自己紹介、その2
「それじゃあ最後に倭鳥さん、自己紹介お願い。」
あの人倭鳥さんっていうのか…
そんなことより早く名前が知りたい…声が聴きたい…趣味が知りたい…
やばいな、俺。
倭鳥さんの事しか頭になくてほかの人の自己紹介聞いてなかった。
明日クラスの奴に話しかけられても、名前覚えてなくて絶対「あっ、あっ」ってカ〇ナシみたいになる…
無言で起立する倭鳥さん。
「倭鳥夢衣〈わとりむい〉です。趣味は寝ることです。よろしくお願いします。」
とても短い自己紹介を終えた倭鳥さんはささっと再び椅子に座る。
かあぁぁわいぃぃ~!!!
思わず声が出そうになった。
趣味、昼寝。最高やんけ。是非一緒にお昼寝したい…。抱き枕みたいにハグして寝たい。
あぁ、倭鳥さんめっちゃいい匂いしそう。肌すべすべなんだろうな…。
「さん…。有栖さん!」
はっ、なんかめっちゃ氷川先生に呼ばれてた。
「あ、すみません、すこしぼーっとしてました。っで、なんです?」
氷川先生は小さくため息をつきつつも、もう一度要件を教えてくれた。
「とりあえず号令係が決まるまで号令お願いしていい?」
ほう。俺に声を出させる奴(先生)は初めてだ。面白い担任だな。ここはひとつ受けてみよう。
少し躊躇いはしたが、その気になった俺は「わかりました。」と返事を返す。
「じゃあ早速お願い。」
「起立、礼。さようなら!」
浮かれて速攻帰ろうとする俺。
「待って待って、これから帰りのSHRだから!」
だが先生に大声で止められた。
あぁ、またやってしまった。俺は再び顔を赤くして席に座る。
「乙女だ…」こちらも再び。
「起立、礼。さようなら。」
そんなこんなで今日の学校は終わった。はずだった。
みんなが帰り終わってから俺は恵梨と美鈴が待つ車に向おうと教室で待機している時の事だった。
「ねぇ!有栖君って男なの!ち〇こついてんの!?」
んん!?いきなりなんだこいつは。というか女の子がち〇ことか言ってんじゃねぇ。そもそも誰だし。
自己紹介とか倭鳥ちゃんのしか聞いてなかったし。
俺は声が聞こえた方、後ろを振り返る。
こいつも背低いな。だが、抱き枕にはできそうにないな、うるさそうだ。
金髪ポニテのそいつは俺をガン見していた。詳しく言うなら俺の下半身を。
「男だが、なにか用でも?それとあまりじろじろ見ないでくれないか?下半身。」
俺は笑顔で返事を返す。
「はぇ~、本当に男なのか。って騙されるとでも思ったか!!
お前本当は女だろ!声低いの気にしてんのか?うちもそろそろ声変わりするから気にすんな!」
え!?まさかこいつも俺の同類なのか!?
下半身見つめられながら語るのは納得いかなかったが、そうか、こいつも同類なのか…胸もないし。
でも、こいつは俺と少し違って自分は女と思い込んじゃってるタイプなのか?
ん~、よくわからん。でも同類ということにしておこう!
「俺は男だ、いや~、でもまさかこんな所で同類に会えるとは思わなかった。
これからよろしくな、えっと…」
やべえ、名前分からないんだった。
「同類!?やっぱお前女か!これからよろしくな!有栖ちゃん!
うちは山城白〈やましろはく〉!白で良いぞ!その代わりうちも涼花ちゃんって呼ぶね!」
勢いがすごい。俺は男だが…もうめんどくさいから勝手に女ということにさせておこう。
「よろしくな。」
こうして俺の学校生活一日目は終わった。
う〇こ我慢しながら書いてた4話目が15分で30人もの人に見てもらえてました。
うれしいです。読んでくださってありがとうございます。




