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6月28日(3)

趣味で書き始めました。

読む前に、以下の注意に目を通してください。


【注意事項】


・ハーレムなし。

・デスゲームなし。

・俺tueeeは少なめ、チート能力は多め。

・読みづらい。

・残酷な描写や暴力表現あり。

・この作品はフィクションであり、実在の地名や人名とは一切関係ありません。

 少女に付近の店に隠れているように指示を出す。

健介の前方、クリスタル広場に巨大なサソリに似た生き物が現れた。

その顔には鋏角の代わりに、人間の顔が二つ並んでいる。

尾で天井すれすれまで持ち上げながら、一対の触肢で男の死体を二つに割ると、二つの口に器用に放り込んだ。



 健介は刀を虚空から取りだし、サソリに向かって駆けだした。

サソリは咀嚼しながら鋏を構え、走る怪人に光の矢を撃ち出す。

光弾は踏み込んだ健介の背後を通り抜け、地面を穿つ。

健介は掲げられた左触肢に、刀を振るう。


 左鋏は俎上の大根のように、途中で真っ二つにされた。

サソリは報いを与えるべく、長い尾を真紅の異形に突きこむ。

触肢の断面からは、古びた雑巾のような臭いの黄色い液体が噴き出している。

それが左肢の動きに応じて、広場の壁といわず、床といわず、あらゆる所を黄色で塗りつぶした。


 健介は返す刀で尾を弾き、サソリの顔の前に火球を生み出す。

火炎球は一瞬縮まり、まもなく炸裂。広場内を黄色の閃光が満たす。

炎の勢いが緩むと黒焦げた顔が向こうに現れた。

壊死した皮膚の中、四つの眼だけが光るように白い。

右の触肢が振り下ろされると、地面と天井に亀裂が走った。


 裂け目を作っているのは、鋏から放たれた波動。

緑色の波は誕生した瞬間に健介を吹き飛ばす。逃れようと身を捩った怪人は、近くの店舗に転がっていく。

連続で襲い掛かる衝撃は、おろし金で削られているようだった。

波は厚い胸板を削っていったが、致命傷には至らない。

健介が通路に戻った時には出血は止まっていた。


 再び健介と対峙したサソリは黒焦げた顔を歪め、魔力を籠めた叫び声をあげる。

対象の鼓膜を破壊し麻痺させるそれを、霊的感覚によって健介は味わった。

たまらず崩れ落ち、健介はサソリの前に転がる。


 倒れ込む赤い巨躯に、サソリの足が突き立つ。

残った右の鋏が身体を抑える。バランスを崩していたが幸い、気絶は回避できた。

二つの口が噛みついた時、真紅の体表が燃え上がった。

体表を這う炎は爆発となり、サソリの頭部を再び吹き飛ばす。爆風で健介の体躯が持ち上がり、地面に亀裂が走る。


 健介はふらつきながらも、再び立ち上がった。

頭の中で鐘が鳴らされているようだったが、音をあげている暇はない。

健介は虫の息になったサソリに近づくと、全体重を叩きつけるようにして、右フックを浴びせた。

右触肢の震えが止まった。



 サソリの身体が消滅すると、周囲に漂う気配が薄くなった。

健介は後ろに引き返し、先ほどの少女を捜索する。

少女はすぐに見つかった。彼女は両耳と鼻から血を流し、力なく身を横たえていた。

手を伸ばし、体を揺するが応答はない。


「おい、しっかりしろ…死んでねーよな!?」


 背筋に冷たいものが走る。

健介は少女の身体をひとまず抱え上げた。

移動しなければ。広場の出口を探している暇はない。

トンネルまで引き返して、救助隊に保護してもらう。


――ここまできて、死ぬな!


 健介が改札に向かって駆けだした時、少女の身体が炎に包まれた。

呆然となった健介の足が止まった。

炎はあっという間に収まり、少女は目を覚ます。

出血の痕は、少女の顔から消えている。気が付いた少女は再び喚き始めた。

健介は硬直したまま、目の前の少女を見ていた。


「…終わったぞ。後は出口を見つけて終わりだ」


 状況の説明を求めた少女を降ろし、健介はこれからの行動を告げる。

健介が手を引っ込めると、少女はゆらりと歩き出した。

少女の案内を受けながら、変身を解いた健介は裂け目を探す。


 歩いている途中、健介は右手に視線を投げた。

気配を感じた様に思ったが、視線を向けた瞬間に輪郭が崩れてしまった。

気にしない事にして、少女に視線を戻す。


 元の世界に変える場合、地下に送っていくのが確実だ。

その場合、健介は救助隊の側を通って、自宅に帰る事になる。

厄介な事になるだろうし、正体が知られれば大騒ぎになるだろう。

いっそ、その方がいいのではないかとも思うが、自分の一存で決める訳にはいかない。

こちらの出入口から帰還し、人ごみに紛れて逃走するルートの方が、色々な意味で安全だろう。


 しばらくうろついていると、女子トイレ近くの柱で反応があった。

健介は栄地下道に出現したが、周囲に気付いた人間はいない。

人混みに紛れていると、先ほどの少女が立っていた。

健介は少女に声を掛けることなく歩き去り、通行人を掻き分けて地上に抜け出た。


 健介は人混みから離れ、走り出そうとした。

その時。


――電車にいたヤツラ、どうしよう。


 ここまで自分が脱出する事ばかり考えていたが、治癒の炎なら彼らも救えるのではないか。

健介が進むか戻るか悩んでいると、懐で通知音が鳴った。

秀人達からだ。健介はすぐさま地下街で体験した一部始終を伝える。

千晃は少女を救った事を称え、涼葉は健介の無事を喜んだ。

秀人の返事は、二人に比べると渋いものだった。


 地下街に戻るべきか、意見を求めると千晃と秀人の間で意見が割れた。

涼葉はどっちにも付くことが出来ず、逆に意見を聞いてくる。

健介自身は、今から戻ると救助達と鉢合わせるのではないか、と考えている。

しばらく悩んだ末に、健介はメッセージを送信した。


ありがとうございました。

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