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オムニスに関する私見を含む調査報告書5

5.オムニス内の犯罪

5―1.オムニス内の詐欺行為

 オムニス内で発生する最も多い犯罪が、詐欺行為である。

 次いで脅迫や誹謗中傷、公然わいせつ等が挙げられるが、オムニスにはブロックシステムが実装されており、関わりたくない人間はブロックすることで容易に関係を断つことができる。

 オムニス内の財布(携帯端末のウォレットアプリを含む)は、通常のアイテムとは異なり、システムによって管理されているため、奪い取られることもない。また、ほとんどのプレイヤーが生体認証を行ってログインしていることから、戦前にあった不正アクセスやなりすまし行為も報告されていない。

 加えてオムニスはすでに社会活動の場として認知されているため、そもそも社会的立場を危うくする行為には及ばないという人がほとんどである。こういった理由から、オムニス全体で見たプレイヤーのモラルは非常に高いと言える。

 しかし、詐欺行為の相談件数だけは年々増加している。

 スカイネットは個々の端末が複雑に相互接続されているため、スカイネット上で個人を特定することは非常に難しい。その高い匿名性を利用して、ロスを騙し取られる被害が多発している。VR犯罪対策課に寄せられる相談はほぼすべてが詐欺被害と言っても過言ではない。

 近年までは対策が難しく、注意喚起をすることしかできなかったが、昨年サイバー犯罪対策課が声紋検索システムを開発。前時代的な方法ではあるが、十数パターンの音声サンプルの採取とプロファイリングによって、現実世界で個人を特定することが可能になりつつある。


5―2.オムニス内のギャンブル

 現在はまだ法整備が進んでいないため違法ではないが、オムニス内で行われているギャンブルが問題視されている。その参入の容易さと現実感の無さから、ゲーム感覚でロスをつぎ込み、生活に支障を来している例が多数報告されている。

 ウォルプタースというオムニス内の街には賭場が密集しており、日夜巨額のロスが動いている。その中でも最大手のカジノの一つ、ロス・オブ・タイムが企画しているというイベントが、昨今ユーザーの注目を浴びている。

 オムニス内では三カ月に一度、ユーザーが“ショウタイム”と呼ぶ戦争が行われる。ロス・オブ・タイムは、そのショウタイムを利用して賭けを行うという。このイベントに投資するためか、交換所ではロスの価値が上がり続けており、リアルマネーの価値が暴落する要因となっている。

 オムニスユーザーの多い国々ではロスの規制が検討されているが、すでにロスは人々の生活に深く根付いており、安易には手を出すことができない。オムニスの運営者と接触することもできていないため、主要国政府は手をこまねいている状況だ。

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