少女の日記。
〘少女の日記。〙
信じられない。
私は理想郷と言われる場所に案内されたのに、なんとその場所は理想郷とは言い難いものだった。
空は淡い紫からピンクに変わったり、深緑の草の上には真っ黒な歪な建造物らしきものが建ち、そして巨大なムカデが這いつくばって黒いレースのように走っては名前もない真っ白な亡霊……燐光幻影があちらこちらに浮いている。
廃墟の遊園地があり、メリーゴーランドでまわっているのは苦しみと絶対と困惑。
こんな場所、理想郷じゃないわ。
そういうと、箱庭は笑った。
「君の神経を幻想哲学装置に繋げれば、貴方はもうすぐ幸せになれるはず。」
それが薄暗い暗くて歪んだ理想郷だったとしてもね。
その言葉を聞いて私は分かったのだ。
そう、彼らはこういった。
私たちの想像から生まれたと。
しかしその想像の元はあまりにも歪んでいたに違いないの。
それは絶望、困惑、苦しみから生まれた理想郷たち。
だから、彼らの思う理想郷はこの世界。
そして箱庭のもつ、幻想哲学装置。
あれに神経を繋がれてしまえば、そのうちこの世界にいることに幸せに感じてしまう。
幸せだけを感じとれるのだ。
そう、……他の負の感情は切り抜き取られる。
そうして理想郷に食べられていくに違いない。
私は翌日に決めた。
どうやら今いる森の近くに、マッシュルームというきのこの集まりがあるらしい。
どうやらあのきのこに体を支配されると、永遠の眠りにつくらしい。
私はきのこにこの身をさずけることにした。
だって、もう耐えられない。
あの装置は恐ろしい。
恐ろしすぎる。
何故誰も、止めないのか……いや、きっと止められないんだ。
彼らはなんて恐ろしいんだろう。
でも、でも……。
こうして夢を見てしまった私達も私達なのかもしれないね。
あぁ、明日には、私は、……。
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