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第一章
―あなたにはきっと理解らない
「ねぇ、桜の彼氏ってどんな人?」
とある昼休み。
唐突な親友、雅の問いかけに私は卵焼きを食べようとした体制のまま固まった。
今、私達がいるのは人も疎らな中庭の隅っこ。
担任に呼び出しを食らった雄大がいないため、二人でお弁当を広げてる。
「……何、突然」
「今まで聞いたことなかったから」
いや、確かに話したことないけど突然すぎでしょ。
そう突っ込みたくなるのを卵焼きと一緒に飲み込んで、イチゴミルクを飲む雅を見つめた。
今まで全くと言っていい程、雅は恋ばなとかに参加しない子だった。
あのバカ雄大のバレバレな態度にすら、気付かなかった程の鈍感さん。
まぁそこが雅の可愛いとこなんだけど。
そんな雅に今みたいな問いをされたのは今日が初めてで。
私は正直戸惑ってしまった。
「知りたいの?」
雄大と付き合い出したからだろうか。
雅の脳内は最近ピンク色らしい。
私の問いかけにものすごい勢いで頷いている。
「ん〜……ないしょ」
「え〜〜!?」
雅が抗議の声をあげるけど、軽く無視してお弁当を片付けた。
ごめんね、雅。
まだちょっと話しづらいんだ。
私はむくれてしまった雅の頭を撫でながら、心の中で謝った。




