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静寂の狭間で

どれくらいの時間…こうしていたのか

もう誰にもわからなかった


陽奈

「何で…こんなことしたの?お姉ちゃん…」


遥香

「それは…陽奈と昌也が付き合ってたって知ったから…

昌也はどんなふうに陽奈を愛していたのかなって思って…

それと同じように…いや、それ以上に私を愛してっていったの…笑」


遥香はパソコンを手に取り…


「昌也は…わかったって言ったけど…

そんなの見て見ないとわからないでしょ?

だから…

あなたがどんなふうに陽奈を愛していたのか…

ちょっとだけ見せて?ってお願いしたの…」


「そんなことはできないって、言われたけど

でも…そう言われれば言われるほど…

私はどうしても見てみたくなった

だから…昌也の前でちょっとだけナイフで腕を切ってみた…笑」


陽奈は、淡々と語る遥香に

まるで氷の海に放り込まれるかのような恐怖を感じた


「昌也、見られてること知ってるのに…

あーんなに優しく…

あーんなに大事に愛してるんだもん……ね」


そういうと…

凍るほど固まった陽奈に遥香は笑いかけた


「付き合ってたことを内緒にしてた罰だよ…

こっそり二人で秘密なんか持とうとするから…

それを知った時の私の気持ち…わかる?」


「おまけに…

昌也が別れようなんて言い出して…笑」



パーーーンッ


突然、遥香は手にしていたパソコンを床に叩きつけた


「ねえ…昌也、今ここで私を抱いてよ…

陽奈の前で…できるよね?

だって、私の恋人だもんね…

それとも…大好きな陽奈を抱く?…」


そんな遥香の目にはもう誰も映っていないように見えた


写真に刻まれた傷、散り散りされた紙切れ…

叩きつけられたパソコン…

深く深く遥香の心を抉り続けた証として…

自分たちに突きつけられているように感じた


昌也はそっと遥香を抱きしめた…


昌也

「本当にごめん…

君を愛していなかったわけじゃない…

でも…陽奈に再会して

忘れようとしていた陽奈への想いが…

消しても消しても…

また湧き出てきてしまっていた


君の要求を飲む気はなかったけど…

結果的に…俺は…陽奈を…


それが…遥香をさらに追い込んでしまったね…本当に済まない…」


子リスのような毒ヘビは

昌也の腕の中で…ただ茫然と遠くを見ていた


遥香

「そんな仕打ち…ある?…

そんなの…絶対許せない…」



………。



残酷な静寂の狭間で

ずっと同じリズムを刻む秒針の音さえももう

誰の耳にも届いてはいなかった…




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