寝坊
朝。カーテン越しから日差しが漏れている。今日も天気がいいみたいだな。もう少しごろ寝していられるかなと思い、時計を見た。
「……は?」
時計の短針は7のところ。長針は6のところを指している。俺は寝ぼけているのかと思い、頬をパンと、叩いてみる。
「いたっ」
どうやら、寝ぼけているようではないようだ。それでも俺は信じられなく、携帯の時計を見る。やはり7時半だ。
「くそっ、寝坊した!」
この時間になっても三姉妹の誰かが起こしに来ないということは、誰も起きていないのだろう。
俺は寝間着を急いで脱いで、制服に着替えるのであった。
「おらっ!てめぇーら起きろ!!マジで遅刻するぞ!!」
俺は声を張り上げ、三姉妹のそれぞれの扉を乱暴に開けた。
「お兄ちゃん、うるさい」
「うるさいじゃねぇ!時計見てみろ!」
「……え?え?え!?」
どうやら有希も事の重大さを知ったようだ。
「早く着替えて、降りてこいよ!」
俺は一階に降りて、急いで朝食を作った。作っている途中に有希が中途半端に制服を着て、降りてきた。
「なんでもっと早く、起こしてくれなかったの!?」
「俺だって起きたのはついさっきなんだよ!!」
口喧嘩をしながらも俺たちはそれぞれ、朝食の準備を急いでやる。残りの二人もドタバタと音を立てて、降りてきた。
「卵焼きできたから、早くご飯食べなさい!」
俺は人数分の卵焼きを皿に移し、テーブルに並べた。
今日の朝食、ご飯と卵焼きのみ。
「「「いただきます!!」」」
三姉妹は急いで食べ始めた。
女子が三人もいると、朝の洗面所は大変なことになる。遅刻ギリギリというのに、洗面所の鏡の前を争っている。やれやれ。先に顔洗っといてよかったな。
「ほら、お前ら、遅刻すんぞ」
「春!!早く、ドライヤー!!」
「ちょっと待って!!」
俺の言葉は届いていないみたいだな。
「兄ちゃん、行ってくるね!」
「おう、いってらっしゃい」
一足早く身支度をした、夏樹が出て行った。
「早くしなさい。冗談抜きで遅刻するぞ」
「「わかってる!!」」
俺には分かっているようには見えないが……。てか、俺もこの寝癖だらけの頭を直したいのだが。
「「行ってきます!!」」
「気を付けてな」
無事に三姉妹を送ることができた。俺は食器を洗うため、キッチンに立った。
「さて、と」
俺は、食器を洗い始めたのであった。
「いってきまーす、っと」
俺は誰もいない家にいってきますを言い、戸締りをしっかりとして、高校へと向かった。
姪の三人は遅刻ギリギリであったが、俺はいつも通りの時間帯であったため、ゆったりと学校へと向かっていた。
「おっす」
肩を叩かれた。
「ん、ケイトか」
「そうだが。なんか悪かったか?一人で歩きたかった気分とか」
「いや、カワイイ子でも俺に話しかけてくれたかと思ってな」
「なんだ、それは」
「ただのうわ言だ」
「そうかい」
そこから、俺たちは同級生通しが良く話す、他愛もないことを話しながら学校へと向かった。