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Phase6-7:私は道を見つけるか、さもなければ道を作るであろう

 緩衝地帯、旗艦サピエンティア艦橋。

「ウンディーネ消失! 空から敵の巨人が現れました!」

『なんだと! そんな馬鹿な!』

『さっき消えたという中央の巨人なのか?』

「はい! 観測班の報告では、中央にいた攻撃型の巨人です!」

 艦内が一気に騒がしくなる。混乱した各艦隊の無線が飛び交った。

『な、なんだあの機動力は……。目で捉えられな――うわああああ――』

「五番艦!」

 北方面を進軍していた艦隊との連絡が途絶え、コンスルの顔に焦りが浮かび始める。

「まさか……」

 コンスルはなにかに気付いて、悔しそうな、しかしどこか嬉しそうな表情を浮かべた。

「信号弾を打ち上げてください。“ロクスソルス式輪形陣”に移行します」

 指示を受け、乗組員の一人が信号弾を打ち上げた。


 緩衝地帯、北方面。

「信号弾だな!」

 マーカスが声を上げる。

「い、生きてる……」

 なんとか瓦礫の影に隠れて生きながらえていたホープたちは、その光を見て次の行動を開始する。

「隠れてるやつら出てこい! ヒーラーは俺のところに集まれ!」

 ダンプティの呼びかけに、瓦礫の下から生き残ったプレイヤーたちが這い出てくる。ヒーラーがひと塊りになり、その周囲をハンプティたちメイジや弓を装備したウォーリアーが囲む。そしてさらにその外周に、マーカスやホープたち盾持ちが壁を作った。

「よし、このまま中央へ行くんだな! 合流すれば、きっとなんとかなるんだな!」

 マーカスの呼びかけで、即席のアエラ式輪形陣を作った一団が動き出した。

 これまでは横陣のままでもイーオンを圧倒できていたが、横陣を保ちながら緩衝地帯を進むのにはかなりの技量が必要だった。そのため、今回のショウタイムから導入されたのが“アエラ式輪形陣”。横陣の防御力を失う代わりに、機動力を獲得するためにコンスルが提案した陣形だった。

 横陣よりも陣形が乱れやすく、隙間が大きくなるが、基本的な役割は変わっていない。盾が受け、その内側から攻撃をし、ダメージは一番安全な中央に位置取ったヒーラーが回復する。

 途中、イーオンが温存していた地上部隊の第二波に襲われながらも、マーカス隊はその強力な連携で対応し、イーオンの軍勢を倒しながら中央へと進んでいった。


 緩衝地帯、旗艦サピエンティア艦橋。

「攻撃型巨人が北からこちらに向かってきています!」

「全艦隊、お願いします!」

『了解!』

『お任せください!』

 コンスルの呼びかけで、アエラの各艦隊が旗艦サピエンティアを囲むように陣形を作った。そして陣形の上空に、南から移動してきたシルフが舞い降りる。同じく南から移動してきた艦隊も加わって、空のロクスソルス式輪形陣が完成する。

「弾幕を!」

 コンスルの命令で、外側の艦隊が一斉に弾幕を張り始めた。中央を攻め落とそうと高速で迫ってきたヴォークリンデが、急停止して回避行動に移る。

それはまさに近付くことすら許されない空の要塞だった。三六〇度に弾幕が張られ、仮にその砲火の雨を抜けたとしても、サピエンティアの周囲には竜騎士隊が待ち受けている。空からはシルフの回復と防御魔法のサポートがあり、おまけに地上にはサラマンダーの固定砲台もあった。地上部隊も中央へと集まってくる。

 こうなると、イーオンの軍勢はもう手がつけられなかった。

「よし、このまま進軍します。全艦微速前進!」

「微速前進、ヨーソロー!」

 アエラの空中要塞は、ゆっくりとイーオンの壁に迫っていく。

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