幼馴染だからって恋しない
5月12日の火曜日。
俺は友人の牧野鈴夏と一緒に登校していた。
「悠真〜凛とは付き合ってた時期ってあるのぅ?」
「ないよ。鈴夏まで幼馴染同士がくっ付くと思ってんの」
「そりゃ〜長い付き合いあんだし、あるもんだと思ってるよ。じゃぁ好きになったことは?」
「凛を〜。ないね、一度も無い」
「へぇ〜。ゴールデンウィーク明けってなんでこんな怠いんだろうね?」
「さぁね。俺に聞かれても。幼馴染同士がくっ付くっていつから言い出されたんだろ?」
「さぁ〜。体育怠くない?」
「ゴールデンウィーク明けの体育ね、怠いよ」
「悠真、そろそろ試しにセックスしてみない?」
「良いの?」
「どんなのか、知りたいし」
「そうだなぁ〜」
「なに興味なさそうに言う〜」
「がっついたら嫌われるって思って……」
「今さらそんなこと気にすんなし」
俺と牧野は高校に到着し、昇降口を抜け、下駄箱でスリッパに履き替える。
廊下を歩き出すと会話が始まる。
「悠真〜面白い漫画ってない〜?」
「面白い漫画かぁ……うぅ〜ん、思いつかねぇわ」
「そう〜。春樹に聞こう」
「おはよー、悠真と牧野さん」
「おはよう」
「おはよう、瀬戸さん」
瀬戸に挨拶をされ、挨拶を返す俺たち。
教室に脚を踏み入れ、自身の席に歩み寄る。
通学鞄から筆箱や教科書、参考書などを机の中に突っ込んでいく。
スマホを取り出し、動画を観出す。
20分が経った頃に眞部春樹と里中千冬が登校して姿を現した。
「おはよう、悠真」
「おはよう、悠真くん」
「おはよー、二人とも」
眞部と里中も自身の席で落ち着く。
「春樹〜おはよう。ねぇねぇ面白い漫画、勧めてよ!!」
眞部のもとに牧野が歩み寄って、面白い漫画を聞いていた。
里中が俺のもとに歩み寄ってきて、話題を振った。
「鈴夏ちゃん、今日も元気だね。悠真くん」
「あぁ、そうだね。里中さん、春樹と一緒に登校したの?」
「うん、そうだよ」
「ゴールデンウィークは春樹と進展はあったの?」
「それは……セックス、したの」
俺は耳打ちされた。
「へぇ〜。それは良かったじゃん」
「うん……」
里中が頬を赤らめて恥ずかしがった。
「悠真くん、昨日のドラマは観た?」
「観てないよ。面白かった?」
幼馴染の水篠凛は教室に来なかった。
担任が来て朝のSHRが始まり、直ぐに終わった。




