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デートのお誘い

 それは学校生活にも慣れた、6月のことだった。

 ある土曜日の午前中、リビングで三姉妹+俺の4人でゲームをしていたところ、携帯に電話が来た。

「やってていいぞ」

 と、俺は断りを入れて携帯を取る。ディスプレイには深紅ケイトという、とても慣れ親しんだ奴の名前が表示されていた。俺は通話ボタンを押した。

「はいよ。どうした」

「今日なんか予定ある?」

「特には無いが」

「んじゃ、……今何時?」

「ん、今は……」

 時計を見て確認する。

「10時だな」

「じゃあ、11時に駅前に来て」

「どっか遊びに行くのか?」

「まあ」

「持ち物は?」

「最低限の持ち物だけでいい。もちろん財布も」

「わかったよ。んじゃ、後で」

 そういうと、俺は電話を切った。

「お兄ちゃん、遊びに行ってくるの?」

「ああ」

「わかった。帰りは何時頃になりそう?」

「夕飯前には帰ってくると思うが、まあ、いらなくなったりしたら電話するよ」

「うん、わかった」

 俺は、準備をするために自分の部屋へと向かった。


 三姉妹の「いってらっしゃい」を聞いてから、俺は駅前へと向かった。

 駅前に着くと、すでにケイトはそこにいた。

「遅い」

「悪かったな。これでも集合時間の10分前なんだが」

「じゃあ、行くぞ」

「はいはい」

 俺はケイトについていき、駅の中へと向かった。


 切符を買い、電車に乗った。

「どこに行くんだ」

「……んち」

「なんて?」

 声が小さくて聞こえなかった。

「遊園地……」

「は?」

 なぜに遊園地?そう聞くと

「なんとなく」

 としか答えてくれなかった。

「そうかい」

 理由を知りたかったが、この調子だと教えてくれなそうだな。

 ケイトがどっか違う方向を見ているので、これは遊園地に着くまでこの気まずい空気が流れてるのか、とでも思っていたら

「あんたってさ、誰かと付き合ってデートしたときとかある?」

「残念ながら無いな。まあ、女友達と遊びに行ったりとかなら数回あるんだが」

「私、こっちでもあっちでもそういう経験とか無くてさ」

「それで経験しようとか?」

「……まあ、そんな感じ」

 なんかいまいちわからんがとにかくデートみたいなことをしたいということか?……その相手俺でもいいのだろうか?

 ケイトはそれっきりしゃべらなくなってしまった。

 おい、目的地までまだまだあるんだが、この気まずい雰囲気がそれまで続くのか?

 ……やれやれ



 そして、この行動がきっかけにあることが起きるとはもちろん俺はそんなことこれっぽっちも思っていなかった。

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