機内食
飛行機の中で出される食事のことを機内食と呼ぶ。
イメージとして「フィッシュオアチキン?」というやつが付いてくる。
からからとカートを運びながらCAさんに聞かれるのだ。
その日の気分によって変わるのだろうけれど、これを書いている今の気分だったら「フィッシュ」と答える。
しかしこれは悩ましい。周りを見渡して、美味しそうなものを選択してしまうかもしれない。
だから聞かれる順番は後の方が、いろいろ吟味できるかもしれない。
でももし機内食の案内だと思っていたところ、CAさんに「デッドオアアライブ」と聞かれたら、私は何の迷いもなく「アライブ」と答える。これは悩まない。
私は数年に一度しか飛行機に乗らないのでめったに機内食は食べない。
数えるほどしか食べたことがない。しかも結構前の話なので、それすら記憶の薄いものになっている。
それくらい機内食とは無縁なのかもしれない。
しかしその代わり、私は普段、機外食ばかり食べている。
今日も機外食を食べたし、明日も機外食を食べるはずだ。
でも機外食は多くの人が食べているはずだ。
私もその例に漏れず、機外食ばかり食べている。機外食さいこー。
コロナで飛行機が飛ばせない時期に、機内食を宅配注文できるサービスがあった。
なんとなくつけていたニュースで見た。
今もあるのかは知らない。
つまりこれは機内食を機外食として食べられるというサービスということだろう。
機外で機内食を食べられるというのはこれはもう駅弁をプールで食べるようなものだ。
あるいは一人で綱引きをするようなものだ。
もしくはトイレで遊戯王をするようなものだ。
またはお通夜でDJオズマを歌うようなものだ。
え、どういうこと?
逆に言えば、機外食を機内に持ち込んだ場合、それは機内食になるのだろうか。
基本的に持ち込みは禁止だろうけれど、理論として、お弁当を機内に持ち込んだ場合、機内で食べる機外食となり、それが機内食に進化するのではないだろうか。
環境によってものが変化、生き物が進化することは、ダーウィンに聞かなくてもわかりきっている。
ということはやはり機外食は機内に持ち込めば機内食に変化進化するのではないだろうか。
……おや!? 機外食の様子が……!
おめでとう! 機外食は機内食に進化した!
といった具合で進化するのだろう。でもBボタンを押すと進化を止めることができるはずだ。
めざせポケモンマスター。
というわけで機内食について熱く愛を語ってきましたが、そろそろ文字数が私のいつも目指している最低ラインの千二百文字に到達しそうです。
つまり到達はしていません。
到達していないから、到達しそうということを書くことによって、文字数を稼いでいるというわけです。
私の機内食に対する大きな愛が凝縮されすぎて、文字数が少なくなってしまったのです。
思っていたより機内食というテーマで書きたいことがたくさんありすぎて、逆に圧縮され、且つ短く、そして濃密な文になってしまったようです。
さて、そんなこんなで文字数問題はクリアしました。
今回は機内食の核心に迫る、ドキュメント要素の多い内容でお送りしました。
機内食はいつでも君の胸の中にある。(たぶん名言)