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第十二話「ドラゴン再討伐」

 今日は早く起きた

 っていうよりも寝付けなかった

 理由はレリータの暴力だ

 全くこんないたいけな勇者を虐待するとは

 酷い奴だ

 ん~体中が痛い


 俺は食卓へと向かった


「おはようございますタケルさん、ってどうしたんですか? その怪我」

「ちょっと階段を転げ落ちまして」

「そうですかあ、それは災難ですね」


 災難はレリータだけどな


「それにしても今日はベネッタの目が赤いしタケルさんは怪我するし厄日だな」


 ベネッタにはすまないことをした

 昨日の夜相当泣きじゃくったんだな

 くそう、レリータのやつめ

 俺ならともかくベネッタまで悲しませるとは

 許せん!


 今度出たら説教してやる


「ワシがなんじゃ?」

「うわっ!!」


 急にレリータの声がした

 俺の目の前にレリータが現れる


「どうしました? タケルさん」

「いや、何でもないよ」


 何の用だよレリータ


「近々魔物どもが街を攻め込んでくるらしい」


 ほう、俺にそれを止めろってか?


「まあそうなる」


 で、攻めてくるのはこの街か?


「いや、今のところそれはまだ分かっていない」


 おいおい、どこから来るか分からない魔物に備えろとでも言うのかよお


「そのことはエルメカレタがおって報告するだろう」


 ふーん


「話は以上じゃ、せいぜい異世界ライフをエンジョイするのじゃな」


 そう言うとレリータは姿を消した

 お前のせいでエンジョイ出来なかったっての!

 昨日のあれを見たか? 諸君


「今日はもう一度ドラゴンの討伐に行こう」

「なっ無理だろう」

「大丈夫、いざとなったらタケルさんがいるし」


 俺、相当頼りにされてんなあ

 嬉しいんだか悲しいんだか


 ということで俺たちはドラゴン討伐に向かうことになった


「タケルさんは俺たちの戦いっぷりを見ていてくださいね」


 リンファンが自信ありげに俺に言い放つ


「ああ、しっかり見届けてやろう」


 俺たちは魔法陣に乗り

 ドラゴンが潜む洞窟に辿りついた


「タケルさん、魔法陣に乗るときいつも楽しそうですね」

「ええ、ああ、まあ」


 俺は曖昧な返事をした

 そりゃどこでも○アみたいな魔法陣に乗るのは俺の世界の住人であれば誰でも楽しいだろう

 

 俺たちは洞窟の奥に進む

 そこには予想通りドラゴンが待ち構えていた


「行くぞ、お前ら!!」


 リンファンが叫ぶ

 その叫びと同時に彼らとドラゴンの戦いが始まった


 エジェネが遠くから衝撃波を出しドラゴンの動きを鈍らせる

 その隙を狙ってリンファンとガルベスがドラゴンに斬りかかる

 ベネッタは回復ポジション

 体力が落ちている仲間に対してヒーリングをかける


 連携は完璧だった

 見事俺たちはドラゴン討伐に成功したのだ

 俺は参加してないけどね~


「やったぞ、エジェネ、ガルベス、ベネッタ!!」


 リンファン、エジェネ、ガルベス、ベネッタの四人は互いにハイタッチし喜びを分けあった


「これもタケルさんのおかげです! ありがとうございました!!」


 リンファンが俺に頭を下げる

 その光景を見て俺はブラック企業を思い出していた

 いつも上司の機嫌を取るために頭を下げたものだ

 今は逆の立場にいる

 これほど嬉しいものはない


 さて、俺たちは宿屋に戻り夕食を取る

 ドラゴンを倒した間、少し時間が空いたので軽い依頼をこなしていた

 その後の夕食だ


「ドラゴンを倒した後の食事はうんめえ~」


 ガルベスが歓喜に浸った様子で食事にありつく


「これからどうする? もう少し難易度が高い依頼でも受けるか?」

「いや、まだだ、油断はしてはいけない」

「でもタケルさんがいるし……」

「エジェネ、いつまでもタケルさんを頼るな、タケルさんは駒じゃなく俺たちの仲間だ」

「それは分かってるよ」


 エジェネとリンファンが作戦会議みたいなことをしている

 そうして気になるベネッタは


「……」


 ずっと無言だ

 俺は彼女に話しかける


「ベネッタ」

「タケルさん?」

「昨日はすまなかった」

「いえ、私の方こそ急にあんなことをして申し訳ありませんでした」

「これからもよろしく頼むな!」

「ええ、こちらこそ」


 ベネッタとの関係が修復しつつある

 話しかけて良かったあ


 そうこうしている内に夜になった

 俺は自室に戻り眠りに着こうとする

 するとコンコンとノックの音がした

 ベネッタかな?


「誰だ?」

「俺ですリンファンです」

「ほう、リンファンか、入れ」


 リンファンが俺の部屋に入ってきた


「タケルさんにお願いがありまして」

「何だ?」

「次の依頼はタケルさんが頼りになると思います」


 難しい依頼か

 まあいい、俺は勇者だからな!


「デスフェニックスの討伐をしようと思っています」

「ほう」

「なので明日はよろしくお願いします」

「ああ、任せとけ」

「さすがタケルさん、頼もしい」


 俺はブラック企業の上司になったような気分だった

 勘違いするなよ? 俺はブラック上司になったわけではない

 仲間に気を使ってるからな


「では、失礼します!」


 そう言ってリンファンは出ていった

 デスフェニックスかあ

 フェニックスだけでも強そうなイメージだが

 果たして大丈夫なのだろうか?


 淡い不安を抱きつつ俺は眠りにつくのだった

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