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プリンセス達の花詩集  作者: 白百合三咲
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桃の花のドレス 第7話

 祝言は桃の花が満開の庭園で行われました。巫女が祝詞を読み上げると雛子が帝と共に盃を交わします。

 披露宴も引き続き庭園で開かれます。葵のバイオリンを奏で桃香と月子が扇子を片手に踊ります。それは日本舞踊ではなく西洋式の舞踊でした。

「雛子様も一緒に踊りましょう。」

新郎新婦席に座る雛子の手を桃香が取ります。雛子を真ん中に3人は右手に扇子を持ち左手でドレストの裾を掴み回転します。ドレスの裾が花びらのように翻ります。その様子を招待客に混ざり美代子が見守っていました。

「雛子姫様も官女達も素晴らしいわ。短期間で自分の物にしてしまうなんて。」

美代子の隣でアンジュ王女が呟きます。バイオリンや西洋舞踊を雛子達に教えたのはアンジュ王女でした。



「雛子姫様、本日はおめでとうございます。」

披露宴が終わるとアンジュ王女がマリアンヌと共に改めて挨拶に来ました。

「雛子姫様、ドレスがお似合いです。」

「マリアンヌ殿、そなたのドレスのおかげで素晴らしい祝言になった。礼を言う。」 「ありがとうございます。」  

「ありがとう。」

「世話になったな。」

官女3人もマリアンヌにお礼を言います。

「それからそなたにも感謝しておる。美代子殿。」

「わたくしですか?」

「ああ、そなたのおかげで再確認できた。妾を心から慕ってくれる友がいる事を。」

雛子は官女達に目をやります。

「ありがとう。美代子ちゃん。だけどこれで美代子ちゃんとお別れか。」

桃香が寂しそうに呟きます。

「また何かあればお呼びになって。また来るわ。でも」

美代子は何か困った事があるそうです。

「どうやって帰ればいいのかしら?」

美代子は桃香に尋ねます。桃香は連れてくる事はできても元の世界に返す事はできないのです。

「それなら心配ありませんわ。」

マリアンヌはアンジュ王女が羽織っているショールを取ります。

「美代子さん、これをつけて。このショールは行き先を言えばその場所に連れて行って下さるの。」

アンジュ王女とマリアンヌは今日このショールで桃国に来たのです。

「でもそしたらアンジュ王女様が帰れないのでは?」

「案ずるな、二人は月子に送らせる。」

雛子が月子の方を見ます。良いな?と言うように。月子も笑顔で頷きます。

美代子はマリアンヌに桃色のショールをつけてもらいます。

「美代子ちゃん、また会いましょう。」

桃香が美代子の手を握ります。

「勿論よ!!お願い!!宮家のお屋敷へ戻して!!」

桃香とのお別れを済ませると行き先を告げます。美代子は再び光に包まれました。






「お母様、お母様!!」

美代子は娘の桜子に体を揺すられ目を覚まします。

「お母様ったらこんなところでお昼寝されてる。」

そこは見慣れた屋敷の居間でした。今までの出来事は夢だったのでしょうか?

「お母様、どうしてドレスなんて着てらっしゃるの?」

美代子は姿見で自分の姿を確認します。鏡にはマリアンヌからもらったドレスを着ています。

「お母様、見て下さい!!桃香ちゃん達が可愛いドレスを着ています!!」

美代子が雛壇に目をやります。一番上の段のお雛様は桃の花がついたウェディングドレスを着ています。3人官女達は色違いのドレスに白いフリルのエプロンを着ています。ドレスは桃香が桃色、葵が水色、月子が黄色です。胸元と髪には桃の花を飾っています。

 先ほどまでの出来事は夢ではなかったのです。


                  FIN

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