13 お受験です。
ブックマークありがとうごさいます。続きです。
あれから特に何事もなく受験当日になった。いつもと変わらず朝は姉さんに起こされてリビングに向かうと悠人さんが朝食を食べていた。なんでも今日の送り迎えのために来たので、ついでにご馳走になっているみたい。薫子さん以外の人達って普段何をしているんだろ。
朝食を食べ終えたら姉さん達に着替えさせてもらう。その間、悠人さんは何時でも出発出来るように外で待機となった。服装は学生服に見えるものなら何でもいいと白虎さんが言っていたが、日本の一般的な学生服とされているセーラー服かブレザーのどちらかを選ぶだけが中々決まらない。
「薫さん、セーラーかブレザーのどっちがいいと思う?」
「甲乙つけがたいですが私はブレザーが良いと思います。」
「ブレザーかぁ。私はセーラー服の方が清楚に見えて紫苑に似合うと思うな。」
「確かにセーラー服も似合いますが、やはり色々なアレンジのできるブレザー良いかと。」
ああでもない、これでもないと着せ替えること30分、流石にこれ以上時間をかけると受験に間に合わなくなりそうなのでセーラー服に決まった。理由は猫柳高校の指定制服はブレザーなのでセーラー服を着る機会が無いかもしれないからだそうだ。
もうすでに疲れてきた。
2人でお揃いのセーラー服を着て必要な物を鞄に詰め準備完了。外に出ると悠人さんがガーデニングを見ながら黄昏ていた。
「時間かかってごめん。」
「お気になさらず。薫子の時に慣れていますから。」
「そうなんだ。」
「ほらほら、話してないで早く行かないと間に合わないわよ。」
誰のせいでとは言わないが、急かされながら車に乗り込み会場に着くまでの間にこれからの事を確認しておく。
今日の受験する高校は人気で毎年多くの人が県外からもやって来るようなマンモス校だそうだ。試験内容は私立なので国語、数学、英語の3教科と内申によって合否が出るみたい。
僕たちは普段から勉強していたので心配はないと薫子さんが太鼓判を押していた。特に僕たちは生まれながらに言語の自動翻訳みたいなのがあるので英語は完璧だ。
「いい紫苑、私達は海外育ちのハーフで日本には来たばかりという設定だからね。」
「なにその設定。」
「他の人に怪しまれないようにする建前みたいなものよ。」
「なるほど。」
「後はこの前買って貰ったネックレスを肌身離さずつけておくこと。」
「ほーい。」
それから受験会場に着くまで細々とした注意事項を色々と言われたが、半分ぐらいは聞き流していた。全く心配性だなぁ、もう子供じゃないんだから。
会場に着くと周りには僕たちと同じ様な学生服を着た人たちでいっぱいだった。最後の復習なのか片手に参考書を持っている人や、友達と問題の出し合いをしている人など最後の追い込みをかけているのが大半で、他の人も何かと緊張した面持ちでいた。
「では、試験が終わり次第迎えにいきますので頑張ってください。」
「ありがと。行ってくる。」
「悠人さんありがとう。行ってきます。」
受験者が多いため複数の試験会場に分かれており、間違えないようにしないといけない。姉さんと番号は一桁違いで同じ教室のために案内を確認しながら手をつないで行く。
「なんか今日はあんまり視線を感じない。」
「ネックレスの効果もあるけど皆自分のことで手一杯って感じかしら、それでも何人かは気付いているみただけど。」
「受験って大変なんだね。皆気難しい顔してる。」
「そうみたいね。なら私達も気合い入れ行きましょうか。えいえいおー!」
「おー?」
「気合いを入れるときの掛け声みたいなものよ。」
「えいえいおー。」
「おー。」
ほのぼのと会話していたら教室に到着した。やはり、ここでも他人に気を配る人はほとんどいない。指定席に着いたら程なくして試験監督が試験の説明をし始め、テスト用紙が配られた。
最初は国語で次が数学、昼休憩を挟んで英語といった構成になっている。開始の合図と同時に配られた国語のプリントの問題を読み進めて行く。
ふむふむ、見た感じ難しくなさそうだ。問題は現代文と選択で古文と漢文なので特に躓く事なく40分程度で終わってしまった。残り時間はやる事なく暇になったので一眠りでもしよう。
終了の合図で起きなかったために試験監督に起こされてしまった。次は気をつけよう。
その様子を周りの人は苦笑混じりで見ていたが、2度見3度見として唖然としていた。
それもそのはず、最初はただの女生徒が試験中に寝ると思って呆れていたのに改めて見ると、それが目が覚める様な美少女だったら誰でも驚くだろう。中には夢でも見ているのかと思って頬をつねっている人までいた。
周りが静かに動揺している中で次の数学のテストが始まった。そのため多くの人が慌てて気持ちを切り替えてテストに取り組む事になった。災難である。
数学は四則演算と図形、証明問題でこれも時間をかけずにすぐに解き終わったので再び睡眠タイムとなった。数学は薫子さんに教えてもらった解き方のおかけで凄く簡単に思えた。
今度は起こされることなく終了の合図で目が覚めた。これからお昼休憩を挟んで英語のテストなので姉さんの所に持って来たお弁当を手にして、どこで食べるか相談しに向かおうと席を立つと周りからの視線が凄かった。
「ご飯どこで食べる?」
「中庭にフリースペースがあったからそこにしましょ。」
「ほーい。それにしても凄い視線を感じるんだけど、ネックレスも大した事ないね。」
「それは紫苑のせいよ、まったくもう。」
何かしたかなぁ。姉さんに手を引かれて教室を出るとお昼休憩のためか最初の時と比べて緊張が緩和されたようで多くの人が、試験の感想を言い合ったりと賑やかになっていた。フリースペースには同じ様にお昼ご飯を食べている人で溢れていたが運良く場所を確保できた。
「試験はどんな感じ?」
「のーぷろぶれむ。」
「ふふっ、私もよ。思ってたより簡単よね。」
「薫子さんの出す問題の方が難しい。」
「確かにね。」
話しながら薫子さんの特製弁当に舌鼓を打っていると、あっという間にお昼休憩が終わってしまった。教室に戻り席に着いたはいいが眠くなってきたな。まぁ、次は英語だからすぐ終わるだろうし丁度いいお昼寝タイムになりそうだ。
配られたテストをさっさと解いて残り時間はおやすみなさい。
そうしてなんてことなかった試験が全教科が終了し、迎えに来た悠人さんの車に乗って帰宅した。途中で感想を聞かれたけど特製弁当の事しか思いつかなかったので、姉さんの貴重な経験が出来たと言う感想に賛同しておいた。
受験も終わったことだし趣味の方に没頭しようかな?それとも美術館に行ってみようかな?
なんにせよ結果が出るまではやりたい事やって満喫しようっと。
最近のお気に入りは麻婆豆腐です。




