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第四話「異世界へようこそ」

「そなたはこれから勇者になる」

「誰だ!?」

「我が名はエルメカレタ、神だ」


 自分で神だなんて……

 言ってて恥ずかしくないのか?


「我が神なのは事実だ、実績もある」

「はあ」

「それより本題に入ろう」

「ああ」

「あの娘の言う通りに行動しなさい」

「そしたら勇者になれると」

「その通りだ」

「ほう、面白そうだね」

「それでは我はこれにて失礼する」

「お疲れ様でした神様」


 俺は無意識のうちにそう言う会話を交わしていた


「おい」


 しかし、神様にお会いできるとは


「おい!」


 それに俺が勇者とは


「おい!!」


 我ながら


「おいいいい!!!」

「はっ!!」


 俺は意識を取り戻した

 レリータが俺の頬をペチペチと叩く


「やっと目を覚ましたか、寝ぼすけが」


 俺はしばらくボケーっとしていた

 そして気がついた


「ん? ここほんとに異世界??」

「そうじゃ」

「何も変わってるようには見えないが」


 今俺は前と同じ神社の本殿にいる


「ここはただの異世界への繋ぎ場所のようなものじゃ」

「はあ」

「鳥居を抜ければここが異世界だと分かる」

「それでは早速」

「ちょっと待て」

「何だ? ぐほっ!!」


 レリータが俺に強烈なビンタを食らわした

 俺は数メートル吹っ飛ぶ


「ほんとはこんなもんで済ませないがの」

「何するんだ! いきなり!!」

「ワシの唾液をまじまじと見た変態にはお仕置きじゃ」

「見れと言われたから見たんだ」

「ワシが好きであんなことをしたと思うか?」

「そういや、何でお前が俺を勇者にするんだ?」


 こいつは悪魔だ

 普通勇者を案内するなら精霊とかそういった神々しい存在がするものだ


「お主の疑問はもっともなのじゃ、事情を話そう」


 レリータが何故俺を勇者に導くのか事情を話した

 霊界で好き勝手やってきたこと

 そのうち自分は悪魔という存在になったこと

 しばらくそのまま遊んでいたらエルメカレタという神がレリータのところに来て生まれ変わることを強いたこと

 レリータはそれが嫌で仕方なかったこと

 あまりの抵抗にエルメカレタはやむを得ず条件付きで生まれ変わらずに済ませると言ったこと

 その内容がつまり


「勇者育成なのじゃ」

「なるほど」

「とういうことでよろしく頼むなのじゃ、ほんとは嫌だがのう」


 最後の一言は余計だ


 一連の流れを聞いて俺は納得した

 俺が意識を失ったときに聞いたあの声の主エルメカレタは本物の神様なのだ

 そう思うとワクワクして仕方がない


「とりあえず鳥居へ向かうのじゃ」

「そうだな」


 俺たちは鳥居へと向かう

 レリータは鳥居を抜ければ異世界だと言っていた

 楽しみだ


「レリータ、さすがにあのビンタは無いと思うぞ」

「だから言ったじゃろう本来ならばあの程度では済まさないと」


 まあ悪魔だからな

 八つ裂きにするということもあっただろう

 それをビンタだけで済ませた

 理由は大体分かる

 もし逆上して俺を殺そうとするならば勇者育成失敗

 つまりエルメカレタとの条件を無視したことになる

 そうなると強制的に生まれ変わらないといけない

 しかし、俺、相当レリータから嫌われてるな


 そういうくだらない話をしている間に鳥居へついた


「中に入るぞえ」

「はーい!」


 俺は幼稚園児が遠足を楽しみにしているかのような口調で言った

 俺たちは鳥居の中に入る


「ほうわあああああ」


 鳥居の先には街があった

 たくさんの人々が行き来している

 俺が驚いていたのは街の様子だ

 建物は近未来を想像させるような作りになっているし

 身なりがごつい人間が何人かいる

 恐らく冒険者達だ

 たくさんの魔物を狩ってきたんだろうなあ

 俺もその仲間に入るというわけだ

 これは楽しみだ


「早速だがお主、街の外へ出ろ」

「あのーそろそろ名前で呼んでくれませんかねレリータさん」

「いちいち文句を言うな」

「はあ」


 それより街の外に言って何をするんだろう


「それは行ってからのお楽しみじゃ」


 レリータに俺の思考が読まれる

 毎回思うが不本意だ


「つべこべ言わず行くぞ」

「はいはい」


 俺たちは街の外へと向かった

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