覚悟のドア。
俺にはモードがある。
何言ってるかわかんねーかもしれねーが、俺にはモードがある。(大z…ry
中学三年間で身に染みついてしまったこのモードを無くすのも高校生活での目標だ。
車を降りた瞬間に俺はモードに入っている。
【学校モード】だ。簡単に言えば猫かぶりモード、ってところかな。
モード化した俺は美鈴と恵梨と別れ、校舎外、昇降口付近にある掲示板にクラスを確認しに行った。
掲示板の前には既に人だかりは無くなっていた。
時間的にここに着いたのが結構ギリギリだった。
恵梨がここに来る、ということで特別に俺だけ少し遅れてくることをいつの間にか美鈴が許可してもらっていたのだ。
いつもまぁよくやるよ…
だがいつまでもここで突っ立ってる場合じゃない。
遅刻を許可してもらったとはいえ、俺一人のために皆を待たせるわけにもいかない。
えーっと、俺のクラスは…っと。
見知らぬ名前の中でも自分の名前を探すのは思ったより簡単だった。あった、三組か。
この学年、何故か人が多い気がする。六組まである。
他校が何組まであるのか知らないし、中学の頃は三クラスしかなかったせいで異様に多い気がする。多分どこも似たようなもんなんだろう。
昇降口で上履きに履き替え、すぐ近くにあった階段を上がる。
一年は三階にクラスがあるらしい。二年は二階で三年が一階。あの人が探しやすくなってていいね…
ただ一つ問題はあるけども…。
三階まで上がってきた。
(思ったより階段がしんどい。でも今はそんなことより三組三組。
一組、二組、三組。ここか…)
廊下を進むにつれて緊張していくのが分かる。
とうとう来てしまった。青春の扉が今、目の前に。とは言っても今の俺に同級生など眼中にない。
俺の頭にはあの人でいっぱいだ。高校見学で見たあの人。名前すら知らないが、俺はあの人に惹かれてしまった。身長は140センチくらいだっただろうか、あの可愛らしいサイズ。忘れもしない。
俺と並んだら滅茶苦茶映える。もちろん彼女が。
それにあのさらさらで綺麗な茶髪。腰まであったあの髪。
(はぁ、俺もあんな人と同級生になりたい人生だった…。あの人と同い年の奴らみんな恨む。)
はっ、ついクラスの前で我を忘れてしまっていた。
じゃあ入るか…
気持ちを整え、覚悟を決めて目の前のドアを開ける。
案の定みんなこちらを見る。
普通なら新しく入ってくる仲間を見るよな。
黒板に書かれた席を確認する。
まさかの一番前。廊下側の。まぁ苗字が有栖だし大体この位置だよな。分かってはいたけど。
俺が教室の扉を開けてから席に座るまで僅か十秒。この間、クラスは時間が止まったかのように静かになっていた。
だが席に着いた瞬間、教室中が騒めく。
「おい…あの人…」
「あの人はやばいぞ…」
「すごくきれいな肌…」
騒いでる割に言われることはいつも通りだな。
だけど俺もいつも通り滅茶苦茶恥ずかしい。
ガラガラ。俺が席について数秒してから教師が来た。「適当に二列で廊下に並べ。今から入学式だ。」
俺が教室に入ってから廊下に並ぶことになるまで一分。
結構ギリギリだったんだな…
っていうか恵梨と美鈴が保護者席に座ってて何も起こらないわけがない。
そこが一番怖い。
恵梨はともかく、美鈴が問題だ。
あいつは世界的に有名な歌手だし…。
俺の姉は両方有名人だ。なぜここまでになったのかはマジでわからん。
さらに言えば、恵梨と美鈴が姉妹ってのはそもそも公にしてない。
それだけでもやばいのに、更に弟まで居る、となると俺が目を付けられないわけがない。騒がないわけがない。
そんなこんな気にしていたら体育館まで歩いて来ていた。
そして中に入る。
あれ?騒がしくない…。んん!?思わず二度見してしまった。
美鈴と恵梨は完璧に変装しきっていた。
ここで俺が下手に騒ぐと今後の学校生活に影響するからおとなしくしていよう…
俺らは用意された椅子に座る。
全クラス揃ったところで、教頭と呼ばれた若い女性が中央に用意されたマイクに向かって語り掛けた。
「え~、これから入学式を始めます。」
宣言通り、入学式が始まった。
勢いで書いてます




