新しい土地づくり計画
三人の護竜の末裔たちは、深々と頭を下げたあと――
「では、まずは我らが里の者たちを説得してまいります」
「護様と共に生きる覚悟を、皆にも伝えねばなりません」
「すぐ戻ります。どうか、それまで……お元気で!」
そう言って、風のように村を後にした。
それを見送ったたすくは、腕を組んで空を見上げる。
「……なんか、すげー展開になってきたなぁ」
隣でジローが鼻を鳴らす。
「どっかの誰かが“末裔”とか“モフモフがやったのか”とか言い出すからだろ」
「いやでも、結果オーライってことで……って、あれ?」
たすくは唐突に、後ろの山を見上げた。
「おい、ジロー。あの山、ちょっと邪魔じゃね?」
「は?」
「いやさ、でっかい家建てるなら、あそこ切り開いた方がよくない?
どうせなら、子どもたちの施設も作れるしさ。
温泉つきで畑つきで、あー! ブランコもほしい!」
ジローは呆れ顔で答える。
「……急に夢ふくらませすぎだろ」
だが、タローが「ぴぃっ!」と嬉しそうに跳ね、風の精霊が空から降りてくる。
「ふんふん、そういう話なら乗ったろかい!」
火の精霊「おっしゃ、焼き払ったろかい!!」
たすく「いや焼くなバカ!」
水の精霊「……水路は任せて。……ちゃんと循環するように設計する……」
地の精霊「……はぁ……しゃーないな。土起こして整地する」
――こうして、“新しい土地づくり計画”が動き出した。
風は山肌を削り、火は枯れ木を分解し、水は段差に水路を通し、地は重機顔負けの圧力で土地を均す。
タローとジローも加わり、村の全力で山の開拓が進んでいった。
たすくはスコップを肩に担ぎながら、笑う。
「……よし。あとは、あいつらが帰ってくるころには、“家”の準備ができてりゃ最高だよな」
空を見上げたたすくの目に、晴れ渡った青が広がっていた。
――つづく。




