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最終話(下):子供たちのその後

私はアルグレン・シマ、父はサコン・シマ、母はアリーナ・シマ(旧姓:スレイブ)の間の産まれた嫡男(長男)だ。私は現在、婚約者である国王ロバート・シュバルツの姪(母親はロバート&クレアの異母妹)であり養女であるイリス・シュバルツ【色白の肌、切れ長の瞳、紫眼、赤みの帯びた金色の長髪ロングヘアー、身長は160㎝、年齢は10代後半の気品漂う美少女】と御茶会をしている最中である


「あら、どうかなさいましたの?」


「いいえ、少し考え事をしていまして申し訳ございません。」


「ふふふ、そう畏まらなくても宜しいですわ、私たちは婚約者の間柄なのですから。」


「畏れ入ります、イリス様。」


「そこですわよ、アルグレン様。」


自分でもなんで王族、しかも国王陛下の姪の婚約者になったのかは未だに実感できなかった。私だけではない、妹のサリーナは国王陛下ロバート・シュバルツの甥であり、クレア・シュバルツ内親王殿下の息子で、ユリヤ・シュバルツ大公殿下の養子となったチャベル・シュバルツ殿下の婚約者に選ばれ、更に弟のシリウスはリチャード・アルバイナ侯爵の娘と婚約者(後に婿養子)となった。そうなったのは我が父であり、シュバルツ王国初の【国士準男爵家】を創設したサコン・シマの影響であろう。サコン・シマは戦乱が絶えないヒノモトの出身で、配下のヨイチ・ソウマと共にこの国にやってきたのである。我が母であるアリーナ・シマは父と出会ってから約十年後に私が産まれた。その時、父は地主としてスタートし、国から【準男爵】の爵位を賜った。【準男爵】誕生の背景には父、サコン・シマは頑なに貴族になる事を辞退し続けたのがきっかけに誕生しており、更にジュリアス王国やシュンフェン王国からも【準男爵】の爵位を賜ったのである。何故、父が貴族にならないのか理由を尋ねると・・・・


「宮仕えは面倒だ。それに貴族になれば領地替え【国替え】になる可能性もあるからな。」


宮仕えが嫌だと言う事に疑問を感じつつ、領地替え【国替え】の事については納得している。治めている領地は豊富な産物が取れ、活気にあふれている。私もこの土地に生まれ、ずっと住んでいた事から愛着があり、ここを離れるのは私も嫌だと感じた。国王陛下から何度も昇進を命じられたが、父は頑なに辞退し続けた。その代わりに領地が増えて、いつの間にか【公爵】と同等の領地の広さを持つに至り、その結果、【国士】の称号が誕生し、父が初の【国士準男爵】となった。後にジュリアス王国やシュンフェン王国からも【国士】の称号を賜ったのである。その影響か、私とサリーナとシリウスの結婚相手が強制的に決まったのだ


「イリス様。」


「何でしょうか?」


「イリス様は私が婚約者で良かったのでしょうか?」


「何を言うのですか、突然。」


「いや、私との婚約は畏れ多くも陛下の勅命によって決められたもの、イリス様にはもっと相応しい御方がいらっしゃるないかとつい思ってしまって・・・・」


「ふふふ、アルグレン様は素直な御方ですのね。」


イリスがそう言うと、茶の入った紅茶茶碗ティーカップを一服し「ふう」と一息ついた後、アルグレンの方を向き、こう述べた


「アルグレン様の仰る通り、私たちは陛下の命で婚約致しました。私も陛下の命に従う他はありません。王族に生まれたからにはそれが宿命だと・・・・ですがアルグレン様と御会いして良かったと陛下には感謝しておりますわ。」


「は、はあ~。」


「信じておられないようですわね、アルグレン様。」


「あ、いいえ。」


「いいでしょう、私がアルグレン様の良さをこの場にて披露いたします。」


「いやいや、そこまでしていただかなくても・・・・」


「まず人柄ですわね、アルグレン様は誠実でかつ、しっかりした御方で・・・・」


「分かりました、分かりましたから!」


アルグレンは何とかイリスを説得させ、ようやく御茶会が終了した。イリスと婚約が決まった際、母から「他の女に現を抜かし婚約者を蔑ろにしたら、絶縁は覚悟しなさい」と念を押され、父からは「約定を違えば自害せよ」と死亡宣告を通達される等、完全に逃げ道を封鎖されている。因みに妹のサリーナの婚約者として選ばれたチャベル・シュバルツ殿下に対して父は・・・・


「チャベル殿下、もし娘を蔑ろにしたら分かっておりまするな(*^▽^*)」


あの時の父の笑顔は本当に恐ろしかった。チャベル殿下も冷や汗をたらし、完全に顔が青褪めながらブンブンと何度も首を縦に振った。身分ではチャベル殿下の方が上なのだが、父の方が歴戦の猛者の風格があって、凄まじい気迫を放つので気が小さい奴は失禁したり、泡拭いて倒れる者をよく見かける


「私よりもシリウスの方が厳しかったな。」


弟のシリウスはリチャード・アルバイナ侯爵の娘であるオリビア・アルバイナ侯爵令嬢と婚約を結び、婿養子としてなり、いずれはアルバイナ侯爵家を継ぐ予定である。その時の父はというと、私同様、もし侯爵令嬢を蔑ろにすれば、「義絶(絶縁)の上、自害せよ」と淡々と仰っていた。あの時のシリウスの顔は私から見ても同情する


「あ、兄上。」


「おお、サリーナ、ヨーム。」


「アルグレン様、ご機嫌麗しゅうございます。」


私に声をかけたのは妹のサリーナ、側にいるのは両親の代に仕えているヨイチ・ソウマ&ウルザ夫妻の娘で幼馴染のヨーム・ソウマであり、現在はサリーナ付きの【侍女】兼【女忍者】として活動している。


「お嬢様、はしたないですわよ。」


「いいじゃない、誰も見ているわけではないんだから。」


「私が見ております。」


「貴方は別よ。」


「どうしたんだ、2人とも。」


「先程、ユリヤ大公殿下、クレア内親王殿下、チャベル殿下と御茶会をしてまいりました。」


「お前もか。」


サリーナの方も御茶会をしてきたようだ。サリーナは将来の義母2人と婚約者との御茶会から解放されたのか、少々へとへとした様子でやはり王族相手だと気遣うのであろうな


「御二方、場所を変えましょう。誰が聞いているか分かりませんので。」


「ああ、分かった。」


「行きましょうか。」


ヨームに誘導され、私とサリーナは人気のない部屋に入ると、サリーナは「ふう~」と溜め息をつき、側にあった椅子に座った


「はぁ~、疲れましたわ。」


「だらしがありませんよ、お嬢様。」


「いいじゃない、別に。」


「はぁ~、では私は外で待っておりますので。」


溜め息をついたヨームはそのまま部屋を退出し、部屋にはアルグレンとサリーナだけとなった。そこから兄弟水いらずの会話が始まった


「お前も大変だな。」


「ふっ、兄上だって陛下の御身内相手に神妙にされて・・・・」


「父上と母上から耳にたこができるほど訓戒をされたからな。」


「ははは、思い出しますわね。」


「そういえば父上が仰ておったな。チャベル殿下との婚約が嫌になったらいつでも婚約破棄しても構わんと。」


「ええ、陛下や義母上たちやチャベル殿下の前で仰られたのは驚きでしたわね。」


「ああ、おかげでチャベル殿下の御立場がな・・・・」


父であるサコン・シマはチャベル殿下との顔合わせの時、サリーナにチャベル殿下との生活が嫌になったら、何時でも婚約を解消しても構わないと陛下たちの前で堂々と仰られた時は場が凍ったな。特に陛下はギョッとした表情で父をガン見し、クレア内親王殿下とユリヤ大公殿下は難しい顔をしながら腕組みし、当のチャベル殿下は唖然としておられたからな。サリーナ曰く、「私よりも殿下の方に教育が徹底的に行われている」との事である。女スパイに現を抜かし国の根幹を揺るがし廃嫡となったロゼオ元王太子の二の舞だけは避けたいと言う思いもあるのであろう


「何だかんだ言って、父上はお前に甘かったからな。」


「そんな事はないわ、父上からも人の上に立つ者の心構えを延々と聞かされたわ。」


「そうだな、私たちが生まれる前に経験した父上の人生観だからな。」


アルグレン、サリーナ、シリウスは平和な時代に生まれたから知らないが、父親である島左近とヨームの父である颯馬与一が戦国時代に生まれ、戦の中で生き続けた根っからの戦国武将と忍者である。だからこそ平時においても火の用心は欠かさない。戦乱の火種となるものは徹底的に排除する、父はそういう生き方をしてきたからこそ、国王陛下に信頼されたのである


「さてシリウスの奴は今頃、何をやってるのかな。」


「シリウスはオリビア嬢と一緒にピクニックに行っていますわ。」


「羨ましいな。」


その頃、シリウスはリチャードの娘であるオリビア・アルバイナ【年齢は10代半ば、色白の肌、切れ長の瞳、翠眼、金色の長髪ロングヘアー、身長は160㎝の気品漂う美少女】と一緒にピクニックに出かけていた


「シリウス様、今日は雲一つない晴天ですわね。」


「うん!デートにぴったりだ♪」


「もう、シリウス様ったら♪」


シリウスはというと、初めて顔合わせしたオリビアに一目惚れし、即婚約を了承したのである。父からはオリビアを蔑ろにしたら、絶縁の上で切腹と脅されたが、とんでもない。こんな可愛い娘と婚約を結べたのだから裏切るなんてとんでもない。オリビア自身も気立てが良く、笑顔が素敵である。いずれ義父母となるリチャード侯爵とマリン侯爵夫人とも上手くやってるし、このまま婚姻を結んでもいいと思った


「(侯爵閣下には感謝せねばな。)」


当初はなんで自分が侯爵家に婿養子になったのか未だに理解できなかった。父曰く、国王の命とリチャード・アルバイナ侯爵の懇願によって結ばれたものだという。初めてリチャード侯爵と会ったのは初めての御茶会の時だ。まだ言葉も覚束ない頃から、リチャード侯爵は膝を曲げて、自分達に挨拶をしたらしい、はっきりとは覚えてないけど・・・・


「・・・ス、シリウス様!」


「あ、ああ。」


「どうされたのですか、ぼおっとして。」


「いや、昔を思い出してたんだ、オリビアの御義父上と初めて会った事をな。」


「お父様の事を。」


「あぁ、母上の元婚約者だったって聞いているし、御義父上が僕を養子に迎えたいと申し出があった時は本当に驚いたよ。」


「お父様が・・・・」


「うん、それで聞いてみたんだよ、なんで僕を養子に迎えたいって・・・・そしたら、【君のような息子が欲しかった】とさ。」


「まあ。」


「そう言われたら、断るわけにもいかないしな。父上も母上もリチャード侯爵が義父上ならって了承してくれたしな。それに運命の出会いも果たしたしな♪」


「まあ、シリウス様ったら♪」


その後のアルグレンは無事にイリスと結婚し2男2女を儲けた。父である島左近が隠居した後に、【シマ国士準男爵家(公爵格)】を継承し、島左近の血筋を末永く存続させる事に成功した。サリーナはチャベルと無事に婚約しを果たし3男3女を儲けた。シュバルツ大公家の正妃として、シュバルツ王国を繁栄させ、島左近の血筋を存続させる事に成功した。最後にシリウスも無事にオリビアを婚約を果たし、アルバイナ侯爵家を継承し、2男4女を儲け、現代まで存続する事に成功したのであった


「左近様、上手くやっているようですな。」


「ああ、まあ人生山あり谷ありだが頑張れよ、我が子らよ。」






※皆様の応援のおかげにて戦国武将【島左近】配下の忍びと共に異世界に転生する!「旧題:異世界転生【島左近】」が無事に完結する事ができました。私にとっては初の長編作品ですので、感慨深いです。他の作品も是非、ご覧ください


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