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第十一話「誘惑」


 父ちゃん


「たけるさーん」


 父ちゃんの靴下


「たけるさーん!」


 異次元の臭いがしたよ……


「起きてくださーい!!」

「はっ!!」


 またろくでもない夢を見てしまった

 最近、多いんだよな

 まあいいか


 さて、今日は魔術訓練の集大成とも言える日だ

 俺は鍛えてきた彼らを実践に投入するのだ


 俺たちは食事を取りスケルトン討伐の依頼を受けた

 勿論、スケルトンはドラゴンと比べて圧倒的に楽なモンスターなので

 彼らの魔術の訓練相手としては上出来とも呼べる


 俺たちは魔法陣に乗った


「うひょひょひょひょおおおお!!」

「たけるさんどうしたんですか? 変な声出して」


 この魔法陣の仕組みにはいつも驚かされる

 それでついうっかり変な声が出てしまった


「いや、何でもないよ、先に進もう」

「ええ」


 場所は荒地と化した街だった

 荒廃した建物の中を俺たちは歩く


「たけるさん、私怖いです……」


 ベネッタが俺の裾を掴む

 嘘つけ

 こんなんでビビってるならドラゴン討伐なんてしていないだろうに

 童貞の諸君らも女のこの色仕掛けには気を付けようねえ


「出たぞ!!」


 リンファンが叫ぶ


「さあ、諸君らの稽古の成果を存分に発揮するがいい!!」


 スケルトンと戦うリンファン、ガルベス、エジェネ

 彼らのヒーリングポジションに立つベネッタ

 そしてそれらを見守る俺、たける


「ふうむ、皆、やるな」


 リンファン、ガルベスは魔術を上手く行使して戦っている

 そして目星い戦いをしているのはエジェネだ

 彼は身体強化を使いスケルトンをバッサバッサと薙ぎ倒す

 

「依頼達成」


 発信機から声がした

 任務完了!


「はぁ……はぁ……たけるさん、俺らどうでしたか?」

「うむ、合格だ」

「本当ですか? やったああああああ!!」

「だが油断はするな」

「……」

「強力な敵と戦うにはまだ不十分と言える」


 え? 教官気取りな説教をするなって?

 いいじゃん、勇者なんだから

 実績もあるしい


 こうして俺たちはギルドに寄り報酬を受け取った


「まだ時間があるな、もう一つ依頼を受けるか?」

「待て、俺はたけるさんと真剣に勝負がしたい」

「それもそうだなドラゴンを一人で倒せるたけるさんと互角にやり合うことが出来れば」

「もっと強い魔物とも戦える!!」


 リンファンとガルベス

 息ぴったりだな二人共


「たけるさん、いいですよね?」

「ああ、構わんが少々手荒になってしまうだろう、それでもいいか?」

「構いません、その時はベネッタにヒーリングしてもらいますから」


 俺たちは街の外へ出た


 まずはこのパーティのリーダーであるリンファンから

 彼は戦士というだけあって身体能力はなかなかだった

 しかし、この世界では魔力がある人間が強い

 身体強化をした俺に太刀打ちすることは出来なかった


 続いてガルベス

 彼の身体能力はリンファンほどでは無いが

 魔術はリンファンを超越していると言える

 しかし、身体強化やエンチャントまで利用できてない以上

 俺に適う相手では無かった


 続いてエジェネ

 彼がパーティの中で一番強いと言ってもいい

 彼は元々魔法戦士で

 俺の稽古で身体強化も使いこなせるようになっていた

 しかし、俺にはまだ余裕があった


「つ、強いですね、たけるさん」


 今思えば、元々ギルドの依頼を受けて戦ってきた彼らを

 余裕で打ちのめすことが出来たのも

 俺に勇者の素質があるからだろうか……?

 いやあ、照れるなあ


「何調子に乗っておるのじゃ」


 レリータが現れる

 もう! 人が折角歓喜に浸っていたのにい!


「まあ良い、いづれお主はこの世界での目標を果たすことになるであろう」


 目標? 何のことだ


「今は言う必要はない」


 もう! 教えてくれたっていいじゃん

 俺勇者なんだぞ!


「お主が勇者だろうがなかろうが関係ない」


 ……


「今後も精進することじゃな」


 レリータはそう言うと姿を消した

 ほんとにあいつ何がしたいんだ?











 夜


 宿の食事が終わったあと

 俺は自分の部屋に入り眠りにつこうとした


「たけるさん、起きてます?」


 ベネッタの声がした


「起きてるよ」


 ベネッタが俺の部屋の中に入る


「どうした?」

「いえ、たけるさんの強さの秘訣が知りたくて」


 俺たちは一晩語りあった

 ほとんどが俺の自慢話だ

 一割母ちゃんの毒料理などくだらない話も交えた


「エヘへ、たけるさんって強いだけじゃなく面白い人なんですね」

「勇者たるもの面白くなければな、ハーハッハッハッハッハッ」

「たけるさん……」


 急にベネッタが俺をベッドに押し倒した


「……!」


 これには普段風俗に通ってる俺でも動揺した

 女性からモテたことがない俺が

 今、好意でそういった行為になる展開になることに驚きを隠せざるおえなかった


 ベネッタの唇が俺の唇に近づく

 俺は緊張していた

 しかし、これも勇者なら当然の結果だと言えるだろう

 さあ、来い!!


「何をしておる」

「うわあああああああ!!」

「キャッ!!」


 俺は思わずベネッタを突き飛ばした

 何だよ! レリータ、今いいところだったのにい!!


「たけるさん、私のこと嫌いなんですか?」

「違う! これには訳が」

「失礼しました!!」

 

 そう言ってベネッタが出ていった


「おいレリータ」

「何じゃ?」

「何のつもりだ」

「別に何も無いが」

「なら出てくんなよ!!」


 俺はレリータを一喝した


「とりあえず」

「!!」


 ベキバキボキベシガシドシべギドシャ


 50コンボだドン!

 達人様の声がした


「勇者だからといってハレンチな行為は控えることじゃな」

「……」

「それじゃあ、お休みたける」


 そう言ってレリータは姿を消した

 あの合法ロリババアめ

 いつか仕返ししてやる!


 今晩は最悪な夜になった

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