気にする
授業と授業の短い休憩時間には水篠は顔を見せなかった。
「悠真〜凛が来ないけど喧嘩でもしたぁ?」
「自宅にすら来てないって、あいつ」
「そう……女の子の日かなぁ」
「俺にはそういうのはさっぱりだよ」
俺は後頭部に腕を組んで当てていた。
「さっきのあの——」
牧野が続けて、終わりたての授業の分からなかった問題について聞いてきた。
眞部の方を見たが、里中が側に立って談笑を交わしていた。
相変わらず教室は賑わっている。
「春樹と里中さん、進展したってよ」
「進展したって、セックスしたの?」
「うん」
「へぇ、どんなだったか聞いた?」
「そこまでは聞いてない。鈴夏だってシたときの感覚を教えるか?」
「まぁ……教えないね」
「だろ」
午前の授業が終わり、昼休憩に入る。
俺と牧野、眞部と里中で屋上に上がり、昼食を摂る。
「春樹、千冬、進展したんだってね!!どうだった?」
「ぶほぉっ、げほげほ、あぁーこんな感じかぁって感じだったよ」
眞部が吹き出し、咽せてから応えた。
「鈴夏ちゃんってばもう……」
「俺たちのことは良いだろ。鈴夏らはシねぇのか?」
「今日するつもり。気になるから」
牧野が眞部に応えた。
「それにしても暑ちぃなぁ〜夏もすぐだな」
あぐらをかいて昼食を摂る眞部が愚痴る。
「坂口が出演てたあのバラエティ番組観た?」
「観てない〜」
「観てない、ごめんね」
「観てない」
「なんで全滅だよ!?」
眞部がツッコむ。
昼食を摂り終え、屋上を後にして、校舎内に戻る。
廊下を歩いていると黒髪のウルフカットの女子が牧野を呼び止めた。
「牧野〜委員会のことで話あるから来てくんない〜?」
「委員会のことですか?分かりました〜」
「そういうことだから、戻ってて!!」
「おぅー」
「うん」
「あいよ〜」
牧野が黒髪のウルフカットの女子のもとに小走りで駆けていく。
俺たちは牧野を見送って、教室へと戻った。
俺たちが教室に戻ると、眞部が水篠のことを聞いてきた。
「今日、一度も水篠を見てないよな?何かあったか?」
「あいつを見ない程度でなんでそんな気にすんだよ!!」
「そりゃ……」
「なんだよ、途中で止めんなよ。気になるだろ!!」
午後の授業が終わり、担任が教室に戻ってきてSHRが始まり、5分も経たずにSHRが終わり、放課後になった。
掃除当番のクラスメイトが掃除用具を持ち、掃除を始めた。
掃除の妨げになる生徒が屯しているのを避けながら、掃除を進める掃除当番のクラスメイト数名だった。
「悠真〜一緒に帰ろ〜!」
俺は牧野に誘われ、一緒に下校した。




