83 閉門したので野営します
「ステーキとは違うな。野菜か? 普段はあんまり食べないけど、それは美味そうだ」
「新しい料理? 俺も食べる〜」
「どれどれ? あっ、美味そー。俺にも分けて」
「まだ入るんですか?」
「全然余裕。まだまだ食えるぞ」
「まじか……。」
追加で野菜炒めを作る。材料が増えたので野菜を切るのに時間がかかる。暇な時に下準備をするようにしよう。じゃないと料理の時間が大変過ぎる…。
私の分はアイテムボックスに仕舞って、4人分の料理を作る。フライパンを振るのに身体強化を使って頑張っている。3つのフライパンを1人で振るのは重労働だよ…。
4人は新しい料理にワクワクしているのか、私のまわりをウロウロしている。ササッと炒めて完成させたら、皆の皿に盛る。今回もいい出来だ。ニンニクの香りがしっかり立っている。
「これも美味しい〜!!」
「野菜は青臭くて嫌いだったけど、これなら食べられるな…」
「シャキシャキでいいな。肉もたくさん入ってるし」
「……」
無言で食べ続けるミーヤさんが怖い…。まぁ、気に入ってもらえたならよかったよ。
食べるスピードがゆっくりなので、私もようやく食事をする。肉も野菜も美味しいよ…アレ、デジャヴかな…。
全員が満足するまでしっかり食べたあと、今後の予定を話す。途中からそうなるかなーって思いながら作っていたけど、やっぱりそうなった。
いつの間にか、辺りは暗くなっていた。閉門しちゃったよ……。
宿を取っていたのにね。閉門前には戻ろうって話だったんだけど、皆忘れていたみたい。
「アイテムバッグの中にテントとか全部入っているだろ?」
「入ってるよ。このまま野営で大丈夫」
「手分けして準備しよう。分担はいつも通りで」
「「「了解」」」
テキパキしてるなー、と観察していた。私の分は土魔法ハウスにするつもりだ、寝るだけなので小さな箱にしよう。
まだ時間があるので、さっきやろうと思った野菜の下準備をする。
ダンジョンで採取した野菜の種類は結構多い。私以外にもたくさんの人が採取をしているが、そのほとんどが冒険者見習いらしい。
彼等が採取した野菜はギルドを通して街の八百屋などに卸される。大金にはならないが、見習いにとっても街の住人にとっても大事な仕事だ。
そして、それが出来るだけダンジョンで採取出来るものの種類が多いってことだ。私としては大助かりだよ。今のところわかっている野菜の種類はこんな感じだ。
6階層
じゃがいも・人参・玉ねぎ・大根・ごぼう
7階層
ニンニク・生姜・カブ・さつまいも・こんにゃく芋
8階層
キャベツ・白菜・レタス・ほうれん草・甜菜
9階層と10階層はまだわからないけど、新しい野菜は5種類くらいずつ追加されるみたい。何が採取できるのか楽しみだし、料理の幅も広がりそうだ。
本当は砂糖作りを今すぐに進めたいんだけど、まずは明日のご飯だ。野菜はあっても、調味料は塩しかない。すぐに食べられるものといえば、どうしても野菜炒めになっちゃう。
そういえば、バター作りもやろうと思っていたんだ。何気にやる事が多いな…、順番に終わらせよう。
ジャンさんが焚き火の準備をしてくれたので、近くで下準備の続きをする。4人もテントの設置などが終わったようで、焚き火のまわりに集まった。
「簡単なことなら手伝えるけど、何かある?」
「洗ったり、皮剥きしたりですかね。」
「食べるところがなくなるぞ」
「ニンニクと玉ねぎなんで大丈夫です。お願いしていいですか?」
「オッケー!」
お風呂用盥に水を入れて、洗ってほしい野菜を出したらあとはお任せだ。野菜を切る前に鍋でレッドボアの骨を煮る。出汁が出れば塩味Onlyから改善できるんだけど…。
使いやすい大きさに切ったり、葉っぱをむしったり、細々とした作業を続けた。
そろそろ竹カゴを編むのもやらなきゃ、入れ物が足りないな。今はアイテムボックスに突っ込んでいるけど、出す時がちょっと大変そうだ。ミーヤさんがやりたがっていたから今度手伝ってもらおう。
食材が増えたおかげで、やる事もめちゃくちゃ増えたな。生きるために必要な事だったけど、少しでも豊かになるなら頑張れそうだ。
明日の採取も何が採れるか楽しみだな。




