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第十話「稽古」


 なあ


「たけるさーん」


 俺の弁当箱に


「たけるさーん!」


 消しゴム入れたやつ出てこい!!


「起きてくださーい!!」

「はっ!!」


 俺は目を覚ました

 またレリータが俺の頬をペチペチと叩いてるかと思ったら

 起こしに来たのはベネッタだった


「もう! たけるさんったら、今日私たちを稽古してくれるって約束じゃないですか!」


 そう言えばそうだった

 あの時、周りから褒められて調子に乗った俺は

 彼らに魔術に関して稽古してやるって宣ってたところだった

 すっかり忘れてた


「分かってるよ」

「さあ、皆待ってますよ」


 俺たちは皆が待っている食卓へと向かった

 その間、なぜかベネッタが俺に腕組みをしてきた

 おい、あれが当たってるぞ

 まあいい、普段風俗に通っている俺は女のこういった行為に動揺したりはしない

 童貞である諸君らには効くだろうがな! ハハハハハ


「たけるさん、おはようございます!」

「おはよう」


 皆、俺を見るたびに目を輝かせてくる

 そんなにドラゴンとの戦いでの活躍がすごかったのか?


 俺たちは食事を済ませると早速街の外へ出かけていった


 まずはエジェネから特訓した

 彼は魔法戦士であるということから魔術の扱いはある程度手馴れてる感じだった


「たけるさん、どうやったら身体強化ってやつが使えるんですか?」

「まずは自分の体中に血液が回っていることをイメージしろ」

「ふむ」

「出来たか?」

「何となく……ですが」

「では、そこから自分体中の血液が高速に動いていることをイメージすればいけるはずだ」

「おっ!!」

「どうだ?」

「何か力が湧いてきたような気がします」

「そうだろう、それが”身体強化”だ」

「なるほど」


 これでエジェネの特訓が終わる

 次はリンファンだ


「まずは心を無にすることだ」


 俺は最初レリータに言われたことと同じことを彼に教えた

 だが彼もやはり俺と同じように上手くはいかなかった


「そうか、なら!」


 俺はいきなりリンファンに斬りかかった

 彼はその攻撃を避ける


「いきなり何するんですか!?」

「心を無にする特訓だ、集中しろ」

「……分かりました」


 俺はリンファンと浸すら特訓と評して戦った


「はぁ……はぁ……はぁ……」

「どうした? もう終わりか?」

「はい、もう無理です」

「どうだ心を無にする? 分かったか?」

「どういうことですか?」

「お前は俺と戦っている間、それに集中していただろう」

「はい」

「それが心を無にするということだ」

「なるほど、分かりました」


 どうやらリンファンは納得してくれたようだ


 ガルベスとベネッタにも同じように教えていった


「随分と偉そうじゃのう」


 レリータが俺の前に姿を現した

 別にいいだろ? 俺が人に教えたって


「まあ、いいっちゃいいが」


 何だよ? 何か言いたいのか?


「いや、あまり調子には乗るなよ」


 分かってんよ

 用はそれだけか?


「ああ、それだけじゃ」


 そう言ってレリータは姿を消した

 全くあいつは何がしたいんだか……


 魔術を教えている間にあっという間に日が暮れた

 俺たちは宿に帰って食事を取る


「たけるさんがいればドラゴンより難しい依頼でも行けるんじゃないか?」

「エジェネ、あまり調子に乗るな、俺たちはドラゴンでもしくじったのだから」

「まあそれはそうだが」


 エジェネとリンファンがそう言った会話を交わす

 

「たけるさん、明日も稽古、お願いします!」


 ガルベスが俺に頭を下げる


「ああ、任せとけ」

 

 異世界での俺は輝いていた

 現実世界とは大違いだ

 俺はとても気分が良かった

 こういう至福の時がいつまでも続いてくれることを願う


「もう夜か」


 明日も彼らの稽古がある

 夜ふかしはするべきではない


 俺は明日に備えて眠りについた

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