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Phase2-3:拍手を、お芝居はおしまいだ

 ロクスソルス城の円卓。アエラに存在する主要国の要人が、一同に会していた。

「それでは、次のショウタイムもジョクラトル三人衆を主軸に」

「はい。私は戦には疎いので、お任せいたします」

 コンスルの言葉に、入り口から最も遠い席に座るレージーナ・ロクスソルスが頷く。レナは昼間とは違い、シンプルなドレスに身を包み、ティアラを頭に載せていた。

「しかし大丈夫なんですかね。あの三人は今日もなにやら騒ぎを起こしたらしいじゃないですか」

 円卓に座る一人の男が疑問を呈する。

「あなたは今回が初参加でしたね。問題ありません。彼らは有事の際には素晴らしい働きをしてくれます」

「はあ……。コンスルさんがそう言うのであれば」

 その男が頷くと、また別の男が手を挙げる。

「ウォルプタースのカジノの件はどうしますか。ショウタイムを使ってなにか企んでいるようですが」

「そうだそうだ」

「どちらかと言えばそちらが今日の主題だな」

 一人が発した言葉に、周囲の人間が思い出したように喋りだした。

「そうですね……。私は特に危惧していません。今のところロスを使ったギャンブルは法的に取り締まられていませんし、当然我々が取り締まる権利もありません」

「しかし、もしも高額のロスがウォルプタースに集まることになると……」

「いくらなんでもオムニス内の経済のバランスが崩れてしまうかもしれない」

「ショウタイムを使った賭けは注目度も高い。オムニス史上類を見ない額が動くのではないか?」

 コンスルは盛り上がる会話を手で制した。

「聞くところによると、集められたロスの三割は、勝利した世界の住民へ均等分配されるそうですよ」

 それを聞いて、円卓の面々がざわつく。

「さらに配当金は期限付きの小切手で支払われるので、結果的にほとんどのロスがまたオムニス内に流通することになります。それでもカジノ側の儲けは大きいでしょうけどね」

 それぞれ頷いたり唸ったりしている中、一人の要人がにやりと笑った。

「となると……次の戦いは負けられませんね」

「なに、心配ないでしょう。イーオンにもキャラクターを置いている人は、心配かもしれませんがな」

 一人の冗談に、一同は和やかに笑う。

「それでは、今日はこの辺にしておきましょうか」

 笑いが収まるのを待ってからコンスルが言って、

「そうですな」

「お疲れ様でした」

「それでは女王陛下、ごきげんよう」

 それぞれ挨拶をして立ち上がり、会議室を出ていった。

 会議室にはコンスルとレナが残る。

「すいません、座ってることしかできなくて」

「気にしなくていい。レナはこの国のシンボルなんだ。居てくれるだけでいいんだよ」

 うつむくレナに、コンスルの口調が一気に砕けたものになった。

「ありがとうございます。次も勝てるでしょうか」

 その質問に、コンスルは腕を組んで唸った。

「イーオン側も負けが込んで、相当フラストレーションが溜まってるだろうからな。そろそろなにか手を打ってきそうではある」

「こちらもそろそろ、新しい手法を仕込むのもいいかもしれませんね」

「うーん……。実はちょっと試してみたい作戦が。昔アニメで見たんだけどね」

「どんな作戦です?」

「基本はいつもと変わらないんだけど、まず――」

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