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レベル1の最弱勇者 ー僕だけレベル1のまま、四人で魔王城の最奥へ挑む物語ー  作者: 直助
第四章 魔王城・決戦

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壊滅

 その奥に。



 ――立っている。



 剣を持つ影。


 構えず。


 ただ、こちらを見ている。




 魔王。


 


 ヒナタは、一歩踏み出した。


 ――気配が、ない。


 

 敵意も。


 殺気も。


 圧も。


 


 そこに立っているのに、何も感じない。




(……強いのか?)


 判断が、つかない。



 だから。


 距離を詰める。


 

 一歩。


 また一歩。


 

 魔王は、動かない。



 間合い。


 

 ヒナタが、踏み込んだ。



 速い。


 斬撃。


 連続。


 最後に――


 一閃。


 ――通った。


 


 確かに。


 


 だが。


 

 硬い、わけではない。


 防がれた感触もない。



 それなのに。


 削れていない。


 

 刃が、通っているのに。


 何も、失われていない。


 

 今まで、感じたことのない感覚。


 


 ステラが、間を置かず術式を放つ。


 

 閃光。


 直撃。


 

 ――同じ。


 通っている。


 だが、減っていない。


 


 魔王は、視線を動かさない。



 そして。


 

 剣を、横に振った。


 

 ただ、それだけ。



 ヒナタの動き出しが、遅れる。


 防御姿勢。

 後方へ跳ぶ。

 ――遅い。


 衝撃。


 剣越しに、叩きつけられる。


 体が、浮く。



 同時に。


 斬撃と共に、閃光が走る。



 ステラの防御壁が、間に合わない。


 直撃。


 ステラ。


 セレネ。



 二人の体が、弾かれる。


 床を、転がる。


 息が詰まる。


 

 立ち上がる。



 だが。


 

 すでに、削られている。


 半分近く。


 



 魔王は、変わらない。



 気配がない。


 殺気がない。


 


 ヒナタも。


 ステラも。


 戦闘を重ねる中で。


 その感覚を、研ぎ澄ましすぎていた。


 だから。


 “何もない”動きに、反応できない。


 

 一瞬。


 いや。


 それ以上、遅れてしまう。


 

 セレネが、治癒を放つ。


 淡い光。


 

 次の瞬間。

 魔王が、踏み込んだ。


 一閃。

 衝撃。

 光。


 ヒナタの体が、吹き飛ぶ。

 防ぎきれない。


 床に叩きつけられる。


 

 ステラ。


 セレネ。


 閃光が、直撃する。


 立っている。


 だが。

 それが、やっとだ。


 


 ヒナタは。


 立てない。


 床に伏したまま、動かない。




 魔王は、止まる。


 追わない。


 構えない。


 そこに、立っているだけ。




 ――残っているのは。


 ミドだけだった。



 倒れている。


 ヒナタが。


 立ってはいるが、動けない。


 ステラと、セレネも。




 誰も、声を出さない。


 時間が、止まったようだった。




 ミドは、前に出ない。


 走りもしない。



 ただ。


 足を止めたまま。



 逃げる理由は、もうなかった。


 そして、初めて。



 剣を、抜いた。



 音が、静かに響く。


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