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我が青春は前線に

 さて私、エルザ・ローズ『連邦』陸軍の新兵…とはいえないが、まだ職業軍人としては笑えるほど下っ端の伍長だ。


 故郷、『連邦』から陽没海の遥か彼方の東。5918年に一人のアホが火を着けた大戦争も間もなく終わろうとしている。


 参戦以来、通商ルートの保護と北陽没海同盟軍の工場を担ってきた我が国だが、戦後を見据える段階になり『戦果』が足りないことに焦り始めた。

 もちろん北陽没海同盟の一員として貢献してはいるが、戦線に立ち、倒れ伏すほとんどは『共和国』『王国』の将兵だ。星央大陸での戦争という言い訳もできる…実際、我が『連邦』も後方からの支援に注力するためと出兵を渋ってきた。しかし、『血を流す者、意を発す』の諺が示すように、パイ(賠償)の取り分を考えると立場が危うい。


 そこで星央大陸へ派遣されるのが私達、『連邦』外征軍だ。私達の第二歩兵師団はその先鋒として護衛を受けつつ、陽没海を輸送船に揺られている。

 ついさっき甲板から洋上を見れば日輪を戴く杖、北陽没海同盟には非加盟だがこちら側に立つ国の駆逐艦が勇ましく煙を吐いていた。東陽の島国から遥々艦隊を送り込んだ彼の国も、事情は我が国と同じだ。星央列強に認めてもらおうとしている。


 まあ、ほとんど新聞と上官の受け売り、個人の勝手な意見だがどうせ日記だ。無言の帰国でもしない限りは誰も読まないだろう。願わくば帰りの船で海へ投げ捨てられることを祈って。

 

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