鼎の軽重を問う
序列。
この学院ではそれが全てだ。
魔法力、剣術、使用武器。
何より大事なのは倒した魔物の数と種類。
戦闘力で大体の序列が決まった後は、魔物討伐によるポイントが加算されていき、順位を上げていくことができる。
これは実力が伴わない人を落とすと共に、測った以上の力を持っていた人に対する救済処置のようなもの。
それは序列の低い者にとっての最後の希望にもなっている。序列を上げて優位に立つために、生徒は皆日々努力している。
しかし中には圧倒的実力を持った者がいる。
『序列一位』
以下に強い魔物を倒し、順位を上げていっても辿り着くことは出来ない最強。他の追随を許さない圧倒的なまでの戦闘力。
この学院にはそんな最強が存在する。だが存在するだけで、その者を知っている人はいない。どんな人物で、どんな魔法や武器を使っているのか。ただ一つの正しい情報も無い。噂が独り歩きしている状態。
だからこそ、皆が夢を見る。
一体どんな素晴らしい人物なのか。どれほど強いのかと。
さて、それではその最強を覗いて見ましょう。
「………ふぁぁ」
その男子は窓際の席に座り空を見上げて欠伸をしていた。授業を聞く様子もなく、退屈そうに。
「ケイトっ!聞いているのかっ!」
遠くから先生の怒鳴り声。しかし呼ばれた当人は気にした様子もなく空を眺め続ける。
「でたよあいつ。いつもサボってばかりで言う事聞かないんだよな」
「どうせ雑魚がイキってんだよな」
クラスの中でも最弱。実力がはっきりとしていない入学1ヶ月のこの学院では皆がそう思っていた。
しかしそれは初めての中間実力テストで覆される。
『シャイフ・ケイト 序列一位』
学院内で最強と呼ばれる序列一位が、散々言われてきたケイト。張り出された当初は不正だ、ミスだと言われていた。
「てめぇ、一体どんな不正をしたんだ?」
ある日、学院内でも有名な男に目をつけられた。
ケイトがやってくると早速挑発から始まる。
「……誰?」
「なっ……てめぇ、俺の事を知らないだと?」
「知らないな」
この発言はミスであった。
まさに火に油。
怒りを顕にした男に、ケイトは決闘を挑まれる。当然、クラスの中でも不正だと言われていたケイトを味方してくれるものなどおらず、あっさりと決闘が通ってしまう。
「謝るなら今のうちだ」
「俺…なんで怒られてんの?」
「ちっ不正者め。その根性叩きのめしてやるっ!!」
その声が合図となって戦闘がスタートした。
ケイトがのんびり立っているところに男ーーカイが先制攻撃を仕掛ける。
「"ファイアアロー"」
中級魔法に属する魔法をかなりの速度で連射する。
「"黒炎獄"」
空が無くなった。
一瞬のうちに生まれたその炎に、見ていた者は皆そう思ったに違いない。
徐々に理解した者も、有り得ないと唖然する。
それは伝説魔法。世界一つ滅ぼしかねない神が使うとされる古の魔法。一瞬にして学院の空を埋めつくした炎が、ケイトの魔力である。
「な……なんだこれ…」
もはやそこには絶望しか残されていない。
カイすらも戦意喪失したその時、
「そこまでよ!辞めなさい!」
「……学院長」
突然に割って入った学院長により解かれた魔力で、空がいつもの日常を取り戻したよう。
「何してるの?!」
「……そいつが決闘って」
「…はぁ。なるほどね」
ため息を着いた学院長は、拡声魔法で周囲に呼びかける。
「いいですか皆さん!ここにいるケイトは紛れもなく序列一位です。それを肝に銘じて起きなさい!」
そしてへたり込むカイにそっと声をかける。
「あなた、何馬鹿なことをしてくれたのよ…。あの子は例の覚神竜を一撃で倒した人間よっ。暴走されたら私だって太刀打ちできないんだから…心臓に悪いことしないでちょうだい」
「……あの学院長。拡声魔法まだ解けてません」
「えっ?!あっ……その…あはは」
「はぁ」
ケイトのこの先の学院生活はどうなるのだろうか。
軽く見積もってもまともな生活にはならないだろう。そのお話はまだ語られるのかわからない。
鼎の軽重を問う : 1. 統治者を軽んじ、これを滅ぼして天下を取ろうとすること。転じて、上位の人の実力を疑って地位を覆し奪おうとすること。
2. また単に、その人の価値や能力を疑うこと。
すみません、少し時間が無いので手短に。
どうも、時間が後二倍くらい欲しい、深夜翔です。
原因は分かってますとも。
時間のあった昼間に寝落ちして昼寝してたからですハイ。なんで寝てるんだよ私はぁ!
ではまた明日……さらば!




