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土御門邸のこと

そういえば、私の七十算の修法のお話をするのを忘れていましたね。長保3年(1001年)のことでしたから、倫子の末娘、嬉子の産まれる6年も前のことですよ。


私が動かなければ、道長さまは倫子の婿になれなかったし、この土御門邸をわがものとして使えなかったし、源の雅信さまの後ろ盾も得られませんでしたからね。土御門邸は、雅信さまから倫子に贈られた倫子の持ち物なのです。彰子が土御門邸から入内したことで、倫子は従二位を賜りました。まったく、道長さまは、よい妻を得られたものです。


そんなわけで、道長さまは、私の言うことは何でもきちんと聞いて実行してくださいましたよ。


その私の七十算の修法ですから、高名なお坊様をたくさん呼んで、それはもう高価な品々をお坊様にもお祝いに来てくださった方にも贈って、何とも華やかな会にしてくださいました。


令和の世では、70歳の方など、珍しくもなんともないのですが、平安時代には、珍しくめでたいことですからね。


同じ年に、詮子さまの四十の賀も土御門邸で行われました。土御門邸、大活躍です。


その詮子さまより、素敵な物語の紹介がありました。私の良く知っている「源氏物語」です。なかなか大人にならない彰子も、この物語を読めば、恋する乙女になるでしょう。さっそく道長様に頼み、作者を彰子の女房にするよう手配を頼みました。さすが道長さま。この作者は、藤の式部(後の紫式部)という女房名で、彰子のもとにお仕えすることになりました。

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