壁に耳あり障子に目あり
「先輩っ…ず、ずっと前から好きでした!付き合ってください!」
「えっ?!」
高校3年生の春。
僕は人生初めて女の子に告白された。
「め、迷惑だった…でしょうか」
恥ずかしすぎて顔がほとんど真っ赤になっているその子は、同じ部活の後輩。同じ部活と言うか新入部員なのだから知り合ったばかりだろと。実は中学でも同じ部活の後輩だった。
過剰評価かもしれないけれど、僕を追って入学してきたのだろうか。
「全然迷惑じゃないし…むしろ嬉しいんだけど…」
一体どこで好かれたのだろうか。
中学まで遡ってみても他と変わらない先輩後輩の仲程度だったはずなのだけど。もちろんこうして好意を向けられるのは嬉しい。
「いいの?こんな僕で。部活ももうすぐ終わっちゃうし、受験勉強し始めたら遊べないけど」
「でも、それでも……好きなんですっ。中学では言えなくて…先輩卒業しちゃって…すごく後悔して…だから」
「そっか……うんありがとう。いいよ」
「ふぇ……」
「ここまで来て断わる理由もないし。勇気出してくれたんだから僕も答えてあげないとね」
「せ、先輩っ!」
「ちょ、泣くほど?!」
全てが初めての事で内心動揺を隠せないけれど、同時にどこか暖かい気持ちも隠れていた。
ポケットから取り出したハンカチを渡して、
「とりあえず…連絡先交換しとこっか」
気の利いた言葉一つも出なかったけれど、笑顔で返事をしてくれた彼女が可愛いと思った。
それがその日の放課後の話。
次の日、せっかく家が同じ方向なのだからと一緒に登校して見たり。
昇降口で分かれたあと、一人で教室に向かう。
この事は当分秘密にしておかないと、どうせうるさい奴らが騒ぎ立てるに違いない。
いつもと変わらずに教室に入り、普段通り席に座る。
「なぁ……告白されてただろ昨日」
「ぶはっ!!な、何故それを…」
「いやさ。昨日お前が一人で裏庭に行くのが見えてさ。こっそり追っていったら女子と二人きりじゃん。しかも女子の方は顔真っ赤だし」
「見てたのかよ……」
「って事はやっぱり彼女出来たのかっ!ヒュー遂に大ちゃんにも春が来たんだな!」
普段通りとは程遠い一言で、秘密があっさり露呈する。まぁこいつ一人なら大丈夫か。
「お前、それ誰にも言うなよ」
「分かってるよ。知られたくないんだろ」
この友人、分かっておる。
ってかこいつに知られてたのも驚きなんだけどな。
そしてしばらくして。
教室に人が集まってきた。朝のホームルームの時間。
「大ちゃん、彼女できたの?」
「グハッなんで…?」
隣の席の女子からも口撃がくる。
「さっき智也と話してるの聞こえてた」
「あっ……はい」
「大丈夫、内緒にしとくから」
なんだろう。皆良いやつなんだけど、気がつけば漏れ出している。人間の五感恐るべし。
厄介な奴らにバレなかっただけ良しとしよう。
ちなみにその日、あれからさらに5人にバレた。
壁に耳あり障子に目あり : 隠し事をしようとしても、どこでだれが見たり聞いたりしているかわからないということ。秘密が漏れやすいことのたとえ。
風呂入る時に換気しようと部屋の窓を開け、戻ってくると部屋が地獄と化していました。
鼻と目にダイレクトアタック。
どうも、この季節に窓を開けるのは自殺行為、深夜翔です。
特に鼻が……息が出来んのですよ。
家の中でマスクしろってか?嫌だぁ…。
皆さん換気する時は充分に気を付けてください。
下手すると寝れない空間の出来上がりですから。
ではまた明日……さらば!




