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奴隷剣闘士からの解放  作者: 午後のミズ
魔法王国 魔法学園編
9/18

第8話 初入国 魔法の国 光聖王国

翌朝、太陽が昇りしばらくしてから起きた。昨晩は夜遅くに国の前に着き、夕飯を摂り、野宿をした。遅くに寝た為か起きる時間がいつもより遅くなってしまった。

 師匠は起きていて長刀を振っていた。


「おはよう、師匠」


「おう、おはようキール。よく眠れたか?」


 長刀を腰の鞘に納めてこちらを見た。


「ああ、疲れていたからよく眠れた。今日は入国するんだろ、早く準備するわ~」


 朝食を摂り、手早く荷物をまとめすぐに出発できるようにする。

 持ち物、腰のナイフのみ準備よし!


「準備いいようだな、行くぞ」


 荷物をまとめ、馬に乗った師匠が来た。並んで歩き出す。天気は文句ない快晴。気持ちがいいそよ風が国までの草原を撫でていく。



 少し歩いて国の城門の目の前に着いた。

 魔法の国の城門は茶色のレンガ造りで上を見上げるとのけ反って首が痛くなってしまう程だった。


「あの~、こんにちは。入国したいんですけど…」


 師匠はおずおずと門の前に立つ二人の門番に話しかけた。なんだかやけに腰が低い…。コミュ障なのか?全身に鎧を纏い腰に剣を下げた屈強な兵士が立っていた。一人がこっちを見て笑顔で言った。


「こんにちは。旅人の方ですね。光聖(こうせい)王国へようこそ。中に入って入国許可証をお書きください」


 門の横の小屋に案内され中に入ろうとする。

 すると、師匠の剣を見て驚きの表情をした後、直立不動の敬礼を師匠に向けて行った。

 それは日々の訓練がよく窺える見事なものだった。


「大変失礼いたしました!剣聖 ガレリア様だったとは、すぐに門をお開け致しますので少々お待ちください」


 そういうと兵士はもう一人の兵士になにか言うと小屋の中へ急いで入っていった。


「おい、どういうことだよ。剣聖 ガレリア様って」


「あっちゃ~、やっぱり隠しとけばよかったな。まさか兵士たちにまで知れ渡っていたとは」


 師匠は隠し事がばれてしまった子供みたいに落ち込んで言った。


「答えろよ」


「いや~、この国に来た時に王様に強さを見込まれて魔王討伐を頼まれちゃってさ~」



 師匠は衝撃の事実をあっけらかんと言った。え?なに魔王討伐って?師匠ってそんな強かったの?

 もう突っ込みさえ、驚くことさえ忘れて呆然としていると目の前の門が大きな音を上げながら開いた。


 ゴゴゴゴゴゴッ


 国の中には城門から国の中へ兵士が左右一列に列を作り並んでいた。そして剣を上に掲げアーチを作った。

 師匠は「大事(おおごと)になっちまったな~」とか頭をポリポリ掻きながらその中を通っていく。

 俺はなんとか師匠の後ろについていく。歓迎されていることは分かるんだが、予想外にすごいことになってしまって内心がくがくであった。

 兵士のアーチを抜けると豪華な馬車があり、横に立つ兵士が言った。


「入国すぐで申し訳ありませんが、国王様がお会いしたいと(おお)せられているので、こちらの馬車にお乗りください」


「ええ~、俺疲れてるんだけど」


 師匠がゴネだした。


「師匠!子供じゃないんだから馬車に乗って王様に謁見しようぜ」


 その時、空から声が聞こえた。


「フフフ、変わってませんね。ガレリアさん」


 若い女性がフワッと俺たちの目の前の地面に足をつけた。


「お久しぶりです。剣聖ガレリアさん。ワガママを言ってはいけませんよ、あなたは剣聖なのですから王様にご挨拶しなければ」


「おお!久しぶりだなスピカ。うるさいな、疲れてんだよ」


「休むのは謁見の後です。もう、早く乗った乗った」


 そう言うと、兵士に馬車の扉を開けさせ師匠を押し込み彼女も乗った。俺もあとについて乗り込む。

 豪華な馬車の中は、高級な布張りの柔らかな椅子が対面にあり師匠と俺、対面にスピカさんが座った。


 そして、御者は窓越しに俺たちが乗るのを確認しゆっくりと走り出した。

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