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人生で初めてと言える「大好き」という気持ちを大切にしたい2人
-59 涙の理由-
恋人が涙を流す中、折角の朝食が冷めると勿体ないと思った裕孝は香奈子にティッシュを数枚渡した。
正直言うと自分の気持ちをそのまま打ち明けただけだった為に動揺していたのでどうすれば良いか分からなかったのだ。
香奈子が裕孝の膝で泣き崩れると裕孝は人生で初めてだと言う位に焦った。
裕孝「どうして泣くの?」
香奈子「こんなに嬉しくなったの初めてなの、大好きなの!!とにかく裕孝が大好きなの!!」
香奈子は裕孝に跨りながらボタボタと大粒の涙を流していた、裕孝は恋人の涙を顔全体で受け止めていた。
裕孝はどうすれば良いか分からなかった、目の前の女の子を泣かせてしまった事に罪悪感を感じていた。
香奈子「ごめん・・・、ずっと泣いてる女なんて嫌だよね。」
裕孝「嫌じゃないよ、嫌だったらプロポーズなんてしないよ。」
香奈子「ありがとう・・・、嬉しい・・・。」
香奈子が涙を流しながら唇を近づけると裕孝が応える様に唇を重ねた、2人はお互いの体温を感じ合っていた。
裕孝「ねぇ、俺も今以上に香奈子の事を好きになって良いか?愛しても良いか?」
香奈子「嬉しい、一生その台詞を聞く事が無いと思って無かった。」
裕孝は香奈子の言葉に深い意味がある様に思った、ただ思い出したくない位辛い過去なのかも知れないと思い深く掘り下げるのはやめた。
しかし、意外にも香奈子の方から過去を語り始めた。
香奈子「私ね、小学生の時いじめが理由でずっと不登校だったんだ。学校に行くのが怖かったの、両親からはしつこく行く様に言われていたけど行ったら行ったで恐怖が待ってると思うと足が動かなくてね。家の中だけが、いや自分の部屋だけが安心できる世界に思えた。罪悪感を感じながら両親にずっと仮病で休むって嘘を言ってたけど、自分を守る為には仕方なかったのよね。
それからは本が唯一の相手だと思って本の世界に没頭した、本を読んでいると嫌な事を忘れることが出来ていた。
ただそれまでは本が私にとっての唯一の救世主だったけど裕孝と出逢ってからは自分の中で裕孝が一番の救世主になってた、ずっと裕孝に会いたくて仕方がなかった。
その裕孝と一生歩んで行ける、そう思うと本当に嬉しくなっちゃって。裕孝の為なら何でもしようって決めたの、私裕孝と一緒に歩んで行きたい!!本当に・・・、大好き!!」
長々とした台詞を言った後に香奈子は裕孝に抱き着いた、数分程抱きしめた後に深くキスをし始めた。
それから数分後、垂らした唾液を拭いながら顔を離した。
香奈子「幸せ・・・、大好き!!」
裕孝「俺も・・・。」
香奈子「あっ・・・、ご飯食べようか。」
既に冷めてしまったご馳走を電子レンジで温めなおして食べ始めた、裕孝は食べ終わった後に最寄りの駅まで香奈子を送って行った。
香奈子「今日はありがとう、これからずっと好きでいさせてね。」
裕孝「勿論だ。」
香奈子が乗る電車がホームへと入って来た、そこら中にブレーキ音が響く中2人は涙を流しながらずっと抱き着いてキスをしていた。
香奈子「離れたくない、我慢できない!!」
裕孝「俺も・・・。」
2人は再びキスをした、舌を入れる濃厚なキス。
車掌「お客様・・・、乗らないのなら行きますが?」
香奈子「すみません、乗ります。」
香奈子が列車に乗り込んだ後、汽笛が鳴った。
香奈子「また、大学でね。」
哀愁ある背中を見せる裕孝




