表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/18

第5話:500万ptの散財!迷宮にそびえ立つ『白亜の神殿(※プレハブ小屋)』と、黒き神の血(※コーラ)

「主よ……今日の分の『超振動』はまだか……?」


テントの中で、魔王軍第七軍団長たるエレノアが、完全にだらけきった顔で俺の袖を引っ張っていた。

あの強力マッサージガンを手に入れてからというもの、彼女はすっかりダメ魔族になってしまった。だが、今の俺には彼女を甘やかすだけの圧倒的な財力(500万pt)がある。


「わかったわかった、後でやってやるから。それよりエレノア、少し外に出ててくれ。この拠点を『進化』させる」


俺はエレノアをテントから追い出し、光る板を開いた。

500万pt。これだけあれば、もうこんなビニール製のテントで寝泊まりする必要はない。俺は『住宅・エクステリア』という、これまで見たこともない高額カテゴリーを開いた。


そこにあったのは、四角くて白い、立派な建物の絵だった。


【仮設プレハブ小屋(エアコン・小型発電機セット) 特価:1,500,000pt】


「これだ……! 魔物も雨風も完全に防げる、鋼鉄と白壁の要塞!」


俺は震える指で『購入』を押し、さらに『家電』カテゴリーから【業務用大型冷蔵庫(300,000pt)】もポチった。

迷宮の奥深くにある異次元ロッカーから出てきたのは、巨大なカプセルだった。説明書(※読めない)の絵の通りにカプセルのボタンを押すと——


——ズゴゴゴゴゴォォォォンッ!!!


地響きと共に、迷宮第十層の薄暗い空間に、真っ白で巨大な四角い建物(プレハブ小屋)が物理的に出現した。

さらに、その中には銀色に輝く巨大な箱(冷蔵庫)まで鎮座している。


「な、ななな……なんじゃこれはぁぁぁっ!?」


外で待っていたエレノアが、あまりの衝撃にマッサージガンの禁断症状も忘れてへたり込んだ。


「何の前触れもなく、これほど巨大な『白亜の神殿』を召喚したというのか!? アルト、貴様……空間魔法の極致すらとうの昔に超えているぞ! この銀色の箱からは、恐ろしいほどの『冷気』の魔力を感じる……!」


俺は発電機のスイッチを入れ、プレハブの中に照明を灯した。

そして、残りのポイントで大量の食料を買い込み、冷蔵庫の中に並べていく。

その中から、俺は一本の『黒い液体が入ったペットボトル』を取り出した。


【コーラ(500ml) 特価:150pt】


もちろん、キンキンに冷やしてある。

俺は蓋を開け、『プシュッ!』という小気味よい音を響かせた。


「エレノア、開店祝いだ。飲んでみろ」


俺はグラス(※紙コップ)に、シュワシュワと泡立つ漆黒の液体を注ぎ、彼女に差し出した。


「こ、これは……? 漆黒の液体が、常温で沸騰している……? まさか、伝説に聞く『暗黒竜の血』か……!?」


エレノアはゴクリと唾を飲み込み、恐る恐る紙コップに口をつけた。

そして、一口飲んだ瞬間。


「…………ッッッ!!!!」


彼女の赤い瞳が、限界まで見開かれた。


「な、なんだこの口の中で弾ける無数の氷の刃は!? なのに……喉の奥を通る時には、暴力的なまでの甘露に変わる! 脳髄を直接揺さぶられるような、この圧倒的な快感は……っ!!」


エレノアはそのまま紙コップを一気飲みし、「ぷはぁぁぁっ!!」と親父のような声を上げて涙を流した。


「アルトぉぉ……! 私、もう一生ここから出ない! この『神の血』を毎日飲めるなら、魔王軍なんてどうでもいい……!」


最強の魔女は、冷えたコーラとマッサージガンの前で、完全に陥落した。

こうして、迷宮第十層にそびえ立つ白亜の神殿プレハブにて、俺の本格的な『異世界コンビニ』がグランドオープンしたのだった。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

少しでも「面白い」と思っていただけましたら、

下の『★』で評価や、ブックマークをしていただけると、執筆の大きな励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ