

 ……ん? あれ? ハールーン……お前、もしかして危なかったのか?

 まあ良い。シェヘラザード……軍を全滅させられたくなければ、大人しく我が軍門に下れ。ナセルさまは……いや、陛下は、貴女を悪いようにはしない」

 

 少しだけハールーンから目を逸らしたシーリーン。

 間違いなく、彼女はハールーンの実力を見誤っていた。

 だが、それも仕方が無い。

 竜騎士になれる者とは、戦士としても魔術師としても最高の素質を備えた者だけなのだ。そうでなければ、竜は本当の意味で人を認めない。

 竜が認めなければ、人と竜は会話を交わす事が出来ないのだ。

 これは、例えばナセルが竜騎士になれない理由にも結びつく。

 テュルク人は一般に魔法を使えない。ナセルはハーフであるお陰で多少の魔法を会得しているが、その程度では駄目なのだ。


「――実力では、まだ私に及ばない。ならばあくまでも素質、ということか」


 シーリーンはハールーンを見つめ、呟く。

 

 ハールーンの後ろで、小さく歯軋りの音が聞こえた。

 シェヘラザードの悔しげな声も、漏れている。


「ナセルの、ナセルのやり方は、間違っている。なのに、なのに私は……」


 途中から声がかすれるシェヘラザード。きっと泣いているのだろう。


「シェヘラザードさま。逃げますよっとぉ」


 ハールーンは槍を掲げ、力いっぱいシーリーンに向けて投げた。

 槍には風の魔法を上乗せする。すると音速に迫る勢いで槍は飛び、シーリーンの頬を掠めた。


「ぐっ!」


 数本の髪がちぎれ、朱色の糸が中空に舞う。

 槍を避けてシーリーンが目を逸らした隙に、ハールーンは脱兎の如く逃げ出した。


 ハールーンもハールーンだった。

 姉は、この程度避けるだろう、と考えていたのだ。

 確かにシーリーンは槍を避けたが、普通の者なら避けられない。

 つまり、姉弟そろって加減をしらない二人だったという事だ。

 

 シーリーンも、ウィンドストームが目で見えている限りは追ったが、やはり捕まえる事は出来なかった。

 機動飛翔アル・ターラと言えども、風竜の全速には及ばないらしい。


 もっとも、世界にただ一人、機動飛翔アル・ターラで風竜と互角の速度を出せる者がいる。

 もちろん、そんな出鱈目が可能な人物はネフェルカーラ。

 ただ、本気で飛ぶと、人々に色々な迷惑をかけてしまう。それを嫌って、彼女は決して本気で飛んだりしないのだが。

 かつて自分が全力で飛んだ後に後ろを振り返ると、木が折れていたり、家が倒壊していた事があった。

 自分が齎した衝撃が、筆舌に尽くしがたいモノだったネフェルカーラは、落ち込んだ。

 破壊の正体はソニックブーム。もちろん、竜も音速を超えれば放つものだ。

 しかしそれと知らない彼女は、最高速度を封印した。その上で、自身の速度は風竜に及ばない事にしている。

 もちろん、本気で飛ぶのも面倒だ、という理由もあるだろう。

 元来、ネフェルカーラは怠け者なのだから。


 それはともかく――

 ハールーン達は、既に戦場からだいぶ離れた地点にいた。

 ウィンドストームの速度をもってすれば、十ファルサフ(約五十キロ)を移動するのに五分とかからないのだから当然だ。

 シェヘラザードの視界に映るファーティマ渓谷は、褐色の雄大な谷であり、そこに蠢く黒影は、もはや人の姿を為していない。


「お、おい! まて! 戦線離脱など! 指揮官が戦場を離れてなんとする!」


「敗色濃厚。総大将が捕らえられたら、その方が敗北ですよぉ」


「だ、だがっ!」


「それに、皆、各部隊ごとに後退しつつあるようですよぉ? 全滅には至らないでしょう」


「な、ならばせめて後詰の下へ……私を送ってくれ」


「りょーかいですぅ」


 この後、シーリーンとハールーンが姉弟である事に首をかしげたシェヘラザード。

 

「二人は、本気で殺しあっていたような?」


 傍から見れば、その通りの姉弟。確かに、シェヘラザードが防がなければ、シーリーンの魔法にハールーンは貫かれていただろう。

 逆にハールーンの槍は、真っ直ぐシーリーンの顔を目掛けて飛んでいた。

 しかし複雑な事情もあるのだろう、とシェヘラザードは追求しない。

 それに、すぐに後詰部隊の下に辿りついたのだ。

 流石に、ウィンドストームは速かった。


 戦局全体で敗れたシェヘラザードは、それでも敗軍をまとめると、整然とヘラートへの帰途につく。

 敗れて尚、軍の規律を保ちえるのは良将の証。だが、ヘラートに帰還したシェヘラザードの内心は、酷く暗いものだった。


 ◆◆


 俺はサーベで、「ナセル動く」の報を聞いた後、すぐに会議を開いた。

 だが、その結論は結局「クレイトを撃滅すべし」だったのだ。

 確かに、俺がここでヘラートに戻ったら、せっかく取り戻したサーベをまた失うだろう。

 なので俺はサーベに守備部隊を五千程残し、クレイト軍を追った。

 追われたクレイト軍は、此方の予測どおりセムナーンに入り、そこを拠点として、今、俺と対峙ている。

 ついでに数日前、年も改まった。


 そして、一進一退の攻防。

 そう言うと、俺の頑張ってる感が出る。

 しかし実体はにらめっこだ。

 

 眼前に広がる草原。

 その先には、巨大な城砦都市セムナーンがある。

 まさにシバール東方の要衝。それだけに、とても攻め難い。


「セムナーンは何で西側からも攻めにくいんだ! おかしいだろ!? 西からは味方が来るって決まってるのに!」

 

 と、俺が会議で荒ぶったのも、既に七日前の話。

 その時俺は、数日間の膠着状態に嫌気が差していた。

 それと、何とか年が明ける前に決着をつけて、お祭をやりたいとか思っていたのは内緒だ。


「横が駄目なんだからさ、上から攻めようよ! ね?」


 その時、お! アエリノール! たまには良い事を言うじゃないか! 頑張って来い! と送り出したのも束の間。

 俺も、アエリノールと一緒に出撃するハメになる。

 その後、アエリノールは投石器や魔法の集中砲火を浴びて、彼女にしては珍しく大怪我をして帰ってきたのだった。


 それでもアエリノールは、西の城壁の一部を崩し、敵を千人から屠っている。

 もしもジャムカが出てこなければ、或いは攻略出来たかもしれない、という所まで攻め込んではいたのだ。

 

 ちなみにその間、俺はやっぱり囮だ。

 ドゥバーン曰く、「敵の主力を分散させるでござる」と言っていた。

 有無を言わせず、アエリノールの後に俺を送り出す部下達。何かが間違っていると思った。

 俺は終始逃げ腰だったから、怪我をする事は無かったけど、巨大な岩が自分に向かって何十個と飛んでくるのは恐怖だよ。

 それにしても俺、総司令官なのにこの扱いって……ホント酷いと思うな。


 まあ、アエリノールが一人でセムナーンを攻略出来るほど、世の中は甘くなかったという事だ。

 同時に逆の考え方をすれば、シバール東方の要衝が最大火力をもってしても、アエリノールを倒しきる事が出来なかったということ。やはり、彼女は強大。味方で良かった。


 ともかく、俺が西側からセムナーンを半包囲し続けて、半月近くが過ぎた。

 クレイト軍は篭城戦が苦手だとドゥバーンは言うが、中々どうして攻め手が無い。


「右翼に敵影! 騎馬、およそ二千!」


 草原に作り上げた俺の本営に、一人の奴隷騎士マルムークが報告に現れた。

 日中、日が高い内に天幕の中に入ることは少ない。俺は、なるべくすぐに状況が分かるよう、自身の天幕の外に幔幕を張って、本営としているのだ。

 本営に常駐しているのは、俺、ドゥバーン、ジャービル、オットー、ダスターン、マフディと、他は幾人かの万人将。しかし、基本的に発言するのは俺とドゥバーンくらいで、後は命令待ち、といった所だ。


「シャジャルとセシリアに対応させろ!」


「はっ!」


 俺の指示ぶりも、なかなか様になってきたと思う。

 ドゥバーンも、最近では俺に異論を挟まない。

 それに、実際シャジャルとセシリアの組み合わせはとても強い。

 騎馬民族と言われるクレイトの騎兵に、一歩も引けを取らないセシリアの騎馬隊。そして、ここぞという場面を確実に見極めるシャジャルの戦術眼。

 その二つが合わさると、二千の軍が万の軍に匹敵する力を持つのだ。

 何より、シャジャルは可愛い……。


 しまった。

 シャジャルの事を考えたら、口元が緩んでしまった。

 俺は慌てて面頬を下ろすと、椅子から立ち上がる。

 

「俺も出る! 上から援護する!」


 ドゥバーンのジト目が、俺に突き刺さっていた。

 ドゥバーンも、最近は俺にジト目を向ける事があるのだ。

 それは、大体シャジャルの事を考えている時や、シャジャルと話をしている時だろう。

 もしかしたら、シャジャルに妙な対抗意識を持っているのかも知れない。ていうか、ドゥバーン。まさか、俺の内心が読めるとか?


「なりませぬ。シャムシールさまは、拙者の未来の夫――ではなく、総大将にござる。なれば、ここは両千人長をご信頼なされませ」


 左手奥から、ドゥバーンの正論が聞こえる。そして頷く千人長や万人将たち。

 なんだよ。じっとしてろと言われたり、囮に出ろと言われたり。泣くぞ? 俺、泣くぞ?


「うむ。俺もドゥバーンに賛成だ。敵の陽動の可能性もある。陽動と知れた時、総司令官が空にいる、では話にならん。何より黒甲将軍カラ・アミール、御身に何事かあらば、それこそが一大事だ」


 ダスターンが追い討ちをかけてくる。

 総司令官が居ない時の為に、お前という副司令官がいるんだろうが。


 しかし、俺の気持などお構いなしのダスターンは、白い歯が輝く笑顔で、俺に頷きかけている。

 いつの間に、コイツは一人で何にも出来ない子になったのだろう? 


「わかった。今回はシャジャルとセシリアに任せよう。俺は少し――アエリノールの様子を見てくる。ダスターン、ドゥバーン、ここを暫く頼む」


「承知」


「え、は? あっ! せ、拙者も?」


 素直に承知したダスターンは良いとして、ドゥバーンはうろたえている。

 ネフェルカーラ以外には、どうしても突っかかるドゥバーン。

 今も、俺がアエリノールの所に一人で行くのが不満なんだろう。

 ドゥバーンの気持は嬉しいが、なんというか、何か違うんだよなぁ。

 今度、ゆっくりドゥバーンと話してみよう。なるべく皆と仲良くやって欲しいからな。


 そんな事をぼんやり考えながら歩いていると、すぐにアエリノールの天幕についた。


「シャムシール。俺はここで」


 俺の警護について回るオットーは、両手に剣を構えて天幕の入り口に立つ。

 既にアエリノール配下の奴隷騎士マルムーク二名が入り口の前に立っていたが、押しのけてしまったオットー。

 双剣にしたのは、聖光青玉騎士団ブルーナイツ団長のオーギュストに影響を受けたらしい。

 敵を知るためには、とかなんとか言って、双剣を主武器にしたそうだ。

 ちなみにその実力は、剣に限ればジャービルと互角に戦う。むしろ剣と盾の装備より、筋肉達磨のオットーには双剣が合っていた様だ。

 もっとも、騎馬突撃の際は槍を使う。オットーは槍の腕もかなり上がったようで、何よりだ。

 多分、オロンテスにいた頃よりもストイックな生活をしているから、どんどん強くなっているんだろうな。もう、伝説レジェンドって呼んであげよう。


「分かった、伝説レジェンド・オットー」


「その呼び名も、どうも嫌なのだが……」


 天幕の中に入ると、アエリノールが中央に座り、何か水晶玉の様なモノを見つめていた。

 肌着しか着ていないアエリノールが、薄暗い天幕の中で、淡い光を放つ玉の輝きを受けている。実に艶かしい。


「あ、シャムシール!」


 俺に気付くと、すぐに振り向いて駆け寄ってくるアエリノール。

 耳がくるくると動いている。

 

「何をしてたんだ?」


「回復だよ。あの玉に、私の魔力を入れてあるの。ほら、戦闘で魔力が切れても、アレがあれば戻って回復出来るから、便利かなと思って作っておいたんだよ!」


 作った、だと?

 アエリノールを連れてきたときは、あんなものは持っていなかった。とすれば、確かに作ったのだろう。

 でも、とっても透明な光る玉って、そんなに簡単に出来るものなの?

 もしかして上位妖精ハイエルフって、やっぱり凄いのでは?


 見ればアエリノールの怪我は、完全に回復しているようだ。

 先日アエリノールが帰ってきたときは、全身の骨が砕け、歩く事もままならず、魔力が枯渇した状態だった。

 もちろん、最初の一晩は俺とシャジャルが寝ずに回復魔法を使い続けたが――

 目を離したのは、たった二日だ。

 多分、現代日本なら全治八ヶ月とか、そんな怪我だったと思うのだけど。

 さすがアエリノールだ。俺やシャジャルの回復魔法とは、桁の違う魔法を持っているんだな。

 

「じゃあ、もう怪我は大丈夫なのか?」


「え? うん、大丈夫! ……もしかしてシャムシール……わたしの事を心配してくれたの?」


「そりゃあ、心配するだろう」


 俺の言葉を聞くと頬に両手を当てて、何故か涙ぐむアエリノール。

 心配するのは当然だ。結局、俺がアエリノールに無茶な命令を出したんだし、それで彼女は大怪我をおったのだから。


 しかし喜ぶアエリノールは、そのまま俺に抱きついてきた。

 

 ああ、アエリノールの柔肌を……! 俺の鎧が全て防御する! 何一つ伝わらない! 

 

 俺は、この鎧を貰ってから初めて、ネフェルカーラの呪いを実感していた。

 

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